薄肉円筒の軸方向ひずみは、内圧 pp に対して次の式で与えられます。 εx=1E(σxνσθ)\varepsilon_x=\frac{1}{E}\Bigl(\sigma_x-\nu\,\sigma_\theta\Bigr)   ここで σθ=prt,σx=pr2t\sigma_\theta=\frac{p\,r}{t},\qquad \sigma_x=\frac{p\,r}{2t}   を代入すると εx=1E(pr2tνprt)=prt12ν2E\varepsilon_x =\frac{1}{E}\Bigl(\frac{p\,r}{2t}-\nu\frac{p\,r}{t}\Bigr) =\frac{p\,r}{t}\frac{1-2\nu}{2E}   よって p=εx  2Etr(12ν)p=\varepsilon_x\;\frac{2E\,t}{r\,(1-2\nu)}   により求まります。数値代入すると r=d2=60mm,t=2mm,  E=206GPa,  ν=0.3,  εx=32×106r=\frac{d}{2}=60\rm\,mm,\quad t=2\rm\,mm,\; E=206\rm\,GPa,\;\nu=0.3,\;\varepsilon_x=32\times10^{-6} p=32×106×2×206×103MPa×260×(12×0.3)1.10  MPap =32\times10^{-6}\times\frac{2\times206\times10^3\rm\,MPa\times2}{60\times(1-2\times0.3)} \approx1.10\rm\;MPa   したがって最も近いのは   1.10  MPa https://youtu.be/oGDB4xlMblo\boxed{②\;1.10\rm\;MPa}

容器の中に圧力を加えた場合、容器にかかる応力は容器端部を両端に引っ張るので2倍になりますか?

とても良い質問です。 結論から言うと―― 「端部が閉じられている容器では、軸方向応力(円筒を引っ張る応力)が発生しますが、それが2倍になるわけではありません。」

🔹 薄肉円筒の内圧による応力の関係

内圧 ( p ) を受ける薄肉円筒では、主に以下の2種類の応力が発生します:
応力の種類 記号 大きさ 向き 備考
周方向応力(フープ応力) ( \sigma_\theta ) ( \displaystyle \frac{p r}{t} ) 円周方向 円筒を「裂こう」とする力
軸方向応力(長手方向応力) ( \sigma_x ) ( \displaystyle \frac{p r}{2t} ) 軸方向 端部のふたを「引きちぎろう」とする力

🔹 なぜ 1/2 になるのか(2倍にはならない理由)

端部のふた(円板)には内圧 ( p ) がかかり、その全体の力は [ F_{\text{端}} = p \pi r^2 ] です。 この力を、円筒の周壁(厚さ ( t ))が断面積 ( 2\pi r t ) で受け止めるので、 [ \sigma_x = \frac{F_{\text{端}}}{2\pi r t} = \frac{p r}{2t} ] となります。 一方、円周方向応力は円周方向に引っ張られるため [ \sigma_\theta = \frac{p r}{t} ] で、こちらのほうが2倍大きいのです。 つまり、「2倍になる」というのは逆で、 軸方向応力は周方向応力の半分です。

🔹 端部が開放されている場合との違い

  • 両端が閉じている場合(ふた付き容器) → 軸方向応力 ( \sigma_x = p r / 2t ) が発生する。
  • 片側または両端が開いている場合(配管など) → 軸方向応力は生じない(または外部拘束により変化)。

✅ まとめ

状況 軸方向応力 ( \sigma_x ) 周方向応力 ( \sigma_\theta )
端部あり(密閉容器) ( \frac{p r}{2t} ) ( \frac{p r}{t} ) ( \sigma_x : \sigma_\theta = 1 : 2 )
端部なし(開放配管) 0 ( \frac{p r}{t} )

したがって、
「容器の端部を両端に引っ張るので応力が2倍になる」
のではなく、むしろ端部を閉じることで軸方向応力が新たに生じ、その大きさは周方向応力の半分になるのが正しい理解です。  

周方向に引っ張られるので軸方向には縮むのですか?

