モノリスからマイクロサービスへ

従来のモノリシックアーキテクチャは開発初期には有効ですが、規模が大きくなるにつれてデプロイの遅延・技術的負債の蓄積・スケーリングの困難さが課題になります。マイクロサービスはこれらを解決します。

マイクロサービスの特徴

特徴 内容
単一責任 1サービス=1ビジネス機能
独立デプロイ 他サービスに影響なく更新
技術多様性 各サービスで最適な言語・DB
疎結合 APIまたはメッセージキューで通信
故障分離 一部障害が全体に波及しない

サービス間通信パターン

同期通信(REST / gRPC)

User Service → Order Service → Payment Service
  • リアルタイムレスポンスが必要な場合
  • gRPCはREST比で2〜5倍高速

非同期通信(メッセージキュー)

Order Service → [Kafka/RabbitMQ] → Notification Service
                                 → Inventory Service
  • 処理の分離・バッファリングが必要な場合
  • 片方がダウンしても処理を継続できる

設計パターン

API Gateway

クライアント → [API Gateway] → User Service
                            → Product Service
                            → Order Service

認証・レート制限・ルーティングを一元管理します。

Circuit Breaker

依存サービスの障害が連鎖しないよう、一定回数エラーが続くと自動的に切り替える安全弁パターン。

Saga Pattern

複数サービスにまたがるトランザクションを補償トランザクション(ロールバック処理)で整合性を保つパターン。

移行のアドバイス

マイクロサービスはシンプルではありません。ネットワーク遅延・分散トレーシング・デプロイ複雑性など課題も多いです。

Strangler Fig Pattern:既存モノリスの機能を少しずつAPIに切り出す段階的移行が現実的です。

まず「本当にマイクロサービスが必要か?」を問うことが大切です。中規模以下ならモジュラーモノリスで十分な場合もあります。