京都大学 実習内容変更への取り組み

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/287820/1/tec_21_15.pdf

Title (English and Japanese):
Efforts to Change Practical Training Content
実習内容変更への取り組み

Journal Name & Publication Year:
技術発表会, 2024

First and Last Authors:
Yuki Sato, Kazuo Yamaji

First Affiliations:
Kyoto University, Department of Engineering

Abstract:
機械システム学コースの2年生を対象とした機械製作実習では、学生が旋削・転削・穴あけ加工など、機械加工の基礎を経験し、工作機械、計測、加工精度などの知識を得るとともに、安全やものづくりに関する全般的な知識を習得することを目的としている。従来のスターリングエンジンの製作から、スマートデバイススタンドの製作に変更し、動画学習を導入するなどの取り組みを行った結果、学生の理解度や関心が向上した。

Background:
機械製作実習は、学生が機械加工の基礎を学ぶ重要な機会である。従来の課題であるスターリングエンジンの製作では、精密な加工と熱力学の学びが得られるが、より広範な知識と関心を引き出すために変更が必要とされた。

Methods:
新しい実習課題としてスマートデバイススタンドの製作を採用し、事前学習用の動画を制作。また、ベアリングのシャフト製作や5軸マシニングセンタなどの最新加工技術の実演を含む総合学習を導入した。

Results:
変更後のアンケート結果や学生の意見から、事前動画学習による理解度の向上、工作機械への興味の増加、総合学習による実践的理解の深まりが確認された。

Discussion:
実習内容の変更に

より、学生の学習意欲や理解度が向上した。これにより、実践的な知識の習得が促進されたと考えられる。今後も環境の変化に柔軟に対応しながら、実習内容のさらなる改善を目指すことが重要である。

Novelty compared to previous studies:
従来の実習課題であるスターリングエンジンの製作から、スマートデバイススタンドへの変更に加え、動画学習の導入や最新加工技術の実演を含む総合学習の導入が新規性として挙げられる。

Limitations:
新しい実習内容の適用範囲や長期的な効果については、今後の検証が必要である。また、個々の学生の学習スタイルに合わせた指導方法の最適化も課題となる。

Potential Applications:
本研究の成果は、他の工学系教育機関における実習プログラムの改善や、産業界での新人技術者の教育プログラムに応用可能である。また、動画学習や総合学習の手法は、他の教育分野にも応用できる。

岡山理科大学 工作センターにおける機械加工実習教育への取り組み

itle (English and Japanese):
Efforts in Machining Practice Education at the Machine Shop Center
工作センターにおける機械加工実習教育への取り組み

Journal Name & Publication Year:
岡山理科大学教育実践研究, 2021

First and Last Authors:
Takashi Shinohara, Hironobu Kibata

First Affiliations:
Okayama University of Science, Research Institute for Collaboration among Academia, Industry, and Government

Abstract:
岡山理科大学の工作センターにおける機械加工実習教育の取り組みについて報告する。センターでは、実習内容の充実と安全対策を講じ、学生の理解と関心を高めるための工夫を行っている。特に、コロナ禍での対応として少人数制の班編成やVOD(Video On Demand)教材の導入など、新しい試みを取り入れた結果、学生から高い満足度を得ている。

Background:
ものづくりによる経済発展を支えてきた日本では、工業技術の教育が重要視されている。岡山理科大学の工作センターでは、機械システム工学科の学生を対象に機械加工実習を行い、高精度な加工技術を学ぶ機会を提供している。

Methods:
実習は汎用旋盤、CNC旋盤、汎用立型フライス盤、CNC立型フライス盤、歯切り盤、手仕上げ・レーザー加工、溶接の7種類のテーマに分かれて行われる。各テーマごとに工作機械の機能や安全上の注意を説明した後、実習作業を行い、レポート作成を通じてプレゼンテーション能力の習得を目指す。また、コロナ禍における対策として少人数制の班編成を行い、VOD教材を製作して事前学習をサポートしている。

Results:
実習を受けた学生からは、対面実習を通じて工作機械への理解と関心が深まったという意見が多く寄せられた。特に少人数制により安全面の改善が見られ、VOD教材の導入により実習の理解度が向上した。

Discussion:
コロナ禍での対策として行った少人数制の班編成やVOD教材の導入は、実習の質を高める効果があった。今後も最新の工作機械の導入やVODの改善を通じて、教育の質の向上に努める必要がある。

Novelty compared to previous studies:
少人数制の班編成やVOD教材の導入など、新しい試みが行われた点が新規性として挙げられる。

Limitations:
VOD教材のカメラワークに関する指摘や、実際に工作機械を体験できないことに対する不満があった。また、設備の整備や機器の補充が必要であるという意見もあった。

Potential Applications:
本研究の成果は、他の教育機関における機械加工実習の改善や、産業界での技術者教育に応用できる。また、VOD教材の活用は、他の教育分野でも有効である。

学生は何を作りますか?