とても良いところに気づかれました。 はい、その通りです。周方向に引っ張られることで軸方向にはわずかに縮みます。 これは**ポアソン効果(Poisson effect)**によるものです。

🔹 ポアソン効果とは

材料に引っ張り応力をかけると、引っ張り方向に伸びる一方で、 それと垂直な方向には縮むという性質があります。 例えばゴムを横に引っ張ると、縦に細くなるのと同じ現象です。 この比率を表すのが**ポアソン比 ν(ニュー)**で、 金属では一般に ( \nu \approx 0.3 ) 程度です。

🔹 円筒の内圧による変形の関係

薄肉円筒が内圧 (p) を受けると、 内部からの圧力によって円周方向と軸方向に引っ張り応力が生じます。
  • 周方向応力: ( \sigma_\theta = \dfrac{p r}{t} )
  • 軸方向応力: ( \sigma_x = \dfrac{p r}{2t} )

🔹 各方向のひずみの式

それぞれの方向のひずみ(変形量の比)はフックの法則とポアソン効果を組み合わせて表されます: [ \varepsilon_\theta = \frac{1}{E}(\sigma_\theta - \nu\sigma_x) ] [ \varepsilon_x = \frac{1}{E}(\sigma_x - \nu\sigma_\theta) ]

🔹 方向ごとの挙動

方向 主応力 他方向からの影響 結果
周方向 大きな引っ張り応力 ( \sigma_\theta ) 軸方向からの圧縮効果 ( -\nu\sigma_x ) 大きく伸びる
軸方向 小さい引っ張り応力 ( \sigma_x ) 周方向からの圧縮効果 ( -\nu\sigma_\theta ) わずかに縮むこともある

🔹 実際の変形傾向

  • **周方向の伸び(膨張)**が支配的
  • 軸方向は「端部の拘束がなければ」周方向伸びによるポアソン効果でわずかに縮む
  • しかし、端部がふたで閉じられている場合は軸方向にも引っ張り応力がかかるため、 周方向伸びによる縮みが部分的に相殺されて、全体としてはわずかに伸びるか、ほぼ変わらない程度になります。

✅ まとめ

条件 軸方向変形の傾向
端部が開いている(配管など) 周方向伸びのポアソン効果で 軸方向に縮む
端部が閉じている(圧力容器など) 軸方向引っ張り応力も加わり、縮みが相殺またはわずかに伸びる

つまりご質問のように
周方向に引っ張られるので軸方向には縮むのですか?
はい、端部が自由であれば確かに縮みます。 ただし端部が閉じられている容器では、軸方向応力がそれを打ち消すので、実際にはほとんど変化しないか、わずかに伸びるというのが正確な理解です。

端部のふた(円板)には内圧 p がかかり、その全体の力は F_{\text{端}} = p \pi r^2 はフタは両端面にあるので2倍にはなりませんか?

  結論から言うと――

内圧が 2 つのフタに作用しても、軸方向応力が 2 倍になることはありません。

理由は **「軸方向応力を生じさせるのは“1 つの端面の力”のみ」**だからです。 両端にフタがあっても、円筒の“途中断面”が受ける力は 片側分だけになります。

🔍 なぜ「両端にフタがあるのに 2 倍にならない」のか?

これを理解するためには どの断面(切り口)で力のつり合いを考えるか が重要です。

① 両端のフタに作用する総力

  • 前端のフタ → ( F = p\pi r^2 )
  • 後端のフタ → ( F = p\pi r^2 )
確かにフタは2つあるので、合計すると (2p\pi r^2) の力が容器を押し広げようとします。

② しかし軸方向応力を求めるときは、「円筒の途中で切る」

軸方向応力 ( \sigma_x ) は、次の断面を考えて求めます:
|←―――― 円筒 ――――→|
    (ここで切断)
この切断面には、片側のフタの力だけが伝わってくる。 後ろ側は、切断面の向こう側にあり、「反対向きに」力がかかっているため 切断面には影響しません。 したがって、 [ F_{\text{断面}} = p\pi r^2 ] だけが関係する。 これを円筒壁の引張応力断面(面積 (2\pi r t))で支えるため、 [ \sigma_x = \frac{p\pi r^2}{2\pi r t} = \frac{pr}{2t} ] となります。

③ なぜ 2 倍にしてはいけないのか?

