[解答]③
参考
回転軸周りの1自由度系の運動方程式(H25)
答え:③ (\displaystyle \omega=\sqrt{\frac{k}{J}})
理由(最短ルート)
- ねじりばね:軸ねじれ角 (\theta) に比例して復元トルク
[
\tau = -k,\theta \qquad[k:\ \mathrm{N,m/rad}]
] - 運動方程式(回転のニュートンの式)
[
J,\ddot{\theta}=\sum\tau = -k,\theta
\quad\Rightarrow\quad
J,\ddot{\theta}+k,\theta=0
]
(軸自身の慣性は無視 ⇒ 慣性モーメントは円板の (J) のみ) - したがって固有角振動数
[
\boxed{\omega=\sqrt{\frac{k}{J}}}
]
エネルギー法でも同じ
[
T=\frac12 J\dot{\theta}^2,\quad U=\frac12 k\theta^2
]
→ (J\ddot{\theta}+k\theta=0) → (\omega=\sqrt{k/J})。
※円板半径を (R) とすると (J=\tfrac12 mR^2)(参考)。
詳しく教えて下さい
いいですね。図の装置は**ねじりばね + 慣性体(円板)**の“1自由度ねじり振動”です。式づくりを最初から丁寧に追います。
1) 物理モデルと記号
- (\theta(t)):円板のねじれ角(微小角、[rad])
- (k):ねじりばね定数(トルク/角度) ([,\mathrm{N,m/rad},])
- (J):円板の回転慣性モーメント(軸まわり) ([,\mathrm{kg,m^2},])
※軸の慣性は「無視できるほど小さい」とあるので採用しない。
2) 復元トルク(フックの法則のねじり版)
ねじれ角 (\theta) に比例してばねの復元トルクが働く:
[
\tau_{\text{spring}} = -,k,\theta
]
符号マイナスは、変位と逆向き(元に戻そうとする)という意味。
3) 運動方程式(回転の運動方程式)
回転版ニュートンの第2法則:
[
\sum \tau = J,\ddot{\theta}
]
ここではばねトルクだけなので
[
J,\ddot{\theta} = -k,\theta
\quad\Rightarrow\quad
\boxed{,J,\ddot{\theta}+k,\theta=0,}
]
これは**1自由度の単振動(ねじり版)**の標準形です。
4) 固有角振動数
標準形 (M\ddot q + K q=0) の解は (\omega=\sqrt{K/M})。
ここでは (M\to J), (K\to k) なので
[
\boxed{,\omega=\sqrt{\frac{k}{J}},}
]
(選択肢③)
5) 単位チェック
[
\frac{k}{J};:;\frac{\mathrm{N,m/rad}}{\mathrm{kg,m^2}}
= \frac{\mathrm{kg,m^2/s^2}}{\mathrm{kg,m^2}}
= \frac{1}{\mathrm{s^2}}
\Rightarrow \omega=\sqrt{k/J};[\mathrm{rad/s}]
]
OK。
6) 解の形と意味
微分方程式の一般解:
[
\theta(t)=\Theta\cos(\omega t-\phi),\quad
\omega=\sqrt{k/J}
]
周期 (T=2\pi/\omega) で減衰なしの等振幅ねじり振動(理想化)。
7) エネルギー法(別解)
- 運動エネルギー:(\displaystyle T=\frac12 J\dot{\theta}^2)
- ばねのひずみエネルギー:(\displaystyle U=\frac12 k\theta^2)
ラグランジュ法(( \frac{d}{dt}\frac{\partial T}{\partial \dot\theta}-\frac{\partial T}{\partial \theta} + \frac{\partial U}{\partial \theta}=0 ))
→ (J\ddot{\theta}+k\theta=0) → 同じ結果。
8) 参考:円板の慣性モーメント
半径 (R)、質量 (m) の一様円板の軸まわり慣性モーメントは
[
\boxed{,J=\frac12,mR^2,}
]
(図の“軸心周り”)
これを入れると (\omega=\sqrt{\dfrac{2k}{mR^2}})。
9) 直感チェック
- ばねが硬い((k\uparrow))→ 速く振動((\omega\uparrow))
- 円板が重い/大きい((J\uparrow))→ 鈍重((\omega\downarrow))
- 線形近似は微小角((|\theta|\ll1))が前提
必要なら、数値例や**減衰(ねじり粘性 (c_\theta))**を入れた場合の
(\lambda=-\frac{c_\theta}{2J}\pm i\sqrt{\frac{k}{J}-\left(\frac{c_\theta}{2J}\right)^2}) まで展開します。
回転と並進運動の式を比較すると、Jはmと対応しますか
はい、その理解で完璧です。
✅ 結論
