https://www.jstage.jst.go.jp/article/jriet/49/4/49_189/_pdf   Title (英語): Advancement of Automated Operation of Waste Incineration Facilities Using AI/IoT Title (日本語): AI・IoTを活用したごみ焼却施設の自動運転の高度化 Journal Name & Publication Year: 環境技術, 2020年 First and Last Authors: Yuki ONO, Kazuhisa HAMAMOTO First Affiliations: ㈱神鋼環境ソリューション環境エンジニアリング事業本部環境プラント技術本部装置技術部開発室 Abstract: 本論文では、AIおよびIoT技術を利用してごみ焼却施設の自動運転を高度化するための技術開発について紹介しています。具体的には、ごみピットの3D計測技術、ガス化溶融炉の排ガス制御技術、出滓口の自動監視技術などの事例を取り上げています。 Background: 近年、AIやIoT分野での技術開発が進み、ビッグデータを用いた自動運転制御や機器故障予測の産業分野への適用が注目されています。また、日本では人口減少に伴う労働力確保の問題があり、ごみ焼却施設の運営にも影響が出ています。 Methods: ごみピット3D計測技術の開発 高精度かつリアルタイムでごみ形状を3D計測する技術を開発。 ガス化溶融炉の排ガスCO、NOx制御技術の開発 CO、NOxの抑制を目的とした空気量制御の技術を開発。 出滓口の自動監視技術の開発 画像解析を用いて出滓口状況を自動判断するシステムを開発。 Results: ごみピットの3D計測技術により、クレーン自動運転が効果的に実施可能に。 ガス化溶融炉の排ガス制御技術により、COの抑制効果は最大で39.0%、NOxの抑制効果は最大で16.5%。 出滓口監視システムにより、出滓口開口率を自動計算し、運転員の判断と同等の精度を実現。 Discussion: これらの技術は、施設運営の効率化と安定化に寄与し、労働力不足の解消にも役立つことが示されています。特に、自動化技術の導入により、熟練度に依存しない安定した運転が可能となりました。 Novelty compared to previous studies: 従来の手法では、運転員の熟練度に依存していた部分をAI・IoT技術で補完することで、精度の高い自動運転を実現しました。 Limitations: 特定の施設や条件に依存する部分があり、全てのごみ焼却施設に対して同じ効果が得られるわけではない点が課題として残ります。 Potential Applications: 今後は、他の廃棄物処理施設への展開や、さらなる自動運転技術の高度化が期待されます。エネルギー効率の向上と労働力不足の解消に貢献する可能性があります。 powered by abotify.com
どのような方法でゴミ形状を把握していますか?
  方法: ごみピット内のごみ形状を高精度かつリアルタイムに把握するための方法は以下の通りです。 測距センサの設置: ごみピットの壁面上に2台の測距センサを設置します。一台はレーザ方式で2D計測が可能な測量センサと回転ステージを組み合わせたもので、もう一台は三角測量方式のステレオカメラシステムです。 3D点群データの取得: レーザ方式と三角測量方式の測距センサを用いて3D点群データを取得します。 データ処理アルゴリズム: 得られた3D点群データに対して、(1)外れ値の除去処理と(2)内挿補間処理を行います。 外れ値の除去処理: クレーンの映り込みなどの外れ値を除去するために、独自のフィルタ処理を行います。 内挿補間処理: クレーンやごみ山の影となった箇所のデータを補間するために、線形補間を行います。 この方法により、ごみピット内のごみの形状(高さ情報)を正確に把握することが可能となり、適応的なクレーン自動運転が実現されます。
三角測量方式について教えて下さい
  三角測量方式について 三角測量方式の原理: 三角測量方式は、物体までの距離を測定するために、三角形の性質を利用する方法です。この方法では、物体の位置を特定するために、2つの異なる視点から観測された点の位置を使用します。以下に、具体的な手法を説明します。 1. ステレオカメラシステムの構成: 三角測量方式では、2つのカメラ(ステレオカメラ)を一定の距離を置いて設置します。これにより、同じ物体を異なる角度から撮影することができます。 2. 画像取得と対応点の抽出: 両方のカメラで撮影した画像から、同じ物体の特徴点を特定し、それぞれの画像上で対応する点(対応点)を抽出します。 3. 三角測量の計算: 抽出された対応点の位置情報と、カメラ間の距離(ベースライン)、各カメラの撮影角度などの幾何学的な関係を利用して、対象物までの距離を計算します。具体的には、対応点の視差(2つの画像間の位置ずれ)を用いて、距離を求めます。 三角測量方式のメリット: 高精度な距離測定が可能であり、リアルタイムで3D形状を把握することができます。 カメラを使った方法であるため、視覚的な情報も同時に得ることができ、他の測定方法と組み合わせやすいです。 実際の応用例: 本技術では、市販の産業用カメラを使用してステレオカメラシステムを構成しています。ステレオカメラのキャリブレーションには、ごみピット壁面上の目盛を使った独自の手法を用いています。 図解: 図2に示すように、レーザ方式と三角測量方式の測距センサの構成図があります。レーザ方式の測距センサは2D計測が可能で、三角測量方式のステレオカメラシステムは、3D形状を計測するために用いられます。 このようにして、ごみピット内のごみ形状を高精度に計測し、クレーンの自動運転を最適化するためのデータを提供しています。
ステレオカメラとはどのようなカメラですか?