もし 2 倍の力 (2p\pi r^2) を使って計算したら、
(断面が支えるべき力)>(実際にその面にかかる力)
となり、物理的に矛盾します。 軸方向応力を受けるのは「ある一つの切断面」だけなので、 その面に作用するのは 片側端面の力だけなのです。

🔚 まとめ

● フタは2枚 → 力は2つある ● しかし軸方向応力を決める断面に作用するのは、1枚分の力だけ だから軸方向応力は [ \sigma_x = \frac{pr}{2t} ] となり、2 倍にはならないのが正しい。
必要なら、図を描いてさらに詳しい力のつり合いを説明しますよ!

ポアソン効果によるひずみを求める場合でもヤング率も関係するのですね

  そうなんです、「ポアソン効果だけ見ていればヤング率はいらなそう」に見えますが、何を出発点にするかで話が変わります。

① ひずみ同士の関係だけを見るとき

軸方向ひずみを (\varepsilon_x) とすると、 ポアソン効果は [ \varepsilon_y = - \nu \varepsilon_x ] のように ひずみとひずみの関係だけで書けます。 このときは ヤング率 (E) は出てきません。
例: 「試験片を1%引っ張った((\varepsilon_x = 0.01))とき、横方向ひずみはいくら?」 → (\varepsilon_y = - \nu \varepsilon_x) だけでOK。Eは不要。

② 応力からひずみを求めるとき

今回の圧力容器のように、内圧 → 応力 (\sigma) がまず決まり、 そこからひずみを求める場合は [ \varepsilon_x = \frac{1}{E}(\sigma_x - \nu\sigma_\theta) ] のように 必ず (E) が入ります
  • まずフックの法則で (\varepsilon \sim \sigma /E)(「どれだけ伸びやすい材料か」を決めるのが (E))
  • その中に「他方向の応力が横から効いてくる係数」として (\nu) が乗っかっている
という構造です。
例: 「内圧 (p) をかけたら、円筒軸方向のひずみはいくら?」 → まず (\sigma_x, \sigma_\theta) を (p) から求め、 それを (\varepsilon_x = \frac{1}{E}(\sigma_x - \nu\sigma_\theta)) に入れるので、 Eもνも両方必要になります。

まとめ

  • ひずみ → ひずみ」だけを見る: ⇒ ポアソン比 (\nu) だけで足りる((\varepsilon_y = -\nu \varepsilon_x))。
  • 応力 → ひずみ」を求める: ⇒ ヤング率 (E) とポアソン比 (\nu) の両方が必要。
さっきの問題では「内圧(応力)からひずみを通して圧力を逆算」していたので、 ヤング率も効いてきた、という流れになります 😊

切断面は両側の力を受けているように感じます。更に詳しく教えて下さい

理解がとても鋭いです。 「切断面は両側のフタから力を受けているのでは?」と感じるのは自然ですが、 実は “どの力がその切断面に伝わるか” を丁寧に分けると矛盾が消えます。 ここでは 図を描くように、1ステップずつ説明します。

🔍 結論(最初に)

切断面が支える力は、片側のフタに作用する力だけである。 両端のフタに作用している力は「互いに反対向きに作用」しているため、 切断面には同時に乗ってこない。

🔍 徹底的にわかるように図解(文章で図を描きます)

円筒を横から見て、両端にフタがあるとします:
[ フタ ]==== 円筒 ==== [ フタ ]
    ↑                     ↑
  pπr²                 pπr²
(左へ押す)        (右へ押す)
両端のフタには:
  • 左フタ:右向き力 pπr²
  • 右フタ:左向き力 pπr²
が作用しています。 つまり 円筒全体としては引き伸ばされている状態です。

