令和2年度技術士第一次試験問題[機械部門] 専門科目Ⅲ-30 連続の式から求める y 方向速度成分

著者:副業の宮殿|製造業に携わる現役エンジニア。技術士試験対策書籍をKindleで複数出版。技術ブログ「副業の宮殿」にて製造業DX・AI活用の情報を発信中。

解きます。


目次

条件

2次元非圧縮性流なので連続の式は

ux+vy=0.\frac{\partial u}{\partial x}+\frac{\partial v}{\partial y}=0.

 

与えられた

u=x2+xyu=x^2+xy

について、

ux=2x+y,\frac{\partial u}{\partial x}=2x+y,

 

よって

vy=(2x+y).\frac{\partial v}{\partial y}=-(2x+y).

 

これを

yy

について積分すると、

v=2xy12y2+g(x),v=-2xy-\frac{1}{2}y^2+g(x),

 

ただし

g(x)g(x)

yy

に依存しない任意関数(境界条件で決まる)。

選択肢の中でこの形を満たしているのは

v=2xy12y2v=-2xy-\frac{1}{2}y^2

g(x)=0g(x)=0

の場合)だけ。


答え

参考:連続の式 | 副業の宮殿【PR】

技術士第一次試験-令和2年度機械部門Ⅲ-30解答例 | 技術士のたまご

積分定数はどのように扱われますか?あとxの関数なのですか?

はい。ここで出てきた「積分定数」は偏微分を

yy

についてやったから出てくるもので、

yy

に関して微分すると消える任意の関数なので、厳密には定数ではなく

xx

の関数になります。だから:

vy=(2x+y)v(x,y)=2xy12y2+g(x)\frac{\partial v}{\partial y}=-(2x+y) \quad\Rightarrow\quad v(x,y) = -2xy – \frac{1}{2}y^2 + g(x)

 

のように書き、

g(x)g(x)

が “積分定数” に相当する項(ただし

yy

には依存しないので、

/y\partial/\partial y

すると消える)。

どう扱うか

その関数

g(x)g(x)

を決めるには追加の条件(境界条件・対称性・物理的制約など)が必要です。例:

  • もし「
    y=0y=0
     

    v(x,0)=0v(x,0)=0 

    」という条件があれば:

    v(x,0)=2x01202+g(x)=g(x)=0v(x,0) = -2x\cdot0 – \tfrac12\cdot0^2 + g(x) = g(x) = 0なので

    g(x)=0g(x)=0となり、解は

    v=2xy12y2v=-2xy-\tfrac12y^2

  • あるいは、全体の流れに対して「ある
    xx
     

    に沿っての

    vv 

    の分布」が与えられれば、それを代入して

    g(x)g(x) 

    を求める。

補足:ストリーム関数を使うと構造が見える

非圧縮性2次元流れではストリーム関数

ψ(x,y)\psi(x,y)

が存在して

u=ψy,v=ψx.u = \frac{\partial \psi}{\partial y},\quad v = -\frac{\partial \psi}{\partial x}.

 

与えられた

u=x2+xyu=x^2+xy

から

ψ=udy=x2y+12xy2+f(x),\psi = \int u\,dy = x^2 y + \frac{1}{2}x y^2 + f(x),

 

すると

v=ψx=2xy12y2f(x).v = -\frac{\partial \psi}{\partial x} = -2xy – \frac{1}{2}y^2 – f'(x).

 

よって

g(x)=f(x)g(x) = -f'(x)

という形で前と一致し、任意関数成分の起源が分かります。


まとめ

  • 偏微分を
    yy
     

    で積分したときの「積分定数」は

    yy 

    に依存しない任意関数

    g(x)g(x) 

  • それを決めるには境界条件などの追加情報が必要。
  • ストリーム関数を使うとその任意性が微分の結果として自然に現れる(
    g(x)=f(x)g(x)=-f'(x)
     

    )。

必要なら具体的な境界条件付きの例を一緒に解きますが、どれがよいですか?

連続の式は速度の微分なので、加速度の和が0ということですか?

 

とても良い着眼点です。
結論から言うと:

❌ いいえ。連続の式(∂u/∂x + ∂v/∂y + ∂w/∂z = 0)は、加速度の和が0という意味ではありません。
✅ これは「質量保存(非圧縮性なら体積保存)」を表す式で、速度の発散がゼロという意味です。


🔹 1. 連続の式とは

流体の質量保存を表す基本式です。

一般形は
[
\frac{\partial \rho}{\partial t} + \nabla \cdot (\rho \mathbf{v}) = 0
]
であり、非圧縮性(密度一定)の場合は:
[
\nabla \cdot \mathbf{v} = 0
]
すなわち
[
\frac{\partial u}{\partial x} + \frac{\partial v}{\partial y} + \frac{\partial w}{\partial z} = 0
]

これは「ある微小体積の中に入る流量と出る流量が等しい(質量が増減しない)」ことを意味します。


🔹 2. 「速度の微分」ではあるが「加速度」ではない

  • (\frac{\partial u}{\partial x}), (\frac{\partial v}{\partial y}) は「位置に対する変化率」であり、
    空間的な変化(発散=流れの膨張や収縮)を示しています。
  • 一方、加速度は「時間に対する変化率(運動の変化)」です:

    [
    \mathbf{a} = \frac{D\mathbf{v}}{Dt}
    = \frac{\partial \mathbf{v}}{\partial t} + (\mathbf{v}\cdot\nabla)\mathbf{v}
    ]

したがって、「速度の空間微分=発散(流量の変化)」と
「速度の時間微分=加速度(運動の変化)」はまったく別の概念です。


🔹 3. 直感的な理解

  • 連続の式(発散=0)
    → 空間的に流体が「わき出たり消えたり」していない。
    → 微小体積の質量が一定。
  • 運動方程式(加速度=力/質量)
    → 流体粒子が時間的にどのように加速するか(ニュートンの第2法則)。

つまり、連続の式は流れのつながり(質量保存)を表し、
運動方程式(ナビエ–ストークス式)は流れの変化の原因(力学)を表します。
どちらも速度が関係しますが、導関数の方向(空間 or 時間)が違います。


🔹 4. まとめ

内容 物理的意味
連続の式:(\nabla\cdot\mathbf{v}=0) 速度の空間微分 質量(体積)保存、膨張ゼロ
運動方程式:(\rho \frac{D\mathbf{v}}{Dt} = \text{力}) 速度の時間微分 加速度=力による変化

ご希望があれば、「連続の式と運動方程式の違いを図で示す教材風イラスト(流線と体積の関係)」を作成することもできます。作ってみましょうか?

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