回転運動における慣性モーメント (J) は、並進運動における質量 (m) に対応します。
より正確に言うと、
- 並進運動(直線運動)の「動きにくさ」=質量 (m)
- 回転運動(角運動)の「回りにくさ」=慣性モーメント (J)
です。
✅ 対応表(これが本質)
| 並進運動 | 回転運動 |
|---|---|
| 変位 (x) | 角変位 (\theta) |
| 速度 (\dot{x}) | 角速度 (\dot{\theta}) |
| 加速度 (\ddot{x}) | 角加速度 (\ddot{\theta}) |
| 質量 (m) | 慣性モーメント (J) |
| 力 (F) | トルク(モーメント) (\tau) |
| 運動方程式:(m\ddot{x}=F) | 運動方程式:(J\ddot{\theta}=\tau) |
| ばね:(k x) | ねじりばね:(k\theta) |
| 固有角振動数:(\sqrt{k/m}) | 固有角振動数:(\sqrt{k/J}) |
完全に「置き換えの関係」になっています。
✅ 直感的イメージ
質量 (m) が大きいほど動きにくいように、
慣性モーメント (J) が大きいほど回りにくい。
たとえば…
- 同じ 1 kg でも
→ 半径 10 cm の円板より
→ 半径 1 m の大きな円板の方が回しづらい
これは「質量が遠くに分布しているほど (J) が大きくなる」ためです。
✅ エネルギーの式でも完全に対応
並進の運動エネルギー
[
T=\frac12 m\dot{x}^2
]
回転の運動エネルギー
[
T=\frac12 J\dot{\theta}^2
]
どちらも「慣性項 ×(速度)²/2」で同じ形。
✅ ばね系の固有振動数も完全対応
並進系:
[
m\ddot{x}+kx=0
\quad\Rightarrow\quad
\omega=\sqrt{\frac{k}{m}}
]
回転系:
[
J\ddot{\theta}+k\theta=0
\quad\Rightarrow\quad
\omega=\sqrt{\frac{k}{J}}
]
✅ まとめ
- **(\theta \leftrightarrow x)(変位の対応)
- (J \leftrightarrow m)(慣性の対応)
- (k \leftrightarrow k)(ばね定数)
- (\tau \leftrightarrow F)(駆動力の対応)**
だから回転運動の方程式は、並進運動の方程式を「角度版に置き換えたもの」と考えれば理解が速いです。
必要なら、
✅ 質点だけでなく棒・円板・球などの J の導出
✅ 並進と回転が混ざる複合振動の例(倒立振子など)
も解説できます!
回転による運動方程式はどのように導出されたのですか?
回転の運動方程式
[
J\ddot{\theta}=\sum \tau
]
(角運動量の時間微分=外力モーメント)
これは 並進運動の式 (m\ddot{x}=F) の「角度版」です。
でも、なぜこの形になるのか?
ここをゼロから導出してみます。
✅ 1. 最も基本に戻る:質点の運動方程式から導く
回転軸から距離 (r) の所にある質点 (m) を考える。
質点は円運動していて、角度 (\theta(t)) に応じて位置は
[
x=r\theta
]
と書ける(小角度だけでなく一般でも成立)。
並進の運動方程式は
[
m\ddot{x}=F_{\text{tangential}}
]
ここで
[
x=r\theta \Rightarrow \ddot{x}=r\ddot{\theta}
]
代入すると
[
m(r\ddot{\theta}) = F_{\text{tan}}
]
接線方向の力のモーメントは
[
\tau = r F_{\text{tan}}
]
両辺に (r) を掛けると
[
mr^2 \ddot{\theta} = r F_{\text{tan}} = \tau
]
つまり
[
\boxed{mr^2 \ddot{\theta} = \tau}
]
ここで
[
mr^2 \equiv J
]
これは軸まわりの慣性モーメントの定義。
すると
[
\boxed{J\ddot{\theta}=\tau}
]
これが回転の運動方程式そのもの。
✅ 2. 質点がたくさんある一般物体へ拡張
剛体は質点の集まりだから、
各質点に対して
[
m_i r_i^2 \ddot{\theta}=\tau_i
]
が成り立つ。
全部足せば
[
\sum m_i r_i^2 \ddot{\theta} = \sum \tau_i
]
左辺:
[
\left(\sum m_i r_i^2\right)\ddot{\theta}
]
これは物体の慣性モーメント
[
J=\sum m_i r_i^2
]
なので
[
\boxed{J\ddot{\theta}=\sum \tau}
]
こうして一般の剛体にも拡張される。
✅ 3. もっと根本(角運動量)からの導出
剛体の角運動量 (L) は
[
L = J\dot{\theta}
]
ニュートンの運動方程式の回転版は
[
\sum \tau = \frac{dL}{dt}
]
なので
[
\sum \tau = \frac{d}{dt}(J\dot{\theta})
]
もし J が一定(剛体)なら
[
\sum \tau = J\ddot{\theta}
]