🔍 では途中で円筒を切断してみる

軸方向応力(σₓ)を求めるときの標準的な操作です。 円筒の中央で切ります:
[ フタ ]====≡ 切断面
切断すると、右側の部分は無くなります。 すると 残った物体(左半分)に作用する外力はどうなるでしょう? 残っているのは:
  • 左側のフタ(右向き力 pπr²)
  • 切断面(右側から「引っ張られていた力」を再現する必要あり)
です。 右側フタは切り落としてしまったので、残った物体には 右側フタの力は作用しません

🔍 つり合い条件

残された左半分は、右向きに pπr² で引かれています。 これに対抗して、切断面は 左向きの力 を発生させる必要があります。
左フタ →→→(pπr²) = 切断面 ←←←(円筒壁の引張力)
したがって切断面が支える力は pπr² のみ

🔍 では両端の力はどうなったのか?

元の問題の図に戻ります。 両端フタの力は
左フタ: → pπr²
右フタ: ← pπr²
であり、方向が反対です。 なので、円筒の真ん中で切ったとき、切断面に現れるのは 片側のフタの力だけです。 右のフタは、右側部分にのみ影響し、左の切断面には伝わらない。

🔍 もうひとつイメージが掴みやすい例(超重要)

● もし両端の力を足して 2pπr² を切断面が受けるとしたら?

それは「片側だけの物体に、両端から押す力が同時にかかっている」 という物理的に不可能な状態を意味します。 片側を切り落としているので:
  • 切断された物体に作用する外力は 「残った端の力だけ」が有効
ということになります。

🔍 軸方向応力はこうして求まる

切断面に作用する力 [ F = p\pi r^2 ] これを受ける断面積 [ A = 2\pi r t ] したがって [ \sigma_x = \frac{F}{A} = \frac{p r}{2 t} ]

🔚 まとめ

  • 両端にフタがあると、円筒全体に引き伸ばす力は確かに2つ
  • でも円筒の途中で切ったときに、その切断面が支えるのは 片側フタの力 pπr² のみ
  • 反対側フタの力は方向が逆で、切断面には伝わらない
  • よって軸方向応力は [ \sigma_x = \frac{p r}{2t} ] となる

もし必要なら、実際の図を描いた説明図を生成します!

切断したからといって元々その面にかかっていた力を無視することはできませんよね?

  おっしゃるとおりです。 切断したからといって、元々その面に働いていた力を“消してよい”わけではありません。 むしろ力学では、
切断した面には、もともとその面に働いていた内部力を “逆向きに” 再現して与える
という 仮想的な力(内部力) を必ず考えます。 これが「切断面に働く力」として現れます。

🔍 問題のポイント

あなたが抱いている疑問はこうです:
「円筒の両端にフタがあるのだから、円筒全体には2つの端力 ( p\pi r^2 ) がかかっている。 だったら途中の切断面にも、それら両方が伝わってきて 2p\pi r^2 にならないのか?」
この“違和感”は非常に鋭いです。 しかし どの力が切断面に到達しているか を丁寧に分離すると矛盾がなくなります。

🔍 1. 力の伝わり方:方向が重要

両端フタの力を整理すると:
  • 左のフタ:右向きに ( p\pi r^2 )
  • 右のフタ:左向きに ( p\pi r^2 )
← pπr²   [円筒]   pπr² →
(右フタ)       (左フタ)
この2つの力は 互いに反対向きです。 つまり円筒全体は「引き延ばされる状態」ですが、 どの位置で切っても、その切断面には 片側からだけ力が届くことになります。

🔍 2. 実際に切断してみる(可視化)

