技術士の過去問 令和4年度(2022年) 基礎科目「設計・計画に関するもの」 問1

金属材料の一般的性質に関する次の(A)〜(D)の記述の、(   )に入る語句の組合せとして、適切なものはどれか。

(A)疲労限度線図では、規則的な繰り返し応力における平均応力を( ア )方向に変更すれば、少ない繰り返し回数で疲労破壊する傾向が示されている。
(B)材料に長時間一定荷重を加えるとひずみが時間とともに増加する。これをクリープという。( イ )ではこのクリープが顕著になる傾向がある。
(C)弾性変形下では、縦弾性係数の値が( ウ )と少しの荷重でも変形しやすい。
(D)部材の形状が急に変化する部分では、局所的にvon Mises相当応力(相当応力)が( エ )なる。

1 .ア:引張  イ:材料の温度が高い状態  ウ:小さい  エ:大きく
2 .ア:引張  イ:材料の温度が高い状態  ウ:大きい  エ:小さく
3 .ア:圧縮  イ:材料の温度が高い状態  ウ:小さい  エ:大きく
4 .ア:圧縮  イ:引張強さが大きい材料  ウ:小さい  エ:大きい
5 .ア:引張  イ:引張強さが大きい材料  ウ:小さく  エ:大きく

 

これらの情報を基に選択肢を検討すると、1. ア:引張、イ:材料の温度が高い状態、ウ:小さい、エ:大きくが適切な組み合わせとなります。

 

解説

この問題は金属材料の性質に関する知識を問うものです。

(A)では、疲労限度線図において、平均応力を引張方向に変更すると、疲労破壊が少ない繰り返し回数で起こることを示しています。これは、引張応力が加わると材料の疲労耐性が低下するためです。

(B)では、材料の温度が高い状態でクリープ現象が顕著になることを述べています。高温では材料の内部構造がより動きやすくなり、ひずみが時間とともに増加しやすくなります。

(C)では、縦弾性係数が小さいほど、少しの荷重でも材料が変形しやすいことを説明しています。縦弾性係数が大きい材料はより剛性が高く、変形しにくいです。

(D)では、部材の形状が急に変化する部分で相当応力が大きくなることを指摘しています。これは応力集中と呼ばれ、局所的に応力が高くなる現象です。

これらの記述を踏まえると、適切な組み合わせは「1. ア:引張 イ:材料の温度が高い状態 ウ:小さい エ:大きく」になります。