答え:② 硬さ

解説(対応関係)

  • ① 縦弾性係数 → 引張試験(応力–ひずみ線図の初期勾配)
  • ③ 延性–脆性遷移温度 → シャルピー衝撃試験(吸収エネルギーの温度依存から求める)
  • ④ 降伏点 → 引張試験(降伏の発生点)
  • ⑤ S–N線図 → 疲労試験(繰返し応力と寿命の関係)
一方、硬さはブリネル・ビッカース・ロックウェルなどの硬さ試験で評価するのが通常で、B群の選択肢(引張、疲労、クリープ、シャルピー、破壊靭性)には該当試験がありません。 したがって、B群に適切な試験がない A群の項目は②硬さです。 平成26年度技術士第一次試験問題[機械部門] 専門科目Ⅲ-1 引張試験 ビッカース試験 破壊靭性試験 平成27年度技術士第一次試験問題[機械部門] 専門科目Ⅲ-1 用語問題「応力集中係数、降伏応力、縦弾性係数」 令和3年度技術士第一次試験問題[機械部門] 専門科目Ⅲ-1 ミーゼスの条件 断面係数  

B群の試験についてそれぞれ教えてください

B群に出てきた試験 (引張試験,疲労試験,クリープ試験,シャルピー衝撃試験,破壊靱性試験) について、それぞれわかりやすく説明します。

1. 引張試験(Tensile Test)

📌 目的

材料を引っ張って、**強さや伸びやすさ(延性)**を調べる。

📊 得られる主な性質

  • ヤング率(縦弾性係数)
  • 降伏点
  • 引張強さ(最大応力)
  • 伸び、絞り(延性の指標)

✨ ポイント

材料の基本的機械特性を知る最重要試験。

2. 疲労試験(Fatigue Test)

📌 目的

材料を繰返し荷重で破壊させ、疲労強度を調べる。

📊 得られるもの

  • S–N線図(応力–繰返し回数曲線)
  • 疲労限度(鉄鋼材などに存在)

✨ ポイント

強い材料でも、繰り返し低い応力で破壊することがある(疲労破壊)。 例:航空機部品,鉄道車輪,エンジン部品

3. クリープ試験(Creep Test)

📌 目的

高温で一定荷重を長時間かけたときの変形を調べる。

📊 得られるもの

  • クリープ曲線(変形量 vs 時間)
  • クリープ破断特性

✨ ポイント

高温環境で重要(火力発電ボイラ、ガスタービン、原子炉)。 材料は高温でじわーっと伸びる → これがクリープ。

4. シャルピー衝撃試験(Charpy Impact Test)

(前回答にも説明しましたが簡潔に)

📌 目的

衝撃で割れるときの吸収エネルギーを測る → 材料の**靱性(粘り強さ)**評価

✨ 重要点

  • ノッチ付き試験片をハンマーで打ち折る
  • 延性–脆性遷移温度がわかる
例:橋梁,船,配管,低温タンク

5. 破壊靱性試験(Fracture Toughness Test)

📌 観点

ひびが入った状態で、どれだけ破壊に抵抗できるか

📊 得られる量

  • 応力拡大係数 (K) 特に (K_{IC})(平面ひずみ破壊靱性)は重要

✨ ポイント

材料に最初から人工亀裂を入れて試験 → 「欠陥があってもどれだけ安全か」を評価 例:航空機機体,原子力容器,自動車,鉄道

📦 まとめ表

試験 主に調べる性質 具体的評価
引張試験 強さ・延性 降伏点・引張強さ・ヤング率
疲労試験 繰返し荷重下の強さ S–N線図・疲労限度
クリープ試験 高温長時間変形 クリープ破断時間
シャルピー衝撃試験 衝撃靱性 吸収エネルギー・遷移温度
破壊靱性試験 欠陥材の破壊抵抗 (K_{IC})

🎓 試験の覚え方(語呂)

  • 引張 → 普通に引っ張る
  • 疲労 → 何度も力をかける(繰り返し)
  • クリープ → 高温でゆっくり伸びる(ジワジワ)
  • シャルピー → 衝撃!(パーン!)
  • 破壊靱性 → ひび入り前提でどれだけ粘るか

必要なら、図解付きのスライド形式実験装置の写真つき説明も作りますね。