タップ下穴深さの考え方（掲載用）

ねじの強度を確保するためには、適切な ねじ込み深さ と ねじ深さ（タップ加工長さ）、および 下穴深さ の設定が重要です。以下は、一般的な機械設計・加工現場で用いられる目安を整理したものです。

■ ねじ込み深さ（有効ねじ長さ）の目安

材料によって推奨されるねじ込み深さ（＝有効ねじのかかる長さ）は異なります。

■ ねじ深さ（タップ加工深さ）

ねじ深さ = ねじ込み深さ + 2P（最低でも 2 ピッチの余裕）
※ 入口・底部の不完全ねじを考慮するため。

鋼材の標準的な設計例として、
「ねじ込み深さ ≈ 1.2D」で考えると、以下の式になります。

ねじ深さ = 1.2D + 2P

この値は、有効ねじ長さが 1D 前後となり、鋼材の標準的な強度を満たす設定となります。

■ 下穴深さ（ドリル加工深さ）

下穴は、タップよりさらに深く加工する必要があります。
これは、

などを考慮するためです。

ここでは実務的な値として、

下穴深さ = ねじ深さ + 3P
（※ ドリルのストレート部先端からの深さ）

としました。
小径では 4〜5P を用いる場合もありますが、汎用設計値として 3P を採用しています。

ネジの呼び径	P（並目）	ねじ深さ	下穴深さ	P（細目）	ねじ深さ	下穴深さ
M2	0.4	4	6	0.25	3	4
M2.3	0.4	4	6	–	–	–
M2.5	0.45	4	6	–	–	–
M2.6	0.45	5	7	–	–	–
M3	0.5	5	7	0.35	5	7
M3.5	0.6	6	8	0.35	5	7
M4	0.7	7	10	0.5	6	8
M5	0.8	8	11	0.5	7	9
M6	1.0	10	13	0.75	9	12
M8	1.25	13	17	1.0	12	15
M10	1.5	15	20	1.25	15	19
M12	1.75	18	24	1.25	17	21
M14	2.0	21	27	1.5	20	25
M16	2.0	24	30	1.5	23	28
M18	2.5	27	35	1.5	25	30
M20	2.5	29	37	1.5	27	32
M22	2.5	32	40	1.5	30	35
M24	3.0	35	44	2.0	33	39
M27	3.0	39	48	2.0	37	43
M30	3.5	43	54	2.0	40	46
M33	3.5	47	58	2.0	44	50
M36	4.0	52	64	3.0	50	59
M42	4.5	60	74	4.0	59	71
M45	4.5	63	77	4.0	62	74
M48	5.0	68	83	4.0	66	78
M52	5.0	73	88	4.0	71	83

※「–」は細目が標準規格に存在しないもの。

■ まとめ

単位:mm
ねじの呼び（d）	M3	M4	M5	M6	M8	M10	M12	M14	M16	M20	M24
ds	3	4	5	6	8	10	12	14	16	20	24
d′	3.4	4.5	5.5	6.6	9	11	14	16	18	22	26
dk	5.5	7	8.5	10	13	16	18	21	24	30	36
D	6.5	8	9.5	11	14	17.5	20	23	26	32	39
K	3	4	5	6	8	10	12	14	16	20	24
H₁	2.7	3.6	4.6	5.5	7.4	9.2	11	12.8	14.5	18.5	22.5
H₂	3.3	4.4	5.4	6.5	8.6	10.8	13	15.2	17.5	21.5	25.5