https://chatgpt.com/share/681f6709-72ac-800d-860e-aa97a66e44c8
ねじの基準寸法とは何ですか?
「ねじの基準寸法」とは、**ねじ部品(ボルトやナットなど)の設計・製造・検査における基準となる寸法**のことを指します。これはJIS(日本産業規格)やISO(国際標準化機構)などの規格に基づいて定められており、主に次のような項目を含みます:
—
### 🔧 ねじの基準寸法の主な内容
1. **外径(おもに雄ねじ)**
* ねじ山の**最も外側**の直径。たとえばM10なら、外径は約10mm。
2. **内径(おもに雌ねじ)**
* ねじ山の**谷部**の直径。タップ穴の基準になる。
3. **有効径(中径)**
* 雄ねじと雌ねじが**かみ合う部分の平均径**。接触面積が最も大きくなるため、強度設計で重要。
4. **ピッチ(山と山の間の距離)**
* ねじ1回転で進む距離でもあり、細目ねじ(ピッチが小さい)と並目ねじ(標準ピッチ)がある。
5. **ねじ山角度**
* 一般的なメートルねじ(Mねじ)では60度が基本。
6. **長さや首下長など**
* 特にボルトでは全長やねじ部長さ、頭部寸法なども基準に含まれる。
—
### 💡 なぜ「基準寸法」が重要か?
* 加工や測定で**公差の基準**になる(例:有効径±〇μm)。
* **互換性**を確保するため、規格に基づいた設計が求められる。
* 強度・トルク計算や耐久性にも直結する。
—
必要であれば、メートルねじ(Mねじ)の基準寸法表(M6、M8、M10など)を添付で出すこともできます。
必要ですか?
有効径はどのように決まるのですか?
有効径(中径、英語では *Pitch Diameter*)は、**ねじのかみ合いに最も関係する重要寸法**です。これは、ねじ山の斜面同士が**最も接触する理論的な円の直径**で、**ねじの強度やはめあいの性質**を左右します。
—
### 🔧 有効径の定義
> **有効径とは、ねじ山の斜面の中間(高さの半分)を通る仮想的な円の直径**です。
—
### 📐 有効径の決定方法(メートル並目ねじの場合)
有効径 $d_2$ は、次のように外径(基本径)とピッチから**理論的に計算**されます。
#### 雄ねじの基準有効径の公式:
$$
d_2 = d – 0.6495 \times P
$$
* $d$:外径(例:M10 なら d = 10mm)
* $P$:ピッチ(例:M10 並目なら P = 1.5mm)
#### 雌ねじの基準有効径も同様ですが、許容差の範囲が異なります。
—
### 📏 測定方法(実用面)
実際には、有効径は**ピッチ円周上での接触状態**を見るため、以下のような方法で測定されます:
* **三線法(三針法)**
ねじの谷間に3本のワイヤを当てて測定(高精度)
* **ねじマイクロメーター**
専用のアタッチメント付きマイクロメーターで測定
—
### 🏗 公差との関係
JISやISOでは、有効径には「**許容差(公差帯)**」が設定されています(例:6g, 6Hなど)。これは「きつさ」や「ゆるさ」に影響し、**組み合わせる相手側(ナットや雌ねじ)とのはめあい**がこれで決まります。
—
必要なら、具体的なねじサイズ(例:M8)の有効径の理論値や公差帯を含めて表で示すことも可能です。
希望されますか?
ねじの図を見ると60°部分はとがってなくて平にされていますが、なぜですか?
