ファナックのオープン化に関する総合調査

1. はじめに

ファナックは工場自動化装置のトップメーカーとして、産業用ロボットに独自のコントローラとソフトウェアを提供してきました。近年は「オープン化」を掲げ、従来の閉じた制御環境に加えてオープンソースや標準規格を積極的に取り込んでいます。本報告ではファナックのオープンプラットフォーム戦略の背景、主な技術要素、デジタルツインや物理AIへの展開、FIELDシステムによるエコシステム形成、その他のオープン機能をまとめます。

2. オープンプラットフォームの柱

ファナックは「オープンプラットフォーム」を支える三つの柱として、1) ROS 2対応、2) Python対応、3) 高速通信(Stream Motion/ソフトPLC)を挙げています

2.1 ROS 2対応

  • 公式ROS 2ドライバの公開 – ファナックは産業用ロボットをROS 2から制御するためのドライバをGitHubで公開しています。このドライバは1 ms周期の超高速通信に対応し、協働ロボット(CRXシリーズ)から最大2.3 t可搬の大型ロボットまで幅広い機種を制御できます。開発者はROS 2のモジュール(MoveIt 2、センサ、AIアルゴリズムなど)と組み合わせてリアルタイム制御を行えるため、開発期間の短縮と柔軟なシステム構築が可能です。

  • オープンソースとライセンス – ドライバはApache 2.0ライセンスで公開され、誰でもダウンロード・改良できます。海外の記事でもファナックがROS 2ドライバをオープンソースとして公開し、Pythonサポートとともに物理AIの導入を加速させていると紹介されています

  • 広い機種対応 – ドライバは3 kg可搬から2.3 tまでのロボットに対応し、これにより研究用途だけでなく実工場でもAI制御が容易になっています

2.2 Python対応

  • コントローラ上でPythonを直接実行 – 新型R‑50iAコントローラはPythonスクリプトをPCなしで実行できる内蔵インタプリタを備えており、ファイル入出力や通信・数値計算などをPythonで記述できます。Pythonスクリプトはロボットプログラム(TPやKAREL)から呼び出すこともできるため、従来の制御とオープンなプログラミングを柔軟に併用できます。

  • 開発環境と専用ライブラリ – Visual Studio Codeを用いたリモートデバッグに対応し、ファナックが提供する専用Pythonライブラリにより、I/O信号やレジスタ値の取得、ロボット位置やアラーム履歴の読み出し、軌道命令の送信などが可能です。このライブラリにより、画像処理や機械学習などPythonの豊富なオープンソース資産を活用できます。

2.3 高速通信・Stream MotionとソフトPLC

  • Stream Motion – ファナックは1 ms周期でロボットへ位置指令を送る高速通信機能(Stream Motion)を開発し、外部AIがリアルタイムでロボットの軌道を計算・修正することを可能にしました。例えばケーブルの張力を感じながら経路を最適化するなど、高度な知覚制御に用いられます

  • ソフトPLC機能 – R‑50iAコントローラにはソフトPLC(CODESYS準拠)がオプションで搭載可能で、IEC 61131‑3に準拠したラダーやST言語で周辺装置のI/O制御を行えます。ソフトPLCはロボットのレジスタを参照してカスタムアラームを出すこともでき、ドラッグ&ドロップで操作パネルを作成しWebブラウザに表示できます

  • Remote Motion Interface(RMI) – 従来のコントローラ向けにはTCP/IPソケット経由でロボット指令を送る「Remote Motion Interface」もありましたが、最大8命令のバッファや40 ms未満の指令を受け付けない等の制約があり、高速なリアルタイム制御には向かないことがマニュアルに明記されています。R‑50iAのStream Motionはこれを大幅に進化させたものと言えます。

3. デジタルツインと物理AIの展開

ファナックは米NVIDIAと協力し、デジタルツインと物理AIを推進しています。2025年12月の発表では、ファナックのロボットがNVIDIA Isaac Sim用のOpenUSD資産として提供され、仮想工場でロボットを配置・シミュレーションしAIデータを生成できることが示されました。公式発表や自動化関連のニュースでは、この取り組みが物理AIの実装や開発者コミュニティの拡大に寄与すると評価されています

