$\tau_{\rm max} = | \tau (D/2) | = \frac{D}{2} G | \theta| = \frac{D |T|}{2 I_p}=\frac{|T|}{Z_p}$
それぞれの材料の極断面係数Zを求める
$Z_{pA} = \frac{\pi d^3}{16}$
$Z_{pB} = \frac{\pi (d^4-\frac{d^4}{\sqrt{2}})}{16d}$
せん断応力の比は
$\frac{\frac{\pi d^3}{16}}{\frac{\pi (d^4-\frac{d^4}{\sqrt{2}})}{16d}}=4/3$
[解答]②
参考
第10回 棒のねじり
ねじりモーメントを受ける丸棒のモールの応力円(H26)
材料力学 丸棒の断面に働くねじりモーメントと断面係数に関する問題(H25)
極断面2次モーメントとは何ですか?
極断面二次モーメント(polar moment of inertia)とは、 軸をねじるときの“ねじれにくさ”を表す量 です。 「ねじりに関しての慣性モーメント」と考えると直感的です。✅ 1. 定義(数学的な形)
断面内の点の座標を ((x, y)) とすると、 [ J=\iint (x^{2}+y^{2}), dA ]- 点が軸から離れているほど(r が大きいほど)J に大きく効く → 外周の材料がねじりに強く寄与
✅ 2. なぜ必要なのか?
ねじり応力と角ねじれ角の式に必ず登場します。● 最大せん断応力
[ \tau_{\max}=\frac{T c}{J} ]● ねじれ角
[ \theta=\frac{T l}{GJ} ] J が大きいほど:- ねじりに強い
- ねじれが小さい
- せん断応力も小さくなる
✅ 3. 直感イメージ(重要)
ねじるとき、中心の材料よりも「外周の材料の方が強く効く」。 これはてこの原理と同じで、- 中心にある材料 → モーメントアームがゼロ
- 外側の材料 → モーメントアームが大きい
✅ 4. 丸棒の公式
覚えておくと便利。● 中実丸棒
[ J=\frac{\pi d^4}{32} ]● 中空丸棒(外径 d、内径 d_i)
[ J=\frac{\pi (d^4 - d_i^4)}{32} ]✅ 5. なぜ d^4 になるのか?
積分で外周が支配的になるから。 例えば中実丸棒では [ J \propto \int_0^R r^2 (2\pi r, dr) = 2\pi \int r^3 dr \propto R^4 ] 半径の4乗で効く → つまり直径を少し大きくするとねじり強度が爆増する。✅ 6. 性質まとめ
| 効果 | 説明 |
|---|---|
| せん断応力に効く | (\tau = Tc/J)、J 大→応力小 |
| ねじれ角に効く | (\theta = Tl/(GJ))、J 大→ねじれ小 |
| 外周が効く | r^2 の重みで外側の材料が支配的 |
✅ 7. 今回の問題との関係
中空丸棒 B の J が小さいので(肉が薄いため)- (\tau_B > \tau_A)
必要なら: ✅ J の導出(積分を全部見せる) ✅ ねじりの理論式の出発点 ✅ G(せん断弾性係数)との関係 ✅ なぜ丸棒はねじりに強いのか などもさらに深く説明できます!