非常に良い質問です。
ねじ山の理論形状では「60°の鋭角な山と谷」が描かれていますが、**実際のねじ製品では、その先端(山と谷)が少し平らに加工されています**。これにはいくつかの重要な理由があります。
—
### 🔧 なぜねじ山の先端が平らなのか?(尖っていない理由)
#### 1. **加工性の向上**
* 工具(ダイス、タップ、旋盤バイトなど)で完全な鋭角を削るのは困難で、**刃先が欠けたり折れたりする原因**になります。
* 平らにすることで**工具寿命を延ばし、加工が安定**します。
#### 2. **強度・耐久性の確保**
* 鋭角な山や谷は**応力集中**が起きやすく、そこから**クラックや破断**が起こるリスクがあります。
* 先端をわずかに平らにすることで**応力を分散**し、破損しにくくなります。
#### 3. **かみ合わせの安定性**
* 雌ねじとのかみ合い時、山と谷がピッタリ接触すると、**干渉や焼き付きの原因**になります。
* あえてわずかな隙間(クリアランス)を設けることで、**スムーズな回転・締結が可能**になります。
—
### 📐 この平らな部分の名称
* **山ずれ(Flat crest)**:ねじ山の頂部の平らな部分
* **谷ずれ(Flat root)**:谷部の底の平らな部分
これらはJISやISOで標準的に寸法(高さの10%~15%程度など)が定められており、**ねじの種類ごとに規定値が異なります**。
—
### 📊 まとめ
| 理由 | 内容 |
| ———– | ———— |
| 加工性向上 | 工具摩耗・破損を防ぐため |
| 強度・疲労耐性の向上 | 応力集中を避けるため |
| スムーズなはめあい確保 | 干渉や焼き付きを防ぐため |
—
必要であれば、理想形と実際形状を比較したねじ断面の図もご用意できます。
図をご希望ですか?
ねじの内径基準寸法と外形基準寸法の関係を教えてください
ねじの**内径基準寸法(雌ねじの谷径)**と**外径基準寸法(雄ねじの山径)**は、互いに**かみ合ってスムーズに締結できるよう設計された、規格に基づく寸法関係**にあります。以下で、その関係を詳しく解説します。
—
## 🔩 ねじの基準寸法の三要素
メートル並目ねじ(Mねじ)を例にとると、次の3つの寸法が基本です:
| 項目 | 雄ねじ(外ねじ) | 雌ねじ(内ねじ) | 備考 |
| —— | ——– | ——– | —————– |
| 外径 | $d$ | – | 雄ねじの山の外径 |
| 有効径 | $d_2$ | $D_2$ | 接触面中心の直径 |
| 谷径(内径) | $d_1$ | $D_1$ | 谷部の径、雌ねじでは最も大きい直径 |
—
## 🔄 寸法の関係(理論値)
たとえば、ある**ピッチ P** のねじにおいて、雌ねじと雄ねじの**谷径と外径**は以下のように設計されています:
### 🔧 雄ねじ(外径 $d$、谷径 $d_1$)の関係:
$$
d_1 = d – 1.2269 \times P
$$
### 🔧 雌ねじ(内径 $D_1$、外径 $D$)の関係:
$$
D_1 = D – 1.0825 \times P
$$
※ 上記は理論的な基準寸法(公差なし)であり、JIS B 0205 に基づくメートル並目ねじの計算式です。
—
## 🧩 寸法の設計意図
* **雄ねじの谷径 $d_1$** と **雌ねじの外径 $D$** は、**実際には接触しません**(若干の隙間がある)
* **接触して力を伝えるのは「有効径」部分のねじ山斜面**
* 締結時に干渉やガタがないよう、**それぞれの公差帯(例:6g, 6H)を考慮**して互換性が保証される
—
## 🧮 具体例:M10(並目ピッチ1.5mm)の場合
| 項目 | 雄ねじ寸法(基準) | 雌ねじ寸法(基準) |
| —— | ———- | ———- |
| 外径 | 10.000 mm | 10.000 mm |
| 有効径 | 約 8.954 mm | 約 8.954 mm |
| 谷径(内径) | 約 8.170 mm | 約 8.377 mm |
※ 雌ねじの内径は、雄ねじの谷径より少し大きくなっていて、かみ合っても干渉しません。
—
### ✅ 結論
* **雄ねじの外径 ≒ 雌ねじの外径(同じ値)**
* **雄ねじの谷径 < 雌ねじの内径(わずかな余裕)**
* **有効径は雄雌で等しい(接触部の基準)**
* 規格により**干渉せず確実に締まるように設計されている**
—
もし図や寸法表(JIS B 0205やISO 965-1)を参考にしたい場合は、お伝えください。サイズ別の一覧も可能です。
どのサイズの具体例を見てみたいですか?
