https://personal.ntu.edu.sg/mzwzhong/Ductile%20or%20partial%20ductile%20mode%20machining%20of%20brittle%20materials.pdf

タイトル(英語・日本語)
Ductile or Partial Ductile Mode Machining of Brittle Materials
脆性材料の延性または部分延性モード加工

ジャーナル名と発行年
International Journal of Advanced Manufacturing Technology, 2003年

第一および最終著者
Z. W. Zhong

第一著者の所属機関
School of Mechanical and Production Engineering, Nanyang Technological University, Singapore

概要
本研究では、シリコン、ガラス、および一部の先進セラミックスの延性または部分延性モード加工について報告しています。スキャン型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加工された表面の観察結果が提示されています。安価な工作機械を使用した研削およびラッピングにより、脆性材料表面に延性ストリークを生成することが可能であるとしています。また、破砕モードや部分延性モード研削を組み合わせた球面ガラスレンズの製造は、迅速かつ経済的であると結論付けています。

背景
脆性材料の加工には、低表面粗さと最小限のサブサーフェス損傷が求められますが、従来の研削ではこれらが困難です。本研究では、延性モード加工が可能な条件を模索し、その効果を分析しています。

方法

ジルコニア(ZrO₂)とアルミナ(Al₂O₃)を対象とした研削実験。
球面および非球面ガラスレンズの加工、ラッピング、研磨実験。
シリコンレンズおよびSiCミラーの研削試験。
フラットシリコン表面の研削試験。
結果

延性モード研削により、鏡面仕上げが可能であり、追加の研磨工程を不要にする場合もあることが確認されました。
特にZrO₂とAl₂O₃では、延性ストリークが観察され、高速ホイール条件下ではプラスチック変形が主要な除去メカニズムであることが示されました。
ガラスレンズのラッピングおよび研削において、最適条件では部分延性モード表面が得られ、研磨時間の短縮に寄与しました。
議論
延性モード加工により、従来の破砕モード加工よりも高品質な表面が得られる可能性がある一方で、加工条件の最適化が必要であると結論付けられています。また、廉価な工作機械を使用しても良好な結果が得られる点が強調されています。

これまでの研究との新規性
延性モードおよび部分延性モード研削に焦点を当て、従来の研削手法と比較して、加工時間の短縮や表面品質の向上を実証しています。

限界
延性ストリークの形成には加工条件の細かな制御が必要であり、適切な機器や技術が欠如すると成果が得られない可能性があります。

潜在的な応用
光学産業における球面および非球面レンズの製造、半導体および電子産業での応用が期待されます。特に、研磨時間の短縮やコスト削減に寄与する点が注目されます。