https://www.academia.edu/download/54227134/j.jmapro.2010.10.00420170823-5839-139a9bv.pdf
タイトル (Title)
Ultraprecision ductile mode machining of glass by micromilling process
ガラスの超精密延性モード加工におけるマイクロミリングプロセス
ジャーナル名および出版年 (Journal Name & Publication Year)
Journal of Manufacturing Processes, 2011
第一および最終著者 (First and Last Authors)
Muhammad Arif, Wong Yoke San
第一所属機関 (First Affiliations)
Department of Mechanical Engineering, National University of Singapore
概要 (Abstract)
ガラスの延性モード加工の実現を目指し、マイクロエンドミリングプロセスによる実験的研究が行われた。本研究では、ガラスの延性-脆性遷移を制御する切削条件を特定し、ソーダ石灰ガラスでの脆性破壊のない加工が可能であることを確認した。
背景 (Background)
ガラスは、その高硬度や低い破壊靭性のため加工が困難とされるが、光学や電子機器など多くの分野で使用される重要な材料である。従来の加工方法では脆性破壊が発生するため、延性モードでの加工技術の確立が必要である。
方法 (Methods)
超精密ミリング機器を用い、異なる切削条件(送り量、切込み深さ)でソーダ石灰ガラスのスロット加工を実施。加工中の力や表面粗さを測定し、表面特性を評価した。
結果 (Results)
延性モード加工は適切な送り量と切込み深さで可能であり、脆性破壊を防止できることが確認された。
実験に基づく臨界チップ厚さは60–70 nmであり、理論値45 nmを上回る結果となった。
表面粗さは送り量に依存し、低送り量ではプラウイング効果が観察された。
議論 (Discussion)
加工条件の調整により延性モード加工が可能となり、実験結果は切削中の熱的軟化の影響を示唆する。
新規性 (Novelty compared to previous studies)
従来のダイヤモンド工具の高コスト問題に代わり、炭化物工具を使用した初の研究。
ソーダ石灰ガラスでの延性スロット加工の可能性を実証。
限界 (Limitations)
工具摩耗や加工時間による影響が依然として課題。
加工精度の向上にはさらなる研究が必要。
潜在的応用 (Potential Applications)
光学機器や電子部品の高精度加工における応用が期待される。また、複雑な三次元形状加工に対するコスト効率の良い代替案となる。
加工条件を教えてください
加工条件 (Cutting Conditions)
スピンドル回転速度: 3000 rpm
切込み深さ (Axial Depth of Cut): 0.2 µm, 0.4 µm, 0.6 µm
送り量 (Feed Rate): 40, 80, 100, 120, 140, 160 nm/rev
冷却方法: 水を冷却剤として使用し、切削時に工具とワークピース接触領域を浸漬
使用工具: 2フルート、TiAlNコーティング、超微粒子炭化物製エンドミル(工具径0.8 mm、刃先半径0.5 µm)
環境条件: 振動隔離された台上に設置されたクリーンルームでの実験
備考: 各切削条件ごとに新しい工具を使用し、工具摩耗の影響を最小限に抑えた。また、切削前に15分間スピンドルを空転させ、熱の影響を低減した。