https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe1986/61/3/61_3_368/_pdf/-char/ja
Title (English & Japanese):
Automated Measurement of Tool Wear using an Image Processing System
画像処理による工具摩耗の自動測定
Journal Name & Publication Year:
精密工学会誌, 1995年
First and Last Authors:
Nobushige Sawai, Hwayoung Park
First Affiliations:
機械技術研究所 (つくば市並木1-2)
Abstract:
この論文では、工具摩耗の自動測定を実現するために、画像処理技術を用いた新しい測定システムを紹介しています。工具摩耗の画像はITVカメラで取得され、しきい値処理、ノイズ除去、境界追跡などの画像処理技術を適用して分析されています。測定精度および処理速度の試験により、このシステムが断続的な工具摩耗の監視において非常に有効であることが確認されました。
Background:
自動加工システムの信頼性が向上する中で、工具摩耗の正確な測定が求められています。従来の方法では摩耗を間接的に予測していましたが、ノイズや誤差が生じやすいため、直接的に摩耗を測定する方法が望まれていました。
Methods:
本研究では、ITVカメラを使用して工具摩耗の画像を取得し、その画像をしきい値処理、ノイズ除去、境界追跡によって分析するシステムを開発しました。二値化やノイズ除去のための新しいアルゴリズムを導入し、摩耗境界の正確な抽出を目指しました。
Results:
開発されたシステムにより、照明の変動に影響されずに工具摩耗の測定が可能であることが確認されました。また、従来の顕微鏡による測定と比較しても、測定誤差が非常に小さいことがわかりました。
Discussion:
このシステムは、従来の方法では困難だったノイズの多い環境下でも、工具摩耗を正確に測定できるようにするものです。特に、しきい値の自動決定アルゴリズムが照度の変化に強く、実用的な工具監視システムとして有用です。
Novelty compared to previous studies:
本研究の特徴は、摩耗画像の二値化のためのしきい値自動決定や、ノイズ除去、境界追跡といった新しい画像処理技術を導入し、精度の高い測定を実現した点です。
Limitations:
現段階では、処理時間が約5秒であり、高速化が求められる場面では改良が必要です。また、異なる材質の工具に対しても適用可能ですが、さらに多様な条件下での検証が必要です。
Potential Applications:
このシステムは、工具の状態監視や生産加工分野において、工具摩耗の自動測定を通じて生産性の向上に寄与する可能性があります。
ITVカメラについて教えてください
この論文におけるITVカメラは、工具摩耗を測定するための画像を取得する装置として使用されています。具体的には、以下の特徴を持っています。
カメラの仕様: 水平周波数16.5kHz、650本の有効走査線を持つ2/3インチのビジコン管を使用したカメラです。
機能: 工具顕微鏡に装着され、工具の摩耗部の画像を捉え、その画像をモニター上で10倍の倍率で表示できるように設定されています。
処理: ITVカメラで取得された画像は、AD変換器を通じてイメージバッファに取り込まれ、その後、画像処理を行うためにパーソナルコンピュータで解析されます。
このシステムにより、工具が加工物から離れている非切削加工時間中に、摩耗の状態を正確に捉え、測定することが可能となります。
対象とした工具はなんですか
この論文で対象とした工具は、以下の3種類です。
超硬合金工具
黒セラミックス工具
白セラミックス工具
これらの工具を使用して、切削時間の経過に伴う逃げ面摩耗の増加を測定し、各工具に対する摩耗測定システムの適用性を確認しています。
工具摩耗を測定するための画像を取得するために必要となる機材をリストアップして、値段と商品リンクを教えてください
工具摩耗を測定するために必要な機材のリストは以下の通りです。ただし、具体的な価格や商品リンクについては提供できませんでした。以下の機材が一般的に必要です。
必要な機材リスト:
ITVカメラ
仕様: 水平周波数16.5kHz、650本の有効走査線、2/3インチビジコン管
工具顕微鏡
目的: 工具の摩耗部を10倍に拡大して観察
AD変換器
目的: ITVカメラからの画像データをデジタル化
イメージバッファ
目的: 画像データの一時保存
パーソナルコンピュータ
目的: 画像解析とデータ処理
照明装置
目的: 工具摩耗部への適切な照明
画像処理ソフトウェア
例: Image Proなど