https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmekanto/2001.7/0/2001.7_65/_pdf

Title (English and Japanese)
Remote Control and Monitoring Technologies of NC Machines With Intranet
インタラネットを利用したNC工作機械のリモートコントロール・モニタリング技術

Journal Name & Publication Year
The Journal of the Japan Society of Mechanical Engineers, Vol. 2001, No. 7, 2001
日本機械学会誌, 2001年7月

First and Last Authors
Sei Moriyasu, Yutaka Yamagata

First Affiliations
The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN)

Abstract
本報告では、インタラネット技術をNC工作機械の加工および計測に応用した技術を紹介する。インタラネットを利用することで、NC工作機械のリモートコントロールとモニタリングが可能となり、生産システムの効率化が実現する。これには、PC、LAN、CCDカメラなどの一般的な機器を使用し、小規模な工場やオフィスでもシステムを構築できる。

Background
近年の情報技術(IT)の発展に伴い、コンピュータおよび情報通信機器の価格が下がり、中小企業でも容易に利用できるようになっている。生産現場では、生産効率を上げるためにプロセス技術の開発とともに、プロセスの自動化および生産システムの一元管理が求められている。

Methods

NC工作機械の位置決め制御:

NCプログラムをNCコントローラ内のメモリに蓄積し運転する方法と、PCとRS-232Cなどで接続してDNCモードでNCプログラムを送信しながら運転する方法がある。
PCを利用してNC工作機械が任意の位置に到達したかどうかを確認する方法として、M信号をNCコントローラからPCへ送信する方法、およびスケールから現在位置信号を直接PCへ取り込む方法がある。
リモートモニタリング:

インタラネットを利用して、離れた場所からNC工作機械の加工進行状況やエラー通知などを取得できるシステムを構築する。
加工機に設置されたPCをサーバとして、他の場所にあるPCからアクセスして加工機情報を取得する。
CCDカメラを用いて、工場内の加工機の稼動状況をモニタリングし、離れたPCから画像を確認する。
リモートコントロール:

インタラネットを経由して、加工機側のPC内のNCデータ転送プログラムを起動させることで、加工・測定の開始や中断をリモートで制御できる。
CCDカメラを用いてワークの任意の場所を観察しながら、遠隔地から加工機の移動指令を送ることで、加工機のリモートコントロールが実現できる。
Results

インタラネットを利用したNC工作機械のリモートコントロールおよびモニタリング技術により、加工の進行状況やエラー通知などをリアルタイムで取得できる。
CCDカメラを用いた遠隔モニタリングにより、生産性の向上が期待できる。
加工機の位置決め制御により、NCプログラムの効率的な運用が可能となる。
Discussion
インタラネット技術を利用することで、比較的小規模な工場や中小企業でも、PCやCCDカメラなどを用いて高効率な生産管理が可能となる。リモートコントロールおよびモニタリング技術により、加工機の稼動状況をリアルタイムで把握し、生産性の向上を図ることができる。

Novelty compared to previous studies
従来の方法では、NC工作機械の操作や監視は現場で行う必要があったが、インタラネット技術を利用することで、遠隔地からの操作・監視が可能となった。また、CCDカメラを用いたモニタリングにより、リアルタイムでの生産状況の把握が容易となった。

Limitations
インタラネット技術を利用するためには、安定したネットワーク環境が必要であり、ネットワークの障害が発生した場合には、リモートコントロールやモニタリングが一時的に停止する可能性がある。

Potential Applications
本技術は、NC工作機械の操作や監視が必要なあらゆる生産現場に適用できる。特に、中小企業や小規模工場において、低コストで効率的な生産管理を実現するために有用である。また、遠隔地からの操作や監視が可能であるため、多拠点展開する企業においても活用できる。

CCDカメラでは何をモニタリングしていますか

CCDカメラを使用してモニタリングする内容について、以下に詳細に説明します。

モニタリング対象

加工機の稼動状況:

加工機が正常に稼動しているかを監視します。
加工中に発生する異常やエラーを検出します。
加工機の動作をリアルタイムで確認し、異常が発生した場合に即座に対応します。
加工の進行状況:

加工プロセスが計画通りに進行しているかを確認します。
加工の各ステージを監視し、必要に応じて調整や修正を行います。
加工終了時や特定のイベント発生時に通知を受け取るためのモニタリングを行います。
加工品質の確認:

加工された部品の表面状態や仕上がり具合を監視します。
不良品や品質の低下を早期に発見し、対策を講じます。
作業環境の監視:

加工機周辺の作業環境をモニタリングし、安全性を確保します。
作業者の動きを監視し、安全な作業が行われているかを確認します。
具体的な使用例

遠隔監視:

工場内の異なる場所や遠隔地から加工機の稼動状況を確認します。
作業者が直接加工機の前にいなくても、リアルタイムで状態を監視できます。
エラー検出と対応:

加工中にエラーが発生した場合、CCDカメラでその状況を確認し、迅速に対応します。
エラー発生時にはアラートを発信し、担当者に通知します。
品質管理:

加工後の製品をCCDカメラでチェックし、品質を確認します。
不良品が発生した場合、その原因を特定し、再発防止策を講じます。
プロセスの最適化:

加工プロセスの各ステージを監視し、効率的な運用を実現します。
加工時間や資材の無駄を削減し、生産性を向上させます。
利点

リアルタイム監視:加工機の状態をリアルタイムで監視でき、異常が発生した場合に迅速に対応できます。
遠隔操作:遠隔地からの操作や監視が可能で、複数の加工機を効率的に管理できます。
品質向上:加工品質を常に監視することで、不良品の発生を防ぎ、製品の品質を向上させます。
安全確保:作業環境の監視により、作業者の安全を確保し、事故を防止します。
CCDカメラを活用することで、加工機の稼動状況や加工品質を高精度かつ効率的に監視し、生産性の向上や品質管理の徹底が実現できます。