### 条件整理

1. 各棒の変形量:
– 棒1の変形量(応力による変形):\(\frac{\sigma_1}{E_1} \cdot l\)
– 棒2の変形量(応力による変形):\(\frac{\sigma_2}{E_2} \cdot l\)

2. 熱膨張による伸び:
– 棒1の膨張量:\(\alpha_1 \Delta T \cdot l\)
– 棒2の膨張量:\(\alpha_2 \Delta T \cdot l\)

3. 拘束条件(全体の変形量の総和がゼロ):
– 剛体壁で固定されているため、2つの棒の変形量と熱膨張量を合わせた全体の変形量がゼロになる:
\[
\frac{\sigma_1l}{E_1} + \frac{\sigma_2l}{E_2} + (\alpha_1 + \alpha_2) \Delta T l= 0
\]
\[
\frac{\sigma_1}{E_1} + \frac{\sigma_2}{E_2} + (\alpha_1 + \alpha_2) \Delta T = 0
\]

4. 力の釣り合い条件:
\[
\sigma_1 A_1 = \sigma_2 A_2
\]
より:
\[
\sigma_2 = \frac{\sigma_1 A_1}{A_2}
\]

### 計算手順

1. **力の釣り合いを代入**
拘束条件に、\(\sigma_2 = \frac{\sigma_1 A_1}{A_2}\) を代入します:
\[
\frac{\sigma_1}{E_1} + \frac{\frac{\sigma_1 A_1}{A_2}}{E_2} + (\alpha_1 + \alpha_2) \Delta T = 0
\]

2. **分母の整理**
\[
\frac{\sigma_1}{E_1} + \frac{\sigma_1 A_1}{A_2 E_2} = – (\alpha_1 + \alpha_2) \Delta T
\]

3. **共通項でまとめる**
\[
\sigma_1 \left(\frac{1}{E_1} + \frac{A_1}{A_2 E_2}\right) = – (\alpha_1 + \alpha_2) \Delta T
\]

4. **\(\sigma_1\) を解く**
\[
\sigma_1 = \frac{-(\alpha_1 + \alpha_2) \Delta T}{\frac{1}{E_1} + \frac{A_1}{A_2 E_2}}
\]

5. **分母を通分**
\[
\sigma_1 = \frac{-(\alpha_1 + \alpha_2) \Delta T \cdot E_1 E_2 A_2}{E_2 A_2 + E_1 A_1}
\]

### 最終結果

棒1に発生する応力 \(\sigma_1\) は次のようになります:
\[
\sigma_1 = \frac{-A_2 E_1 E_2 (\alpha_1 + \alpha_2) \Delta T}{A_1 E_1 + A_2 E_2}
\]

 

[解答] ③

参考

剛体壁に固定された異材棒における温度上昇時の熱応力解析

平成27年度技術士第一次試験問題[機械部門] 専門科目Ⅲ-4 温度上昇と熱応力

平成25年度技術士第一次試験問題[機械部門] 専門科目Ⅲ-2 材料力学 固定された丸棒に生じる熱応力

 

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