学生は以下のような製品を製作します:

汎用旋盤実習:

引張試験片
ネジ付きロッド
CNC旋盤実習:

ネジ付きシャフト
汎用立型フライス盤実習:

角ブロック
CNC立型フライス盤実習:

アルミニウムプレート
歯切り盤実習:

大平歯車と小平歯車
手仕上げ・レーザー加工実習:

文鎮
スマートフォン立て
アクリルプレート
溶接実習:

各種溶接作品

 

東京工業大学工学部第4類の新入生向け創造性育成実習授業「機械工学系リテラシー」

https://scholar.archive.org/work/h6hddwrc3re2hiplfui6hiqkse/access/wayback/https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsee/59/5/59_5_5_82/_pdf

Title (English and Japanese):
Creative Practice Class “Mechanical Engineering Literacy” for Freshmen in the 4th Group, Tokyo Institute of Technology
東京工業大学工学部第4類の新入生向け創造性育成実習授業「機械工学系リテラシー」

Journal Name & Publication Year:
工学教育(J.of JSEE), 2011

First and Last Authors:
Nobuyuki Iwatsuki

First Affiliations:
Tokyo Institute of Technology, Graduate School of Science and Engineering

Abstract:
本稿では、東京工業大学工学部第4類の新入生向け創造性育成実習授業「機械工学系リテラシー」の創設過程、実践内容とその効果、そして継続的進化のための取り組みについて紹介する。新入生が座学から現場を体感し、「解く」から「創る」への転換を図ることを目的とし、工学へのモチベーションを高める取り組みを行っている。

Background:
高等学校の理数系教育は解が既知の課題を解くことが中心であるが、大学の工学教育では未知の課題に取り組み、実環境で唯一ではない設計解を求めるプロセスを学ぶことが重要である。東京工業大学では、新入生の工学へのモチベーションを高めるために創造性育成実習授業「機械工学系リテラシー」を創設した。

Methods:
この授業では、6つの実習テーマを設定し、2年次以降に学ぶ工学に関連づけた簡単な実習を通じて、工学的考察に堪えられる内容とした。各テーマは以下の通りである:

ものの情報を伝える
ものを操る
ものの形を創る
ものを加工する
ものを動かす
グループで考え発表する
Results:
学生からは、自身のオリジナルな設計を体験することやコンテストで競争することに対して好評を得た。授業の導入により、2年次以降の専門科目の成績向上や留年学生の減少が見られた。

Discussion:
本授業は学生の工学へのモチベーション維持に貢献している。また、授業の創案、実施、革新を通じて教育スタッフの意識改革も進み、効果的な実習授業を企画・立案する教育体制が磨かれている。

Novelty compared to previous studies:
従来の形式のフレッシュマンセミナーに代わる新たな授業形式を採用し、機械加工や機械製図の基礎的な実習を取り入れた点が新規性である。

Limitations:
授業内容の革新により、常に新しい実習企画を進める必要がある。また、教育効果の定量的評価体制の確立が課題である。

Potential Applications:
本授業の成果は、他の大学の工学教育カリキュラムの改善や、企業での技術者教育プログラムにも応用できる。

学生は何を作りますか?

学生が作るものは以下の通りです:

ものの情報を伝える実習:

三次元立体の第三角法投影図
立体の展開図から紙模型
ものを操る実習:

ジャイロ自転車
ジャイロ自転車の位置検出と速度変更を制御する回路
ものの形を創る実習:

強度や振動特性を考慮した機械部品の設計(翼形状設計など)
ものを加工する実習:

手仕上げによる製品
ボール盤での穴開け加工品
旋盤による段付き軸
フライス盤での直角・平面出し加工品
ものを動かす実習:

ロウソクの炎のエネルギーで動く「ぽんぽん蒸気船」
グループで考え発表する実習:

ビジネスゲームを題材にした問題解決のプレゼンテーション
これらの実習を通して、学生はさまざまな機械工学の基礎技術や理論を学びます。