おねじの谷径とめねじの内径が数値でことなるのは、H/4やH/8が関係していますか?
ねじ山の“切り落とし”は、基本形状(基準山形)において次のように定められています。
* 理論上の山高 $H$ は
$$
H = \frac{\sqrt3}{2}\,P \approx 0.8660\,P
$$
(ここで $P$ はピッチ)
* このうち**外側**(山の先端側)1/8 $H$ と、**内側**(谷の底側)1/4 $H$ が切り落とされ、
* 残りの 5/8 $H$ がねじ山の深さになります ([Wikipedia][1], [Wikipedia][2]).
—
### 基準寸法(理論値)の関係
山形を切り落とした結果、**基準山形**では下面径(谷径・内径)と有効径が次の式で求まります:
* **谷径(Minor diameter)**
$$
D_{\min} = D_{\rm maj} – 2\times\frac{5}{8}H
= D_{\rm maj} – 1.0825\,P
$$
* **有効径(Pitch diameter)**
$$
D_{p} = D_{\rm maj} – 2\times\frac{3}{8}H
= D_{\rm maj} – 0.6495\,P
$$
(おねじの場合は $d$ を、めねじの場合は $D$ を基準外径として同様) ([Wikipedia][2]).
この計算式から見ると、呼び径( $d$ or $D$ )が同じなら、基準谷径(おねじの $d_1$)と基準内径(めねじの $D_1$)は**理論的には同一**になります ([Wikipedia][2]).
—
### なぜ実際の表では値が異なるのか
ところが JIS B 0205(ISO 724)掲載の基準寸法表を見ると、
* **第1選択**~**第3選択**という3つの列に、
* めねじ内径 $D_1$ と おねじ谷径 $d_1$ が**別々に丸められた値**として載っており、
* めねじ側は許容差記号「H」、おねじ側は「h」などの**公差位置**も異なります ([ハイカン部品][3]).
このため、**同じ呼び径・ピッチ**であっても、
1. 「表中でまず優先的に選ぶ値」が違う
2. 四捨五入や切り捨てのタイミングが微妙に異なる
3. 公差位置の“ずれ”で最終的な寸法域が変わる
という理由で、実際の**基準寸法表上**では $d_1$ と $D_1$ の数値がわずかに食い違うように見える、というわけです。
—
**まとめると**
* H/8 や H/4 は「ねじ山を切る割合」を決める基本形状のパラメータで、
* 基準谷径・基準内径の**理論式**には同じ「5/8 H」が使われるため、本来は一致しますが、
* JIS/ISO の**表組み上の丸め・選択ルール**と**公差位置の違い**によって、表上では異なる数値になります。
このあたりが「H/4 や H/8 が関係しているか?」というご質問への答えとなります。
[1]: https://en.wikipedia.org/wiki/ISO_metric_screw_thread “ISO metric screw thread – Wikipedia”
[2]: https://en.wikipedia.org/wiki/ISO_metric_screw_thread?utm_source=chatgpt.com “ISO metric screw thread”
[3]: https://www.haikanbuhin.com/images/cms/pdf/ippnme-tolnezi.pdf?srsltid=AfmBOooCqLWUtpMRc8Lu6bqfHjERr75HsdjG2riEwC1i8EbdNarPOxjq&utm_source=chatgpt.com “[PDF] 一般用メートルねじ(M)に対する基準山形 基準寸法”
ねじを立てるときのドリルで開ける下穴は外形ーピッチの値にした場合、下穴系はめねじの内径基準寸法より0.08253×ピッチだけ大きくなります。このときのひっかかり率はどのようになりますか?
