紙の絵をUSBカメラで撮って3Dプリントへ|Windowsで撮影できない問題をOBS StudioとYUY2で解決【3Dプリンター教室】

目次

はじめに

3Dプリンター教室で、参加者が紙に描いた絵をパソコンへ取り込むため、外付けUSBカメラを使用することにしました。

ところが、Windows 11の標準「カメラ」アプリで映像は表示されるものの、写真の撮影ボタンを押すと画面が真っ黒になり、操作できなくなる問題が発生しました。

カメラアプリの修復、ドライバーの再インストール、USBポートの変更などを試しましたが改善しません。

最終的には、無料ソフト「OBS Studio」を使用し、映像フォーマットを「YUY2」に変更することで映像を正常に表示でき、スクリーンショット機能によって静止画を保存できるようになりました。

さらに、その方法で撮影した絵からMeshyで3Dモデルを作成し、Bambu Lab A1 miniで造形するところまで確認できました。

今回は、カメラトラブルの原因調査と解決手順、そして「紙の絵 → 撮影 → 3Dモデル化 → 造形」という教室用の流れを実際に通した結果をまとめます。

1. 使用環境

項目 使用環境
パソコン HP OmniBook
OS Windows 11
USBカメラ Gawervan KB-700
ドライバー Microsoft標準ドライバー
ドライバーバージョン 10.0.26100.9711
撮影ソフト Windowsカメラ、OBS Studio 32.2.2
使用目的 3Dプリンター教室で描いた絵の撮影

USBカメラはWindowsに「USB Camera」として認識されていました。

2. 発生した症状

最初に発生したのは、Windowsのカメラアプリが正常に起動しない問題でした。

何度か操作するとカメラの映像が表示されましたが、写真の撮影ボタンを押すと画面が黒くなり、そのまま戻らなくなりました。

最終的に、以下のエラーが表示されました。

エラーコード:

0xA00F4250 <PhotoCaptureStartFailed> (0x800703E3)

PhotoCaptureStartFailed は、写真撮影の開始に失敗したことを示します。

追加の 0x800703E3 は、I/O操作の中断を示すWindowsのエラーコードです。

重要なのは、カメラの映像自体は表示されていたという点です。

そのため、単純にカメラが認識されていない問題とは異なります。

なお、パソコン内蔵のフロントカメラでは正常に写真撮影ができていました。

3. 試した対処方法と結果

問題を解決するため、以下の方法を試しました。

対処方法 結果
Windowsカメラアプリの修復 改善せず
Windowsカメラアプリのリセット 改善せず
USBポートの変更 改善せず
USB Cameraの無効化・有効化 デバイスマネージャーが応答しなくなる
USB Cameraのアンインストール・再認識 改善せず
Microsoft標準USBビデオドライバーの選択 改善せず
OBS Studio・MJPEG形式 映像表示できず
OBS Studio・YUY2形式 映像表示に成功

ドライバーの日付は「2006年6月21日」と表示されていました。

一見すると非常に古いドライバーに見えますが、これはMicrosoftの標準ドライバーで一般的に使用される日付です。そのため、日付だけでドライバーの不具合を判断することはできません。

4. OBS Studioで問題を回避

Windowsのカメラアプリでは安定して撮影できなかったため、OBS Studioを使用することにしました。

OBS Studioは動画の配信・録画ソフトですが、USBカメラの映像から静止画を保存する機能もあります。

公式サイト:https://obsproject.com/ja

USBカメラを登録する

OBS Studioをインストールした後、次の設定を行います。

  1. OBS Studioを起動する。
  2. 「ソース」の「+」をクリックする。
  3. 「映像キャプチャデバイス」を選択する。
  4. 新しいソースを作成する。
  5. デバイスから「USB Camera」を選択する。

最初はUSBカメラの映像が表示されませんでした。

そのため、映像キャプチャデバイスのプロパティで、解像度と映像フォーマットを手動設定しました。

MJPEGでは映像が表示されない

最初に試した設定は以下のとおりです。

  • 解像度:640×480
  • FPS:30
  • 映像フォーマット:MJPEG

しかし、映像は表示されませんでした。

そこで、映像フォーマットを変更してみました。

YUY2に変更すると映像が表示された

映像フォーマットを「YUY2」に変更すると、USBカメラの映像が正常に表示されました。

今回のトラブルで最も重要だった操作です。

MJPEGは画像をJPEG形式で圧縮して転送する方式で、YUY2は基本的に非圧縮の映像データを転送する方式です。

一般的にMJPEGはUSB通信のデータ量を抑えやすく、高解像度・高フレームレートに向いています。一方、YUY2は圧縮映像の復号処理を必要としません。

今回、MJPEGで表示できず、YUY2で表示できたことから、映像フォーマットの処理やWindows環境との相性が問題に関係していた可能性があります(筆者の推測)。