2025年国際ロボット展(IREX 2025)では、ファナックとNVIDIAの共同ブースでAIによる自律ピッキングやインテリジェントアームのデモが行われ、高速通信やROS 2/Python対応のオープンプラットフォームが来場者の注目を集めました。ファナックの2025年度第3四半期決算報告書でも、オープンプラットフォームを体験した企業から「ファナックが開かれたメーカーに変貌した」と評価され、ROS 2や1 ms通信が新規受注のドライバーになっていると報告されています。IREX終了後、CRXロボットの受注が1000台以上増えたことも明記されています

4. FIELDシステム:エコシステム形成

FIELD System(FANUC Intelligent Edge Link and Drive)は工場全体のIoTプラットフォームであり、「オープンAPI」を備えたアプリストアモデルが特徴です。パートナー企業が独自のアプリやコンバータを開発し、設備メーカーや世代を問わずデバイスをつなぐことができます。次のような特徴があります:

  • サードパーティアプリとコンバータ – 多くのパートナーが分析・保全・品質管理などのアプリを開発し、ユーザーはスマホのアプリストアのように選んで利用できます。2021年の自動化フェア記事では、FIELDシステムのアプリの多くがパートナーによって開発されていると紹介され、エッジで収集したデータを解析して工程全体を最適化できると評価されています

  • 異なるメーカー・世代間の接続 – FIELDシステムは様々な世代やメーカーの機器を接続し、データ共有や協調動作を実現します。同システムがエッジコンピューティングにより設備近傍でデータ処理し、AI学習や予知保全を実行する点も強調されています

  • オープンなSDKとAPI – システムにはソフトウェア開発キット(SDK)が提供され、誰でもアプリやコンバータを開発・販売できます。これによりファナックはロボットメーカーからプラットフォーム事業者へと進化し、パートナーによるエコシステム拡大を図っています。

FIELDシステムはロボット以外の工作機械や測定機とも連携し、予知保全や工程最適化の支援をするため、工場全体のスマート化に寄与します。なお、最新の基本パッケージではデータ収集・表示の機能が強化されているものの、オープンAPIやアプリストアの概念は以前から継続しているとみられます。

5. その他のオープン化施策

  • OPC UA対応 – ファナックは産業用ロボットにOPC UA通信を標準搭載し、ロボットの位置やプログラム状態・アラーム等をネットワーク経由で取得できるようにしました。これはIoT可視化や異機種連携に役立ちます。包装機OEM向けの記事でもOPC UAによりサーバと通信し、バーコード情報を基にピッキング指示を出すデモが紹介されています

  • エネルギー効率と遠隔保守 – R‑50iAコントローラは高効率の電源やスマートフォンによる遠隔メンテナンスを備え、サイバーセキュリティ機能も強化されています。オープンプラットフォームと同時に、こうした基本性能を高めることで導入障壁を低減しています。

  • オープンアーキテクチャの歴史 – ファナックは1990年代からCNC装置にPC接続機能を提供し、EthernetやHSSB経由でデータを取得・書き換えるオープンアーキテクチャ技術を展開してきました。現在のオープンプラットフォームは、この歴史の延長上でAI時代に合わせて進化したものです。

6. オープン化の意義と展望

ファナックのオープン化は、以下の点で大きな意義を持つと考えられます。

  1. AI活用の敷居を下げる – ROS 2ドライバ公開やPython対応により、大学やスタートアップの研究成果をそのまま産業用ロボットに適用できるようになりました。多くの若手エンジニアが慣れ親しんだ言語やフレームワークで開発できるため、AIロボティクスの普及が加速すると期待されています

  2. デジタルツインの実現 – NVIDIAとの提携により、高精度なデジタルツイン上でロボットの挙動を学習・検証し、その結果を実機に反映するループが確立しました。これにより開発期間の短縮や品質向上が見込まれます。

  3. エコシステムの拡大 – FIELDシステムはサードパーティに開かれたアプリ市場を構築し、ロボット以外の装置やセンサとも連携できる基盤を提供しています。ファナックはプラットフォーム提供者として、ロボット以外の分野でも価値を創出することを目指しています。

  4. 顧客の評価と業績への影響 – IREX 2025での反応や決算報告書の記述によると、オープンプラットフォームは顧客から高く評価され、CRXシリーズの受注増加など具体的な成果を生んでいます。オープン化により、「クローズドなメーカー」という従来のイメージを刷新したことが示されています。