Jの導出をお願いします
いい質問です!ここでいう「極断面二次モーメント (J)」は、ねじり(純粋トルク)に対する断面の“ねじれにくさ”を表す幾何学量です。 (※質量に関する慣性モーメント (J= \sum m r^2) とは別物。ここでは断面形状だけで決まる量で、単位は ([\text{長さ}]^4) です。)極断面二次モーメントとは
- 定義(断面中心 (O) まわり) [ \boxed{,J=\int_A \rho^2,\mathrm dA,} ] ここで (\rho) は断面上の点から中心 (O) までの距離、(A) は断面積。
- ねじりの基本式 [ \boxed{,\tau(\rho)=\dfrac{T,\rho}{J},},\qquad \boxed{,\theta=\dfrac{T,L}{G,J},} ] (\tau):半径 (\rho) のせん断応力,(T):トルク,(L):軸長,(G):せん断弾性係数。 → (J) が大きいほど応力が小さく,ねじれ角も小さい。
(J) の導出(円形断面)
1) 中実丸棒(半径 (R))
極座標で ( \mathrm dA=\rho,\mathrm d\rho,\mathrm d\phi ): [ \begin{aligned} J &=\int_0^{2\pi}!!\int_0^{R}\rho^2(\rho,\mathrm d\rho,\mathrm d\phi) = \int_0^{2\pi}!!\int_0^{R}\rho^{3},\mathrm d\rho,\mathrm d\phi \ &= \left[\int_0^{2\pi}\mathrm d\phi\right]! \left[\frac{\rho^{4}}{4}\Big|_{0}^{R}\right] = 2\pi \cdot \frac{R^{4}}{4} = \boxed{\frac{\pi R^{4}}{2}} \end{aligned} ] 直径 (d=2R) なら (J=\dfrac{\pi d^{4}}{32})。2) 中空丸棒(外半径 (R_o), 内半径 (R_i))
[ \boxed{,J=\frac{\pi}{2}\left(R_o^{4}-R_i^{4}\right) =\frac{\pi}{32}\left(d_o^{4}-d_i^{4}\right),} ]3) 薄肉円管(板厚 (t\ll r)・平均半径 (r))
[ \boxed{,J \approx 2\pi r^{3}t,} ] (工学的に便利な近似)(J) と他の量の関係・注意
- 直交主軸の面二次モーメント (I_x, I_y) と [ \boxed{,J = I_x + I_y,(=\int_A (x^2+y^2),\mathrm dA),} ] (円や正方形など中心対称断面で成り立つ)
- 単位:([\text{m}^4])。 質量慣性モーメント(([\text{kg m}^2]))とは違うので混同に注意。
よくある質問:「(J) に (1/2) が付くのは?」
中実円の結果が [ J=\frac{\pi R^4}{2} ] だから「(1/2) が付く」ように見えます。これは円の幾何学積分の結果で、定義 (J=\int_A \rho^2 dA) に特別な係数があるわけではありません。 (質量慣性モーメントで一様円板が (J_{\text{mass}}=\tfrac12 mR^2) となるのとは別の話です。)必要なら、先の問題図(外径 (d)、内径 (d/\sqrt2) の中空丸棒)について 具体的に (J) を計算し、せん断応力比 (\tau_B/\tau_A) を出す手順も示します!
なぜ丸棒はねじりに強いのか?
丸棒(円形断面)が 特にねじりに強いのは、 外周の材料が最大限に“モーメントアーム”を使ってねじりに抵抗できるからです。 そしてその効果が、極断面二次モーメント [ J=\int_A r^2 dA ] に見事に現れます。 ここでは、直感 → 物理 → 数学 の順でスッキリ説明します。✅ 1. 直感的に:ねじりで一番効くのは“外側の材料”
ねじりトルクは [ T = \tau(r) \times (\text{面積}) \times r ] のように 半径 r が大きいほど強く効く。 つまり、- 軸の中心付近の材料 → r が小さい → ほとんど抵抗しない
- 外周の材料 → r が最大 → ねじり抵抗力の主役
✅ 2. ねじりの式で見るともっと明確
最大せん断応力 [ \tau_{\max}=\frac{T c}{J} ] ねじれ角 [ \theta=\frac{T L}{G J} ] つまり J が大きいほど強い。円がねじりに強い理由
円は、同じ面積・同じ外形寸法の断面に比べて [ J = \int r^2 dA ] を最大化しやすい。 特に- 角のある形(四角形・H形鋼)は せん断応力が平均化しにくい
- 薄板形状では外周にしか材料がないため局所的に弱い
✅ 3. 数学的に:J は半径の4乗で効く
中実丸棒 [ J=\frac{\pi d^4}{32} ] 直径の 4乗 に比例する。 例えば、直径を2倍にすると [ J_{new} = 2^4 = 16倍! ] 外周が支配的だから、円形のように外周を最大限使える形が一番強い。✅ 4. 他の断面と比較(同じ断面積)
たとえば断面積が同じ- 円
- 正方形
- 長方形(細長い)
✅ 5. 工学的利点
- 車のシャフト
- モーター軸
- 工具のドリルチャック
- 機械部品の回転軸
✅ まとめ:丸棒がねじりに強い理由(3行)
- 外周材料が最大限に使える
- J が半径の4乗で効く → 円は最もJが大きくなる
- 方向による偏りがなく、ねじり応力が均等に分布する
必要なら: ✅ 四角形・I形鋼との J の比較 ✅ 中空丸棒がさらに効率的な理由 ✅ 材料力学としてのねじり応力分布の導出 も解説できます!





