【2005年_Kui Liu, Xiaoping Li】Nanometer-Scale, Ductile-Mode Cutting of Soda-Lime Glass
- 公開日:
 
			
			https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1526612505700864
タイトル (Title)
Nanometer-Scale, Ductile-Mode Cutting of Soda-Lime Glass
ナノメートルスケールにおけるソーダライムガラスの延性モード切削
ジャーナル名および出版年 (Journal Name & Publication Year)
Journal of Manufacturing Processes, 2005年
第一著者と最終著者 (First and Last Authors)
Kui Liu, Xiaoping Li
第一所属 (First Affiliations)
Department of Mechanical Engineering, National University of Singapore, Singapore
概要 (Abstract)
本研究では、ソーダライムガラスの切削性能を評価するため、単結晶ダイヤモンド工具を用いた超精密旋盤での溝加工および切削試験を実施した。表面形状、チップ形成、表面粗さをSEMおよびAFMで評価し、工具摩耗をNomarski顕微鏡で測定した。結果として、切削深さの増加に伴い延性から脆性への転移が観察され、切削条件に応じて延性切削表面および破砕表面が得られた。チップは不規則かつ断続的な形状を呈し、工具摩耗は主にフランク面で進行し、機構は摩擦に起因することが示された。延性切削は未変形チップ厚が臨界値以下である場合に可能である。
背景 (Background)
ガラスは優れた特性を持つが、加工時に破損しやすい。従来の研究では、延性領域研削が中心であり、特に微小切削時の延性から脆性への移行が研究されてきた。
方法 (Methods)
直径75.5 mm、厚さ2 mmのソーダライムガラスを用い、超精密旋盤で10 nmの位置決め分解能の条件下で実験を行った。加工には単結晶ダイヤモンド工具を使用し、SEMとAFMで表面形状を評価した。
結果 (Results)
延性から脆性への切削モードの転移が深さ560 nm付近で観察された。
延性モードでは滑らかな表面が得られたが、脆性モードでは表面が粗くなった。
工具摩耗は主にフランク面で発生し、摩擦が主因とされた。
議論 (Discussion)
延性切削は未変形チップ厚が臨界値を下回る場合に可能であることが示された。切削深さが表面粗さに大きな影響を与えない一方、切削モードが粗さに大きく関与する。
新規性 (Novelty compared to previous studies)
ソーダライムガラスの延性切削に焦点を当て、これまでの延性領域研削研究を補完する形で実験を実施した点が新規である。
限界 (Limitations)
実験は乾式切削条件下で行われており、湿式切削や他の材料条件への適用は未検討。
潜在的応用 (Potential Applications)
この技術は光学部品や半導体基板など、ガラスを用いた高精度製品の加工に応用できる可能性がある。
 
	    




