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土砂の通貨を許容する水車の開発

水力発電施設では、出水時に濁度が一定以上に上昇すると、水車の摩擦などが懸念されることから、発電を停止する際、積極的な発電取水を行わないのが一般的である。
また、出水時に発電を行うケースについては、濁水通過により水車が摩擦し、効率の低下を招くことから、これまで、耐摩耗性の高いコーティングの研究・開発が行われてきた。

ダム貯水池の堆砂は出水時の土砂流入により進行するため、出水時の発電取水で土砂(浮遊砂など)を通過させることができれば、堆砂進行を抑制できる可能性がある。
海外では、出水時に積極的に土砂を通過させることを想定した研究が行われており、水車の摩耗に対して、ハードコーティング(チタン合金膜の吹付等)やソフトコーティング(ポリウレタン)が研究されている。

過去の研究において、浮遊土砂の量が増加する、また浮遊土砂径が大きくなるにつれて、粗面水路では抵抗係数が小さくなる傾向が実験により確認されている。
発電所の導水路のように数km~数十kmにわたる水路の場合、水路の摩擦系抵抗が変化することによる発電量への影響は大きいと考えられる。

新潟県の信濃川発電所(最大出力180000kW)では、毎年4月に比べて9月の最大出力が8000kWも小さくなっている。
発電所で使用する水の密度の着目したところ、4月の融雪期の流水は濁っており土砂の濃度が夏季に比べ高く、年間の土砂濃度と出力変動には細部まで一致はしないものの相関が確認された。

これは、融雪期や出水時などの濁度の高い時期に積極的に発電を行うことで、出力増加につながる可能性を示唆している。
なお、水力発電の分野では、過去には、上記を一例として、さまざまな視点から発電の高効率化に向けた研究が実施されていた。

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