機械部門1

参照:https://www.engineer.or.jp/c_topics/006/attached/attach_6640_1.pdf

 

キーワード

組み合わせ、すり合わせ

 

組み合わせ、すり合わせ

・モノづくりの考え方には「すり合わせ」と「組み合わせ」がある。欧米は「組み合わせ」が、日本
は「すり合わせ」が得意である。
・「すり合わせ」を基調とした日本のモノづくりの考えは海外の有識者から注目されている。わが国
の持ち味・強みを認識し、活かすことで世界のモノづくりに貢献できる。
・「すり合わせ」は新しいモノづくりの創出に欠かせない。

 

藤本隆宏氏(東京大学ものづくり経営研究センター長)は、「日本のもの造り哲学 1」)の著書の中で、モノづくりの考え方の違いによって、製品やサービスを次の二つに区分している。
①「すり合わせ型」(インテグラル)
②「組み合わせ型」(モジュラー)
この区分は、モノづくりの本質を考える上で画期的で極めて有用な概念である。

藤本氏は同書でこれら二つの区分は米国の経営学者が唱えたものであり、インテグラルについて「すり合わせ」という訳語をつくったと記述されている。

わが国に存在する実体をこれほど的確に表現する言葉はないのではないか。
名訳の域をこえSuriawase という独自の概念で、Kaizen と同様に普及していくと思われる。

ところで、筆者たちは「すり合わせ」について次のように考えている。
大量生産を前提にして言えば、開発や試作段階で最高の機能が発揮できるように協同してつくり上げることである。
生産段階での現場カイゼンも典型的なすり合わせになる。
一方で、「組み合わせ」とは、すでに設計されたものを組みあわせれば比較的容易に生産でき、人の協同作業が不要なものをいう。

 

ますます重要になるヨコのすり合わせ
ヨコのすり合わせに関しては、例えば以下のよ
うなものがある。
特定のテーマを扱う産官学協同活動(前回の
NEDO リチウムイオン電池)、業際活動(異業種
の企業間協同)、同一業界内の協同活動(半導体な
ど)や、企業内での部門横断活動、専門分野(電
気や機械、化学技術者間)の協同活動などがある。
システムや製品の規模が比較的小さく、シンプ

ルな規模であれば、タテのすり合わせ中心で済ん
でいた。しかし現在の技術・製品・サービスはま
すます、複雑化している。タテのすり合わせのみ
ではカバーしきれないほど全体システムが複雑化
してきている。
今後はヨコの連携(すり合わせ)がさらに重要
となる。積極的にヨコのすり合わせに熟達する必
要がある。次項で述べるがインターネット技術の
進展は、このための追い風になるように思う。
インターネット技術の進展で広がるヨコのすり合わせ
インターネット技術が進展し、IoT、ビッグデー
タや AI の活用が重要になってくるのは言うまで
もない。これらは技術進化の自然の成り行きであ
り、それを活用しないと複雑になった製品やシス
テムを使いこなせない。

参照

すり合わせ技術で仕事を進める
インテグラル(摺り合せ)型vsモジュラー(組み合せ)型

 

 

エンジニア歴4年目の技術者が技術士第二次試験(機械部門)を目指そうと思う