✅ 4. エネルギー原理からの導出(ラグランジュ方程式)
運動エネルギー
[
T=\frac12 J\dot{\theta}^2
]
ポテンシャル(ばねや重力など)を (U(\theta)) とすると
[
\frac{d}{dt}\left(\frac{\partial T}{\partial \dot{\theta}}\right)
+\frac{\partial U}{\partial \theta}=0
]
[
\frac{d}{dt}(J\dot{\theta})+k\theta=0
]
J が一定なら
[
J\ddot{\theta}+k\theta=0
]
これも同じ式。
✅ 5. 並進運動との比較で全体像をつかむ
| 並進運動 | 回転運動 |
|---|---|
| 質量 (m) | 慣性モーメント (J) |
| 変位 (x) | 回転角 (\theta) |
| 加速度 (\ddot x) | 角加速度 (\ddot\theta) |
| 力 (F) | トルク (\tau) |
| エネルギー (\frac12 m\dot{x}^2) | エネルギー (\frac12 J\dot{\theta}^2) |
| 法則 (m\ddot{x}=F) | 法則 (J\ddot{\theta}=\tau) |
この“完全に対応する”構造が、回転運動の式の根っこです。
✅ 6. 最後に一言でまとめると
回転の運動方程式は、質点に対する (m\ddot{x}=F) を
「角度で書き直しただけ」から生まれた。
- (x=r\theta)
- (\ddot{x}=r\ddot{\theta})
- (\tau=rF)
- (mr^2=J)
これを組み合わせたら自動的に
[
J\ddot{\theta}=\tau
]
が出てくる。
必要なら、
✅ 慣性モーメント (J=\int r^2 dm) の背景
✅ 剛体の角運動量の空間ベクトル版
✅ 並進+回転が混ざる例(倒立振子、ロボットアーム)
も詳しく説明できます!
ここで mr^2 \equiv J これは軸まわりの慣性モーメントの定義。とありますが、jには1/2という係数がつきませんでしたか?
とても鋭い質問です。
結論から先に言うと:
✅ 1点質量の慣性モーメントは (J = m r^2)(係数つかない)
✅ 円板や棒など“形のある物体”の慣性モーメントには、形状による係数がつく(1/2, 1/12 など)
つまり、「1/2 がつくとき」と「つかないとき」は状況が違うのです。
✅ 1. 1点質量の場合は必ず (J = mr^2)
たとえば、ひもで結んだ“点”のような質量が半径 (r) の円周を回るときは
[
J = m r^2
]
これは最も基本の定義。
[
J = \sum_i m_i r_i^2 = \int r^2,dm
]
✅ 2. 「1/2」「1/12」などの係数は“質量分布の形”による
例えば…
● 一様円板(垂直軸まわり)
[
J = \frac12 m R^2
]
● 一様棒(端を通る軸まわり)
[
J = \frac13 m L^2
]
● 一様棒(中心まわり)
[
J = \frac{1}{12} m L^2
]
● 中空円筒
[
J = m R^2
]
これらの係数は
[
J = \int r^2 dm
]
を実際に積分した結果によって決まります。
✅ 3. 係数がつく理由(質量分布の違い)
たとえば円板の場合:
- たくさんの質量が「中心に近い r で」分布している
→ (mr^2) より小さくなる
→ 係数が 1/2 に
一方、
- 全質量が外周に集中している(輪のような物体)
→ すべて r = R
→ (J = mR^2)(係数 1)
要するに
係数は「質量がどこに分布しているか」によって変わる。
✅ 4. あなたが見た式「J = m r^2」はどのケースか?
前の説明で出てきた
[
mr^2 \equiv J
]
は 1質点のモデル の話です。
これは
- 物体が「1つの質点」とみなせる
- または回転運動を微小質点ごとに分解して導出している途中
という状況でした。
このときは絶対に
[
J = m r^2
]
しか出てきません(係数なし)。
✅ 5. 円板や棒の慣性モーメントに係数がつく理由を直感的に
例えば円板:
真ん中の質量 → 半径小さい → Jへ貢献少ない
外周の質量 → 半径大きい → Jへ貢献大きい
全部合わせると
[
J = \int_0^R r^2 , dm = \frac12 m R^2
]
これが係数の由来です。
✅ 6. まとめ
| モデル | 慣性モーメント |
|---|---|
| 1点質量 | (J = m r^2)(係数なし) |
| 同心円上に質量集中(輪) | (J = m R^2) |
| 一様円板 | (J = \frac12 m R^2) |
| 一様棒(中心) | (J = \frac{1}{12} m L^2) |
| 一様棒(端) | (J = \frac13 m L^2) |
係数がつくかどうかは質量がどこに分布しているかで決まる。
もしよければ、
✅ 各形状の J を実際に積分で導く
✅ 動く物体の“並進+回転”の一般式
✅ 剛体の角運動量のベクトル形式
なども続けて説明できます!


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