この問題は、**棒の全体の伸び**を求めるものです。以下の手順で解説しながら解答します。
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### 問題設定
– 棒の全体の長さは a+ba+b。
– 棒は断面積 AA、縦弾性係数 EE を持つ一様な断面を有する。
– 点 CC には軸力 PP、点 DD には軸力 QQ が作用している。
棒の伸びは、各区間ごとに軸方向の荷重を受けたときの**変形量**の合計を考えます。
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### 基本式
軸方向の変形量は次の式で表されます:
ΔL=P⋅LA⋅EΔL=P⋅LA⋅E
ここで:
– PP:軸方向の荷重
– LL:棒の長さ
– AA:断面積
– EE:縦弾性係数
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### 各区間の伸び
棒は2つの区間に分けて考えられます。
1. **区間 BCBC(長さ aa)**
– 軸方向の荷重は P+QP+Q。
– 変形量は次のようになります:
ΔLBC=(P+Q)⋅aA⋅EΔLBC=(P+Q)⋅aA⋅E
2. **区間 CDCD(長さ bb)**
– 軸方向の荷重は QQ。
– 変形量は次のようになります:
ΔLCD=Q⋅bA⋅EΔLCD=Q⋅bA⋅E
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### 棒全体の伸び
全体の伸びは、区間ごとの伸びの合計として求まります:
ΔL全体=ΔLBC+ΔLCDΔL全体=ΔLBC+ΔLCD
これを具体的に書き出すと:
ΔL全体=(P+Q)⋅aA⋅E+Q⋅bA⋅EΔL全体=(P+Q)⋅aA⋅E+Q⋅bA⋅E
分母を共通にすると:
ΔL全体=P⋅a+Q⋅(a+b)A⋅EΔL全体=P⋅a+Q⋅(a+b)A⋅E
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### 答え
この式に対応する選択肢は **⑤** です。
[解答]⑤
参考
軸力と外力について教えてください
軸力(軸方向の力)とは
軸力とは、構造物や部材の軸方向に作用する力のことを指します。この力は部材の内部で生じる力であり、外部から加わる力に応じて生じます。軸方向の力には、次の2つの種類があります:
引張力(引張軸力)
部材を引き伸ばそうとする力です。例えば、ロープを両側から引っ張るとロープ内部に引張軸力が発生します。
圧縮力(圧縮軸力)
部材を押し縮めようとする力です。柱のように上から荷重がかかる場合、柱内部に圧縮軸力が発生します。
外力(外部からの力)とは
外力とは、構造物や部材に外部から直接作用する力のことを指します。この力は、重力、風圧、地震力、荷重など、外部の環境や条件によって生じます。外力には、以下の種類があります:
集中荷重
一点に集中して作用する力。例えば、梁の一部分に重りを置いた場合に発生する力です。
分布荷重
面や線にわたって広く分布して作用する力。例えば、屋根全体に積もる雪の重さは分布荷重に該当します。
動的荷重
時間とともに変化する力。地震や風の影響で構造物に加わる力がこれに当たります。
静的荷重
時間的に変化しない力。建物の自重や家具の重さなどがこれに該当します。
軸力と外力の関係
軸力は、外力が部材に作用した結果として部材内部に発生する力です。部材が外力を受けたとき、その外力を支えるために内部で反力や応力が生じます。このうち、軸方向に生じる力が軸力です。
例えば、柱が上から荷重(外力)を受ける場合、柱内部には荷重に応じた圧縮軸力が発生します。
また、ロープを両側から引っ張る(外力を加える)と、その内部に引張軸力が発生します。
軸力の計算例
棒に外力
P が作用する場合、その内部に発生する軸力も
P に等しくなります。外力と軸力は釣り合いの法則に従って等しくなり、以下のように計算できます。
引張の場合:軸力 = 外力
圧縮の場合:軸力 = 外力
ただし、構造物が複雑な場合には、荷重条件や境界条件を考慮した詳細な力学計算が必要です。
まとめ
軸力は構造部材の内部に発生する力であり、引張力や圧縮力として現れます。
外力は部材に外部から直接作用する力であり、軸力の原因となります。
外力を理解し、それに応じて軸力を計算することは、構造物の安全性を評価する上で非常に重要です。
もし具体的な例や追加説明が必要であれば教えてください!