ただし、カメラ本体・USB通信・ドライバーのどこに根本原因があるかまでは特定できていません。

5. OBS Studioで静止画を撮影する方法

OBS Studioで映像が表示できたら、静止画を保存します。

操作は簡単です。

  1. USBカメラで撮影対象を映す。
  2. OBSの「ソース」欄にある映像キャプチャデバイスを右クリックする。
  3. 「ソースのスクリーンショットを保存」をクリックする。
  4. 保存された画像ファイルを確認する。

この方法では、OBSのウィンドウや操作メニューではなく、USBカメラの映像そのものを保存できます。

保存先はOBSの「設定」→「出力」で指定した録画ファイルのパスなどから確認できます。

赤枠を大きくしても画質は変わらない

OBSでは、映像キャプチャデバイスを選択すると赤い枠が表示されます。

赤枠の四隅をドラッグすると、プレビュー画面上の映像を大きくできます。

しかし、これは表示サイズを変更する操作です。

「ソースのスクリーンショットを保存」を使用した場合、基本的に元のソース解像度で画像が保存されるため、プレビューを大きくしただけでは実際の撮影解像度は上がりません。

画質を向上させたい場合は、カメラが対応する範囲で映像キャプチャデバイスの解像度を変更する必要があります。

6. 撮影した絵から3Dプリントまで通してみた

今回の目的は、3Dプリンター教室で参加者が紙に描いた絵を取り込み、3Dプリントすることです。

OBS Studioで撮影できるようになったので、実際に「紙の絵 → 3Dプリント」までの流れを通してみました。

実際に行った流れ

工程 内容
① 描画 紙に絵を描く
② 撮影 Gawervan KB-700 + OBS Studio(YUY2、640×480)
③ 静止画保存 「ソースのスクリーンショットを保存」
④ 画像補正 なし(撮影した画像をそのまま使用)
⑤ 絵の描き直し 撮影した絵をもとに、Meshyで一度絵を描き直させる
⑥ 3Dモデル化 描き直した絵をMeshyで3Dモデル化
⑦ 造形 Bambu Lab A1 miniで3Dプリント

結果として、撮影から造形まで一通り成功しました。

640×480・補正なしでも造形まで進めた

撮影解像度は640×480で、明るさ調整や切り抜きなどの画像補正も行っていません。

それでも、今回の流れでは3Dプリントまで進めることができました。

撮影した絵をそのまま3Dモデル化するのではなく、いったんMeshyで絵を描き直させてから3D化している点が関係していると考えています。描き直しの段階で線や形が整理されるため、元画像の解像度や写り方の影響を受けにくくなっている可能性があります(筆者の考察。解像度や補正の有無を変えた比較はしていません)。

教室で使う場合の注意点

このような用途では、動画録画機能は必要ありません。

USBカメラで映像を表示し、必要なタイミングで静止画を保存できれば十分です。

ただし、参加者の絵は線の濃さや紙の置き方がそれぞれ異なります。今回は補正なしでうまくいきましたが、教室で多くの絵を扱う場合は、紙の影が写らないように照明を配置し、カメラを固定しておくと撮影結果が安定しやすいと考えています。

なお、絵から3Dモデルを作る工程そのものについては、別記事で検証しています。

7. 今回分かったこと

今回の経験から、USBカメラのトラブルでは以下の点が重要だと分かりました。

① カメラが認識されていても、写真撮影できるとは限らない

デバイスマネージャーに表示され、プレビュー映像が取得できても、静止画撮影時にエラーが発生する場合があります。

② ドライバーの再インストールだけで解決するとは限らない

今回はドライバーの再認識やUSBポートの変更でも改善しませんでした。

③ 映像フォーマットの変更が有効な場合がある

今回の環境では、MJPEGからYUY2への変更によって映像を表示できました。

④ 静止画撮影にはOBS Studioも使える

USBカメラの映像を取得できれば、OBS Studioのスクリーンショット機能を使って写真を保存できます。

⑤ 640×480・補正なしの画像でも3Dプリントまで進められた

今回の流れ(Meshyで描き直し → 3D化 → A1 miniで造形)では、高解像度の撮影や画像補正をしなくても造形まで到達できました。

まとめ

今回、Windows 11のカメラアプリで外付けUSBカメラの写真撮影ができないトラブルに遭遇しました。

複数の対処方法を試しましたが、標準カメラアプリでは改善しませんでした。

一方、OBS Studioで映像フォーマットをYUY2に設定すると正常に映像が表示され、スクリーンショットを保存できるようになりました。

その画像をMeshyで描き直し・3Dモデル化し、A1 miniで造形するところまで成功したことで、3Dプリンター教室で使う「撮影 → 3Dモデル化 → 造形」の環境が整いました。

すべてのUSBカメラに共通する解決策ではありませんが、USBカメラが認識されているのに映像が表示できない、あるいは写真撮影で停止してしまう場合には、映像フォーマットを確認する価値があります。

今回のように、使用するソフトを変更することで、機器を買い替えずに目的を達成できるケースもあります。

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