デンカの最近のニュース(2025年5月〜2026年6月)

デンカの最近のニュース(2025年5月〜2026年6月)

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米国子会社(DPE)の操業停止と環境問題

  • 操業停止 – デンカは米国子会社デンカ・パフォーマンス・エラストマー(DPE)のクロロプレンゴム工場を無期限で操業停止すると発表した(2025年5月14日)。工場はルイジアナ州セントジョン教区にあり、EPAが環境正義キャンペーンの対象として厳しい排出規制を課した。デンカは需要低迷、原材料・エネルギーコスト上昇、スタッフ不足、EPAの排出規制が「不公平」であることなどを理由に挙げており、工場の売却なども検討中と報じられた
  • 環境・健康への影響 – EPAはクロロプレン排出削減を求め、地域住民は工場が白人が少数派の地域のがんリスクを高めていると主張していた。EPAは新ルールにより近隣住民の生涯がんリスクを大幅に低減できるとしている

2026年3月期(FY2026)業績と構造改革

  • 決算 – 2026年3月期(FY2026)の連結売上高は3,842億4,700万円と前年同期比4.0%減少した一方、営業利益は82.0%増の262億2,500万円、経常利益は153.1%増の192億9,500万円となり、大幅な増益となった。これは半導体や電力インフラ向け製品が伸び、コスト削減が進んだため。2027年3月期は売上高4,500億円、営業利益300億円を見込んでいる
  • 米国子会社の停止による収益改善 – エラストマー・インフラソリューション部門ではクロロプレンゴム需要の低迷が続いたが、高コストな米国子会社(DPE)を一時停止したことで収益性が改善し、営業損益が黒字に転換した
  • 特別損失 – FY2026決算では、米国子会社の原材料在庫処分費や人件費の計上により211億1,200万円の事業構造改善損失を計上した。一方で、Toyo Styreneの完全子会社化に伴う株式評価損益や投資有価証券の売却益などを特別利益として計上した

企業買収と資本政策

  • カイノスの株式公開買付け(TOB) – デンカは2026年2月9日〜3月25日に子会社フラワーズを通じてカイノス株式のTOBを行い、最低応募株数を大きく上回る322万3,919株の応募がありました。これにより議決権保有比率は21.39%から73.36%に上昇し、カイノスを実質的に子会社化しました

製品価格改定

  • クロロプレンゴム – 2026年4月20日、デンカはクロロプレンゴムの価格を2026年5月15日出荷分から1トン当たり米ドル200ドルまたはユーロ180ユーロ以上引き上げると発表した。中東情勢の緊張や原材料・燃料費の高騰が続いており、更なる値上げも検討するとしている
  • 食品包材用スチレン系シート – 2026年6月1日、食品容器などに使用するスチレン系シートの価格を7月1日納入分からキログラム当たり45円以上値上げすると発表した。中東地域の地政学的緊張によるナフサ価格急騰や原材料価格の上昇でコストが高騰しているため
  • その他 – デンカは電子包材用シート・カバーテープやABS樹脂など他製品でも2026年春以降に値上げを実施すると発表しており、原料コストの高騰と安定供給のため顧客に理解を求めている。

サステナビリティと品質改善

  • サプライヤーエンゲージメント評価 – 2026年6月10日、デンカは気候変動情報開示団体CDPの2025年サプライヤーエンゲージメント評価で最高評価の「Aスコア」を初めて獲得したと発表した。温室効果ガス削減やサプライチェーンへの働きかけが評価された
  • フロン対策格付け – 2026年6月3日発表の「第5回フロン対策格付け」で、デンカは5年連続で最高ランクの「A」を取得した。JRECOの冷媒管理システムを採用し、フロンガス回収や削減に取り組んだことが評価された
  • 品質不正再発防止 – 2023年に発覚した品質不正に対し、デンカはガバナンス強化、品質保証機能の整備、教育などを盛り込んだ「Denkaマスタープラン」を策定し、2026年3月までに再発防止策の実施を完了したと報告した

その他の動き

  • 価格改定への取り組み – 2026年春以降、多くの包装資材メーカーがナフサ価格上昇を受けて値上げを表明しており、デンカも食品包材用スチレンシートやデンカサーモシートBOPSなどの価格改定を順次発表している。製品ごとに具体的な値上げ幅や時期は異なるものの、いずれも原材料とエネルギーコストの急騰が背景にある。

まとめ

2025年5月以降、デンカは米国クロロプレンゴム工場の無期限停止という大きな決断を迫られる一方、2026年3月期は半導体や電力インフラ関連製品が好調で大幅な増益となった。事業構造改善に伴う特別損失を計上しつつも、カイノスの子会社化などによる成長投資を進めている。世界的な原材料価格の高騰に対応するため、クロロプレンゴムや包装材用シートなど各製品の値上げを順次実施する方針を示しており、サプライチェーンへの説明と品質改善の取り組みも強化している。サステナビリティ分野ではCDP評価やフロン対策格付けで高い評価を獲得し、品質不正再発防止策の実施完了を報告するなど、企業としての信頼回復にも努めている。

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