中央で切る:
左側: [フタ]===|   右側は取り除かれる
                 ↑ 切断面
左側の物体に存在する外力は:
  • 残っている左フタの力 → 右向き ( p\pi r^2 )
  • 右フタの力 →【右側にあったので消える】:左側物体には作用しない
つまり、「切断したから力を消した」のではなく、 そもそも右フタの力は左半分の物体に作用していなかったのです。

🔍 3. 切断面に出る内部力の大きさ

左側の部分を静止させるには 右向きの外力(左フタ)=( p\pi r^2 ) をつり合わせるために 切断面は左向きの力 ( p\pi r^2 ) を発生させます。 これが内部引張力であり、応力計算に使う力です。 [ F_{\text{切断面}} = p\pi r^2 ]

🔍 4. この力を受けるのは“円筒壁の断面積 2πrt”

[ \sigma_x = \frac{F}{A} = \frac{p\pi r^2}{2\pi r t} = \frac{pr}{2t} ] ここに「2倍の力」が入る余地がありません。

🔍 5. なぜ 2 倍にならないのか(直感的説明)

もし切断面が 2 倍の力 (2p\pi r^2) を受けるなら:
  • 左側フタ(右向き)
  • 右側フタ(左向き)
両方が同時に、片側の物体に作用していることになる ──これは物理的に不可能です。 切断した瞬間、右側フタは左側の物体とは“切り離された”ので 力を伝達できません。 これは「力を無視した」のではなく もともとその力は左側物体に作用していないというだけです。

🔚 最終まとめ(重要)

  • 切断面にはもともと「接している側」からの力だけが伝わっている
  • 反対側のフタの力は、方向が逆+切り離されているため、その面には作用しない
  • よって切断面が受ける力は ( p\pi r^2 ) のみ
  • 軸方向応力は [ \sigma_x = \frac{pr}{2t} ]

必要であれば、図つきのより視覚的な説明も作れます!

棒材を両端から力Fで引っ張るのと、片側を固定端としてもう片側を力Fで引っ張る場合は何か変わりますか?

  結論から言うと――

棒を両端から F で引っ張る場合

片端固定で片側から F で引っ張る場合

棒の内部応力・ひずみ・変形のしかたは “まったく同じ” です。 ただし、外力の見え方(反作用力の取り扱い)は違うというだけです。 以下で直感的にも力学的にも完全に分かるように整理します。

🔍 1. ケース①:両端を F で引っ張る

←– F     棒     F –→
左から F、右から F の張力が作用。 棒の内部では次のように内力が働く:
   F →|← F
内部応力: [ \sigma = \frac{F}{A} ] 伸び: [ \delta = \frac{FL}{AE} ]

🔍 2. ケース②:左端固定、右端から F

固定端|====== F → 
このとき固定端は必ず反力 Fを発生します。 外力のつり合いより: 右から F → 左の固定端が F ← で抵抗 結果として
固定端からの反力 F ←     F →
となり、内部にはケース①と同じ張力 F が発生する。 内部応力: [ \sigma = \frac{F}{A} ] 伸び: [ \delta = \frac{FL}{AE} ] 全く同じ。

🔍 3. では何が違うのか?

内部応力・ひずみ・変形は同じですが…

違いは「外力の取り扱い」と「運動の自由度」だけです。

項目 両端 F 固定 + F
棒の内部応力 同じ(F/A) 同じ(F/A)
棒の伸び 同じ(FL/AE) 同じ(FL/AE)
棒の力のつり合い FとFでつり合う Fと反力Fでつり合う
棒全体の剛体運動 動かない(両側拘束) 動かない(固定端)
外力の見え方 両側に力 F 片側 F と固定端反力 F
内部的には変わらない。外の“表現”が違うだけ。

🔍 4. なぜ同じになるのか(重要ポイント)

棒の内部応力は、 「両側から引っ張られているか」 または 「片側から引っ張られて固定が反力を出すか」 の違いであって 棒の任意断面に作用する力は** [ \text{張力 } F ] で共通だから。 切断面のつり合いを考えれば常に F が出る。