  ステレオカメラとはどのようなカメラか ステレオカメラの概要: ステレオカメラは、2つのカメラを一定の距離(ベースライン)を置いて並べて設置し、同じシーンを異なる角度から撮影するカメラシステムです。この構成により、人間の目のように立体視(3D視覚)を実現することができます。 ステレオカメラの構成要素: 2つのカメラ: 同じ種類の2つのカメラを用います。これらは一定の間隔を置いて設置されます。 ベースライン: 2つのカメラの間の距離です。この距離がカメラシステムの精度に影響します。 キャリブレーション: 2つのカメラの位置と角度を調整し、同じ対象物を正確に撮影できるようにします。キャリブレーションには専用のソフトウェアや手法が用いられます。 ステレオカメラの原理: 撮影: 2つのカメラが同時に同じシーンを撮影します。これにより、2つの異なる画像が得られます。 対応点の抽出: 2つの画像から、同じ物体上の対応する点(特徴点)を特定します。これは視差(パララックス)と呼ばれます。 距離計算: 視差とカメラ間の距離(ベースライン)、各カメラの視角を使って、対象物までの距離を三角測量の原理で計算します。 ステレオカメラの応用例: 3D形状の計測: 工業分野やロボット工学で、物体の3D形状を高精度に計測するために使用されます。 自動運転: 自動車の自動運転システムで、周囲の環境を立体的に認識するために利用されます。 医療: 医療分野では、手術支援システムなどで3D視覚を提供するために用いられます。 具体的な実装例: 本技術では、市販の産業用カメラを使用してステレオカメラシステムを構成しています。 キャリブレーションには、ごみピット壁面上の目盛を使った独自の手法が採用されています。 図解説明: 図2に示すように、ステレオカメラシステムは、測距センサとしてごみピットの3D計測に利用されています。これにより、リアルタイムでごみ形状の3Dデータを取得し、クレーン自動運転の最適化に役立てられています。 このように、ステレオカメラは視覚情報を3Dデータとして取得できる強力なツールであり、さまざまな分野で応用されています。 使われたカメラの型式を教えて下さい 使用されたカメラの型式 本技術で使用されたステレオカメラシステムは、市販の産業用カメラを使用していますが、具体的な型式は記載されていません。ステレオカメラのキャリブレーションには、ごみピット壁面上の目盛を使った独自の手法が用いられています​​。
aiはどのように活用されていますか?
  AIの活用方法 1. ごみピット3D計測技術: AIを用いてごみピット内のごみ形状(高さ情報)をリアルタイムに3D計測します。測距センサから取得した3D点群データを処理し、クレーンの自動運転を最適化します。 2. 排ガスCO, NOx制御技術: ガス化溶融炉の排ガス成分(CO, NOx)の発生を予測し、空気量を自動で調整するシステムをAIで構築します。このシステムは、排ガス成分を抑制するために炉の計測データを用いて最適な制御を行います​​。 3. 出滓口の自動監視技術: 監視カメラ画像をAIで解析し、出滓口のスラグの流出状況を自動判断します。スラグの固着状況を定量化し、運転員にリアルタイムで提示することで、熟練度に依存しない最適運転を実現します​​。 このように、AI技術を活用することで、ごみ焼却施設の運転効率と安定性を向上させることが可能となっています。
aiについてもっと具体的に教えて下さい
  AIの具体的な活用方法 1. ごみピット3D計測技術: データ処理: 測距センサから取得した3D点群データをAIで処理します。具体的には、以下の処理を行います: 外れ値の除去: クレーンの映り込みなどの外れ値をAIを使って検出・除去します。 内挿補間: クレーンやごみ山の影となり測域センサの死角となった箇所のデータをAIで補間し、正確なごみ形状を再構築します​​。 2. 排ガスCO, NOx制御技術: 制御ロジック: COとNOxの発生を予測し、空気量を最適化するAIロジックを構築します。これにより、以下の効果が得られます: CO抑制: AIがCO発生の兆候を早期に検出し、空気量を調整して最大39.0%のCO抑制効果を実現します。 NOx抑制: 同様に、NOx発生も予測し、最大16.5%のNOx抑制効果を達成します​​。 3. 出滓口の自動監視技術: 画像解析: 監視カメラ画像をAIで解析し、スラグの固着状況を自動で判断します。具体的には以下の処理を行います: スラグ検出: AIを使ってスラグの固着領域を検出し、開口率を計算します。 動画像処理: スラグの動きがない領域を特定し、固着スラグとして判断します​​。 AI技術の詳細: データ収集と学習: AIはごみピット内の測定データや、ガス化溶融炉の運転データを用いて学習し、運転状況に応じた最適な制御を実行します。 自動化と精度向上: AIの導入により、人間の運転員が必要とする操作を自動化し、運転精度と効率を向上させます。 柔軟な対応: 各施設の特性や季節変動に応じた柔軟な学習と対応を実現しています​​。 このように、AI技術を駆使してごみ焼却施設の運転を高度化し、効率的で安定した運営を可能にしています。