https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0924013605002840

タイトル (Title)

英語: Tool wear and surface finish in diamond cutting of optical glass
日本語: 光学ガラスのダイヤモンド切削における工具摩耗と表面仕上げ
ジャーナル名と出版年 (Journal Name & Publication Year)

Journal of Materials Processing Technology, 174 (2006), pp. 29–33
第一および最終著者 (First and Last Authors)

Ming Zhou, X.J. Wang
第一所属 (First Affiliations)

School of Mechanical and Production Engineering, Nanyang Technological University, Singapore
概要 (Abstract)
本研究では、光学用ガラスの機械加工能力向上を目的とし、ダイヤモンド工具を用いた切削試験を実施。通常旋盤加工および超音波振動切削の条件下での工具摩耗と表面仕上げを調査した。工具摩耗メカニズムは、摩耗部の観察や加工表面のトポグラフィーを基に分析され、工具摩耗は主に剥離および微小破壊によることが判明。超音波振動を工具に適用することで加工性能が向上したと考えられる。

背景 (Background)
ガラスは高硬度と高脆性を特徴とするため、工具摩耗が早く精密加工が困難である。しかし、ガラス製精密部品の需要が増加しており、加工法の改良が求められている。

方法 (Methods)

加工条件: 通常旋盤加工と超音波振動切削
使用機器: 高精度2軸CNCダイヤモンド旋盤
試験材料: 光学用ガラスBK7および溶融シリカ
計測: SEM、AFM、ダイナモメーターで工具摩耗および表面品質を測定
結果 (Results)

通常加工では、工具摩耗は粗く不規則な摩耗痕を示し、剥離と微小破壊が主な摩耗メカニズム。
超音波振動切削では、摩耗ゾーンが滑らかで、工具摩耗が著しく減少。高周波振動により接触時間が短縮され、塑性変形が促進。
議論 (Discussion)
超音波振動を適用することで、工具摩耗率と表面粗さが改善。加工条件を適切に制御することで、脆性材料の延性加工が可能になる。

新規性 (Novelty compared to previous studies)
従来の加工法では困難とされた脆性材料の延性加工を、超音波振動切削を用いることで実現した点に新規性がある。

限界 (Limitations)
加工条件の精密な制御が必要であり、工具寿命と表面仕上げの更なる改善が求められる。

応用可能性 (Potential Applications)
光学レンズや高精度ガラス部品の製造におけるコスト削減と加工精度向上が期待される。