🔍 5. 圧力容器の「軸方向応力」の話とのつながり

あなたの疑問:
「両端にフタがあるなら、軸方向応力は2倍にならない?」 「切断面は両端からの力を受けているのでは?」
に対する答えは、この棒の話と同じ構造です。
  • 棒:内部断面に作用する力は F だけ
  • 圧力容器:内部断面に作用する力は (p\pi r^2) だけ
両端に力があろうが、切断面が受けるのは「片側からの張力(内部力)だけ」。

🔚【最終まとめ】

現象 両端 F 固定+F
内部応力 同じ 同じ
変形量 同じ 同じ
ひずみ 同じ 同じ
力のつり合い(外力の見え方) 2つの外力 F 外力 F と固定端反力 F

⭐内部応力とひずみは完全に同じ

⭐異なるのは「固定端か自由端か」の違いだけ


必要なら、
  • 応力図(SFD・NFD)
  • 仮想仕事の観点
  • 任意断面のつり合い など、さらに深く説明できます!
 

切断する場所を変えると同じ場所でも、左に含まれるか右に含まれるかで支える力の向きは変わるのですか?

結論から言うと——

✅ **はい、切断位置によって “どちら側に属するか” が変われば、

その切断面の力(内部力)の向きは変わります。** しかし

内部応力の大きさはどこで切っても常に同じ(=張力 F)です。

これは材料力学の「内部力は符号が変わるだけで、絶対値は一定」という基本原理です。

🔍 まずイメージをつくる(棒を両端から F で引く)

←– F       棒       F –→
この棒のどこを切っても必ず内部力 F が現れますが、 どちら側に属するかで向きが変わります。

🔍 ① 左側に残った場合の内部力

切断したとき、左側に残った物体のつり合いをとる:
左端 ←– F      |← 切断面
左側物体には「左端の F(右向きの外力)」が作用するため 切断面は 左向きの力 F を発生させてつり合いを取ります。
左端 →→→ F   =   切断面 ←←← F

🔍 ② 右側に残った場合の内部力

同じ位置で切って「右側だけ」を見る:
切断面 →|      F –→ 右端
右側物体には右端の F(左向き外力)が作用します。 よって切断面は 右向きの力 F を発生させてつり合いを取ります。
切断面 →→→ F   =   右端 ←←← F

🔍 ✔ これが重要ポイント

内部力の大きさはいつも F だけど、方向(符号)は “どちら側を取り出すか” で変わる。

これは材料力学の教科書で必ず出てくる:
  • 左側の内部力表示
  • 右側の内部力表示
が符号が違うのと同じです。

🔍 圧力容器の疑問と完全につながる

あなたの疑問は
「切断位置によって、左に含まれるか右に含まれるかで 切断面が支える力の向きが変わるのですか?」
という鋭い本質的な質問ですが、 答えは Yes です。 そしてこれが:
  • 1つの切断面は片側のフタの力 pπr² しか支えない
  • 方向は左右で逆になる
  • しかし大きさは常に pπr²
という事実につながります。

🔚 最終まとめ

どちら側を取り出す? 切断面の内部力の向き 大きさ
左側の物体を取り出す 右からの外力を受け止める → 左向き F
右側の物体を取り出す 左からの外力を受け止める → 右向き F
✔ 方向が変わるのは、 つり合いを取るために内部力の向きを変えているだけ。 ✔ 内部応力の大きさは どこで切っても常に同じ。
必要なら、圧力容器の図に置き換えて 「左・右・中央で切ったときの内部力の向きがどう変わるか」 図で完全に説明できますよ! 参考:技術士第一次試験-令和2年度機械部門Ⅲ-10解答例 | 技術士のたまご 令和3年度技術士第一次試験問題[機械部門] 専門科目Ⅲ-10 球形薄肉容器に作用する応力 | 副業の宮殿【PR】 薄肉円筒圧力容器に生じる円周応力と軸応力(H26) 薄肉円筒の円周応力(フープ応力)と軸応力の導出(H25)