カップルが出会ったとき、さまざまな理由でお互いに魅力を感じひきつけられ、結婚を決意します。
しかし、皮肉なことに、その魅力として感じたことそのものが、後にパートナーに対する不満の元になっていることが少なくありません。
たとえば、パートナーの男性を頼りがいのある自信に満ちた男らしい人として魅力を感じた女性は、結婚生活の中で次第に、
パートナーが自分の気持ちに共感してくれない強引な人と感じるようになるかもしれません。
また、男性が高学歴で高収入であることを結婚相手の第一条件に考えていた女性が、結婚後は夫が仕事に忙しく一緒に過ごす時間が少ないことにさみしさやむなしさを感じるかもしれません。
一方男性のほうも、女性が自分を頼ってくれるところにひかれて結婚したはずなのに、結婚後は妻が依存的で子どもっぽく思えて疎ましく思うかもしれません。
また、自分の経済力に人一倍自信を持って結婚した男性が、結婚後は、妻がお金のことを頻繁に口にすることに嫌気がさしたり、仕事がうまくいかない状況でくるしんでいるときに、妻から将来の経済的な不安をぶつけられ、精神的なサポートが得られず追いつめられるかもしれません。
これらはごく一例にすぎませんが、共通しているのはもともと相手の魅力だと思っていた面や二人を結び付けた動機が、結婚後は本人も気づかないうちに不満の種になっているということです。
そして、それはパートナーが以前と変わってしまったというよりも、自分がコイン(パートナー)の表と裏のどちらをみているかという問題なのです。
したがって、二人の葛藤や問題の原因がパートナーにあってパートナーを変えようとエネルギーを注ぐのではなく、自分のパートナーに対する見方や期待を見直し、自分自身のかかわり方を変えることを考えたほうがよいでしょう。
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