説明
ア:アミノ酸 – タンパク質はアミノ酸が構成成分です。
イ:ペプチド – アミノ酸はペプチド結合によって連結します。
ウ:酵素 – 酵素はタンパク質を主成分とする生体触媒です。
エ:デンプン – アミラーゼはデンプンを加水分解します。
以上の理由から、選択肢3が最も適切です。

[解答]③

参考:過去問ドットコム

ペプチド結合とは何ですか?

**ペプチド結合**とは、**アミノ酸同士が結合するときに形成される共有結合**のことです。この結合は、1つのアミノ酸のカルボキシ基(−COOH)と、別のアミノ酸のアミノ基(−NH₂)が脱水縮合反応を起こすことで形成されます。

### **ペプチド結合の化学的な仕組み**
1. **結合の形成**
– 1つのアミノ酸のカルボキシ基(−COOH)と、もう1つのアミノ酸のアミノ基(−NH₂)が反応します。
– このとき、水分子(H₂O)が1分子失われます(脱水縮合)。
– 結果として、**−CO−NH−**という結合が形成され、これを**ペプチド結合**と呼びます。

2. **化学式**
\[
R_1-CH(NH_2)-COOH + R_2-CH(NH_2)-COOH \xrightarrow{\text{脱水}} R_1-CH(NH)-CO-R_2 + H_2O
\]
– \(R_1\) と \(R_2\) はアミノ酸の側鎖部分を示します。

### **ペプチド結合の性質**
1. **結合の強さ**
– ペプチド結合は**共有結合**であり、非常に強い結合です。これにより、タンパク質の一次構造が安定します。

2. **剛性**
– ペプチド結合は共鳴構造を持つため、部分的に二重結合の性質を持ちます。そのため、結合の回転が制限され、分子の形状に影響を与えます。

3. **加水分解**
– ペプチド結合は酵素(例:ペプシンやトリプシン)や酸・アルカリによって切断される(加水分解される)ことがあります。

### **ペプチド結合の重要性**
1. **タンパク質の一次構造**
– アミノ酸がペプチド結合で連結されて直線的な鎖を形成し、この鎖をタンパク質の一次構造と呼びます。

2. **ポリペプチドとタンパク質**
– ペプチド結合で数個から数百個以上のアミノ酸が連結すると、**ポリペプチド**と呼ばれる構造が形成されます。
– ポリペプチドが特定の形状を取ることで、機能を持つタンパク質になります。

### **例**
1. **ジペプチド**
– 2つのアミノ酸がペプチド結合で連結したもの。
– 例:グリシルアラニン(グリシンとアラニンの結合)。

2. **トリペプチド**
– 3つのアミノ酸が連結したもの。
– 例:グルタチオン(グルタミン酸、システイン、グリシン)。

3. **ポリペプチド**
– 多数のアミノ酸が連結したもの。タンパク質を構成する基本単位。

**結論:ペプチド結合はアミノ酸同士を連結する重要な結合であり、タンパク質やペプチドの構造と機能の基盤となっています。**

グルコースとは何ですか?

**グルコース**(Glucose)は、炭素、水素、酸素で構成された単糖類の一種で、**自然界で最も重要な糖の1つ**です。**ブドウ糖**とも呼ばれ、生体における主要なエネルギー源として機能します。

### **グルコースの特徴**
1. **化学構造**
– 化学式:\(\text{C}_6\text{H}_{12}\text{O}_6\)
– 6つの炭素原子からなる単糖で、**ヘキソース(六炭糖)**に分類されます。
– 鎖状構造(アルドース)と環状構造(ピラノース)を持ちますが、生体内では主に環状構造が存在します。

2. **異性体**
– **D-グルコース**(生体内で利用される)と**L-グルコース**(ほとんど利用されない)の鏡像異性体があります。

3. **溶解性**
– 水に非常によく溶けます。

### **生物学的役割**
1. **エネルギー源**
– グルコースは細胞での主要なエネルギー供給源として利用され、**ATP**(アデノシン三リン酸)を生成するための材料となります。
– **解糖系**や**クエン酸回路**を通じて代謝されます。

2. **貯蔵形態**
– グルコースが余ると、動物では**グリコーゲン**(肝臓や筋肉に蓄えられる)、植物では**デンプン**の形で貯蔵されます。

3. **構造の役割**
– グルコースはセルロースやキチンといった構造多糖の構成要素としても使われます。

4. **血糖値の調整**
– 血液中のグルコース濃度(血糖値)は、インスリンやグルカゴンといったホルモンによって厳密に調整されています。

### **食品中のグルコース**
– **天然の存在**
– グルコースは果物や蜂蜜など、自然界の多くの食品中に含まれています。

– **加工食品**
– ブドウ糖シロップや砂糖(ショ糖)の分解生成物としても利用されます。

### **医学的な重要性**
1. **低血糖**
– 血糖値が低すぎると、脳がエネルギー不足となり、混乱、めまい、場合によっては意識喪失が起こることがあります。

2. **高血糖**
– 高血糖が慢性的に続くと、糖尿病や血管障害などの健康問題につながります。

3. **ブドウ糖点滴**
– 医療現場では、グルコース溶液が栄養補給やエネルギー供給のために使われます。

### **グルコースと他の糖の関係**
– **単糖**:グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース。
– **二糖**:
– ショ糖(スクロース)= グルコース + フルクトース。
– 乳糖(ラクトース)= グルコース + ガラクトース。
– **多糖**:
– デンプン(植物)やグリコーゲン(動物)はグルコースの重合体。

**結論**
グルコースは生体内で非常に重要な役割を持つ単糖であり、エネルギー供給、構造形成、代謝の中心的存在です。また、自然界の多くの食品に含まれ、私たちの生活に欠かせない物質です。

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