https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmecs/2011.49/0/2011.49_247/_pdf

Title (English and Japanese):
High-speed Observation of Wire Movement in Fine Wire EDM
微細ワイヤ放電加工におけるワイヤ挙動の高速観察

Journal Name & Publication Year:
日本機械学会講演論文集 No. 115-1 Cll-3, 中国四国支部 第49期総会・講演会, 2011

First and Last Authors:
Takuya Okada, Yoshiyuki Uno

First Affiliations:
Okayama University, 3-1-1, Tsushimanaka, Kitaku, Okayama 700-8530

Abstract:
微細ワイヤ放電加工では、加工中のワイヤ挙動が不安定であるとワイヤが断線し、加工溝の形状精度や表面粗さを悪化させる。本研究では、高速度ビデオカメラを用いて微細ワイヤ放電加工中のワイヤ挙動を観察し、ワイヤのテンションや噴流流量の変化がワイヤ挙動に与える影響を検討した。

Background:
ワイヤ放電加工では、ワイヤの振動が加工の安定性に影響を与える。特に微細ワイヤ放電加工では、ワイヤの振動を抑制することが重要であるが、その挙動は十分に解明されていない。

Methods:
高速度ビデオカメラを用いて微細ワイヤ放電加工中のワイヤ挙動を観察した。ワイヤは直径50μmのタングステンワイヤを使用し、工作物は厚さ1mmのSKD11を使用した。撮影速度は8000fps、露光時間は1/40000秒である。得られた動画を運動解析ソフトウェアで解析し、ワイヤの振動を評価した。

Results:
ワイヤテンションを増加させると、ワイヤの振幅が減少し、振動周波数が増加することが確認された。また、噴流流量が適度である場合、ワイヤ挙動が安定するが、流量が大きすぎると逆に振幅が大きくなることが分かった。

Discussion:
微細ワイヤ放電加工におけるワイヤ振動は、テンションや噴流流量によって制御できることが示された。理論振動数に近い周波数でワイヤが振動し、放電回数によっても変化することが確認された。

Novelty compared to previous studies:
高速度ビデオカメラを用いた微細ワイヤ放電加工中のワイヤ挙動の詳細な観察と、テンションおよび噴流流量がワイヤ振動に与える影響を定量的に評価した点が新規性として挙げられる。

Limitations:
観察と解析は特定の条件下で行われたため、異なる条件下での挙動については今後の研究が必要である。

Potential Applications:
本研究の成果は、微細ワイヤ放電加工の高精度化および安定化に貢献し、精密加工分野における応用が期待される。

高速度カメラの型式を教えてください

高速度カメラの型式は、フォトロン社製の「FASTCAM Super-10K」です​​。

カメラの設定条件では、どのくらいのサイズのものが、どのくらいの時間間隔で観察できますか

カメラの設定条件では、次のような観察が可能です:

視野サイズ: 0.4mm × 0.2mm
撮影速度: 8000フレーム/秒 (fps)
露光時間: 1/40000秒
撮影時間: 1秒間
これにより、0.4mm × 0.2mmのサイズのものを、8000フレーム/秒の時間間隔で観察することができます​​。