お使いの下穴径が
$$
D_k = d – P
$$
(ここで $d$ はおねじの公称外径、$P$ はピッチ)とすると、実際のかみ合い高さ(おねじ外径とめねじ内径との差の半分)は
$$
\frac{d – D_k}{2} = \frac{d – (d – P)}{2} = \frac{P}{2}
$$
となります。
一方、ねじの理論的な山高さ(おねじとめねじがかみ合う最大高さ)$H_1$は
$$
H_1 = \frac{5}{8}H = \frac{5}{8}\bigl(\frac{\sqrt3}{2}P\bigr)\approx0.54125\,P
$$
で与えられるため、ひっかかり率(かみ合い率)は次のように求まります:
$$
\text{ひっかかり率}
=\frac{\displaystyle\frac{P}{2}}{0.54125\,P}
\approx0.92386\;\bigl(=92.386\%\bigr)
$$
つまり、約\*\*92.4%\*\*のひっかかり率になります ([neji-trivia.jp][1])。
[1]: https://neji-trivia.jp/2022/10/01/trivia160/ “タップのねじ下穴についての考察(160号) | ねじの情報サイト”
ねじの等級について教えてください
ねじには大きく分けて次の2つの「等級(級)」があります。用途に合わせて、どちらの等級を指しているかを押さえておくことが重要です。
—
## 1. 強度等級(機械的性質等級)
ボルト・皿ねじなど鋼製ねじの**機械的強度**を表す等級で,JIS B 1051(ISO 898-1)で規定されています。
| 表記 | 引張強さ(最低保証値) | 耐力(耐力=引張強さ×第2数値) | 用途の目安 |
| —- | ———– | ———————– | ————– |
| 4.8 | 400 MPa | 0.8 × 400 = 320 MPa | 軽荷重用 |
| 8.8 | 800 MPa | 0.8 × 800 = 640 MPa | 一般構造用(最もポピュラー) |
| 10.9 | 1 000 MPa | 0.9 × 1 000 = 900 MPa | 高強度構造用 |
| 12.9 | 1 200 MPa | 0.9 × 1 200 = 1 080 MPa | 超高強度用 |
* **表記例「8.8」**
1つめの数字が引張強さを100 MPa単位で表し(8 ≒ 800 MPa)、
2つめの数字が耐力=引張強さ×(第2数値÷10)を示します(0.8≒ 8/10)。
* 用途に応じて、**必要な強度**を満たす等級を選びます。
—
## 2. 公差等級(精度等級/寸法等級)
メートルねじ(Mねじ)の**幾何学的寸法精度**を表す等級で,JIS B 0205(ISO 965-1)に規定されています。
「等級」の内訳は
1. **許容差等級(Tolerance Grade)**:数値(4, 5, 6, 8, …)
* 小さいほど許容差が小さく、高精度
2. **公差位置(Fundamental Deviation)**:英文字(外ねじは小文字 a, b, c, e, g, h…/内ねじは大文字 A, B, C, D, E, H…)
* “H/h” は基準外径からのずれがゼロ、一般的なはめあい
を組み合わせて表記します。例えば
| はめあい | 外ねじ | 内ねじ | 備考 |
| —— | —- | — | —————- |
| 標準(普通) | 6g | 6H | 最も一般的な組み合わせ |
| ゆるめ | 6e | 6H | ゆるいはめあい(組み付けやすい) |
| きつめ | 6g | 5H | きついはめあい(ガタ少なく固定) |
| 高精度 | 4g6g | 6H | 細目ねじや微小ねじで使用 |
* **数字(Grade)**:許容差帯の幅を決定。たとえば「6」は許容差が標準、「4」はより狭い。
* **文字(Position)**:「h/H」は“基準外径と一致”(外ねじはh、内ねじはH)で、最も干渉・クリアランスがバランスした標準設定。
* 公称呼び径とピッチが同じねじ同士であれば、この組み合わせに従って必ずかみ合うよう設計されています。
—
### まとめ
* **強度等級(4.8, 8.8, 10.9…)**→ どれだけの**力**に耐えられるか
* **公差等級(6g/6H, 6e/6H, 6g/5H…)**→ どれだけ**正確に・かっちり**組み合うか
用途に応じて、必要な「強度」と「はめあい精度」の両面から適切な等級を選定してください。
ねじ下穴径一覧
https://www.osg.co.jp/media_dl/technical/file/p_8.pdf