先ほどの問題のように拘束がない問題は軸力は0ですか?
拘束がない場合でも、軸力が0とは限りません。以下にその理由を解説します。
拘束と軸力の関係
拘束とは、部材や構造物の自由な動きを防ぐ外部条件のことを指します(例:固定端、ピン支点など)。
軸力は、外力が部材に作用した結果として、部材の内部で発生する力です。
拘束がない場合、部材が自由に動けるかどうかによって軸力が発生するかどうかが決まります。
拘束がない場合でも軸力が発生するケース
外力が加わる場合
拘束がなくても、外力が直接作用すると部材に軸力が発生します。
例えば、両端が拘束されていない水平の棒の中央に荷重を加えると、棒全体が移動するか変形する場合でも、内部に軸方向の応力や軸力が発生することがあります。
温度変化による軸力
外力がなくても、部材が温度変化を受けると軸方向に膨張や収縮が発生します。この場合、拘束がなくても内部応力や軸力が発生することがあります。
質量を持つ部材の重力
垂直に配置された部材では、拘束がなくても部材自体の重力により軸力が生じることがあります。
拘束がない場合に軸力が0となるケース
外力が全くない場合
外力が加わらず、温度変化や重力の影響もない場合は、部材内部に軸力は発生しません。
完全に自由な状態で外力が作用する場合
拘束がなく、部材が外力によって抵抗せずに完全に自由に移動できる場合、軸力は発生しないことがあります。例えば、棒全体が外力によって移動するだけの場合です。
まとめ
拘束がない場合でも、外力や温度変化などの条件次第で軸力は発生する可能性があります。
逆に、外力が作用していても、部材が完全に自由に移動できる場合は軸力が発生しないことがあります。
具体的な条件によって軸力が0になるかどうかを判断する必要があります。
どのような軸力がかかりますか
この問題では、**軸力は確実にかかります**。以下にその理由を解説します。
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### 問題の設定
– 図のように、左端 BB は剛体壁に固定されています。これは**完全拘束**を示します。
– 棒の長さは a+ba+b、断面積 AA、縦弾性係数 EE を持つ一様断面です。
– 点 CC に外力 PP が、点 DD に外力 QQ が作用しています。
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### 軸力が発生する理由
この問題では、以下の条件から軸力が発生します。
1. **剛体壁による拘束が存在する**
– 左端 BB が完全に固定されているため、棒全体が自由に動くことはできません。
– 外力 PP および QQ が棒に作用すると、棒はその力に応じて変形します。このとき、棒内部に軸方向の力(軸力)が発生します。
2. **外力 PP と QQ の存在**
– 点 CC に PP、点 DD に QQ が作用しているため、棒の異なる部分に異なる荷重がかかります。この荷重を支えるために、棒の内部に応力が発生し、結果として軸力が生じます。
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### 軸力の具体例
– **区間 BCBC**
この区間は点 CC にかかる力 PP と点 DD にかかる力 QQ の両方の影響を受けます。そのため、この区間の軸力は P+QP+Q となります。
– **区間 CDCD**
この区間は点 DD にかかる力 QQ のみの影響を受けます。そのため、この区間の軸力は QQ となります。
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### 結論
この問題では、外力 P と Q が存在し、左端が完全に拘束されているため、棒内部に確実に軸力が発生します。具体的な軸力は棒の区間ごとに異なり、それが棒全体の伸びに影響します。
もし詳細な軸力の計算や関連する質問があれば教えてください!
材料力学 自重による段付き棒の伸び(H25)