令和5年度技術士第一次試験問題［基礎科目］　問Ⅰ-5-6　科学的な発見の刺激による技術的な応用

### 問題の検討

「科学と技術の関わりは多様であり、科学的な発見の刺激により技術的な応用がもたらされることもあれば、革新的な技術が科学的な発見を可能にすることもある。こうした関係についての次の記述のうち、不適切なものはどれか。」

#### 各選択肢の検討

1. **望遠鏡が発明されたのちに土星の環が確認された。**
– これは正しいです。ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を用いて土星の環を初めて観測しました。

2. **量子力学が誕生したのちにトランジスターが発明された。**
– これは正しいです。量子力学の原理が理解され、それに基づいてトランジスターが発明されました。

3. **電磁波の存在が確認されたのちにレーダーが開発された。**
– これは正しいです。電磁波の理論が確立され、それを基にレーダー技術が開発されました。

4. **原子核分裂が発見されたのちに原子力発電の利用が始まった。**
– これは正しいです。原子核分裂の発見により、原子力発電の実用化が進みました。

5. **ウイルスが発見されたのちにワクチン接種が始まった。**
– これは不適切です。ワクチン接種の概念はエドワード・ジェンナーによって天然痘ワクチンが開発された18世紀末に遡ります。ウイルスの存在が確認されたのはそれよりも後のことです。

### 結論

最も不適切な記述は：

\[ \boxed{5} \]

### 説明

**5. ウイルスが発見されたのちにワクチン接種が始まった。**
– ワクチン接種の概念はエドワード・ジェンナーが天然痘ワクチンを開発した18世紀末に始まりましたが、ウイルスの発見はそれよりも後の20世紀初頭です。したがって、この記述は不適切です。

[解答]⑤

参考：過去問ドットコム