7. まとめ

ファナックのオープン化は、ROS 2とPythonを軸に高速通信・ソフトPLCを組み合わせ、デジタルツインやエコシステム形成を支える包括的な戦略です。オープンソースや標準規格を取り入れることでAI・IoT時代の要求に応え、大学やベンチャーも参加できる開かれたロボット開発環境を実現しました。一方で、旧来のRMIのようにリアルタイム性に制約のあるインタフェースも存在し、今後はさらなる高速・安全な通信と開発環境の整備が求められます。オープンプラットフォームがどの程度業界標準となり得るか、第三者アプリケーションの成功事例がどれだけ増えるかが、今後の成否を左右するでしょう。

他社のオープンなロボット/工作機械環境の調査

1. はじめに

ファナックがROS 2ドライバやPython環境を公開し、産業用ロボットのオープン化を進めているのに続き、他社でも同様の動きが加速している。本レポートでは、主要ロボットメーカー・機械メーカーが提供しているオープンな環境(主にROS 2ドライバや標準通信規格)について、2025〜2026年時点の情報をまとめる。

2. ROS 2に対応した主要ロボットメーカーの動向

メーカー オープン環境の概要 特徴と引用
ヤスカワ電機 (Yaskawa) MotoROS2:ヤスカワロボットをROS 2から制御する公式インターフェース。最大8個のモーショングループ(ロボットや外部軸)に対応し、計画済み軌道の実行やオンザフライ軌道生成、ロボットのステータス取得、I/Oの読み書き、エラーのリセットが可能。マイクロROSを介してロボットコントローラとROS 2をつなぎ、GitHubでソースを公開している。 MotoROS2は、パスプランナーやカメラ、AI、デバッグツールと統合できる。ドライバはROS 2アプリケーション側からヤスカワロボットの軌道を生成/実行できる環境を提供しており、Yaskawaが社内サポートを行っている。
ABB ABB ROS 2ドライバ:PickNik RoboticsとOptimaxが開発したオープンソースドライバ。ABB IRB 1200‑5/0.9などのマニピュレータで動作し、ROS 2のros2_controlを用いたシミュレーションモードとRobotStudioと通信するモードを提供 ROS 1版と比べ、セキュリティやミドルウェア構成の柔軟性が向上し、必要なパッケージやドキュメントが単一リポジトリにまとめられている
Universal Robots (UR) UR ROS 2ドライバ:UR社・PickNik・FZIの共同開発による公式ドライバ。可搬質量3 kg〜16 kgの全機種(CB3シリーズとE‑Series)に対応し、安全停止時の一時停止/再開や自動速度スケーリングなどの機能を備える ドライバはrosdepバイナリとして提供され、緊急停止後の再開や手動速度調整が可能
KUKA kuka_drivers:KUKAの全OSに対応したROS 2ドライバ群(Apache 2.0ライセンス)。FRI、RSI、iiQKa EACなど複数の制御インターフェースを含み、リアルタイム通信が必要とされる リポジトリには制御モードハンドラやMoveIt例などが含まれ、Ubuntu 22.04とリアルタイムカーネルでの利用が推奨されている
川崎重工 (Kawasaki) khi_ros2:川崎ロボット向けROS 2ドライバ。RS007LやduAro2など複数機種に対応し、real‑timeカーネルを使用するUbuntu PC経由でコントローラと通信する。パッケージにはハードウェア接続用launchファイル、Gazeboシミュレータ、MoveIt設定が含まれる READMEには対応コントローラや要求環境、複数プロセス接続不可などの注意点が記されている
三菱電機 (Mitsubishi) MELFA ROS 2 Driver:ROS‑Industrial APと三菱電機が共同開発したドライバ。MELFA ロボットのモーション制御、状態監視、デジタル/アナログI/O操作をROS 2制御フレームワークで提供し、MoveIt 2との連携やカスタムノード開発を容易にする。CC‑Link、PROFINET、EtherCATなどの産業ネットワーク経由で他の三菱製品と連携できる。初回リリースでは9機種をサポートし、今後20機種以上への拡大を予定している MELFA ROS 2 Driverはモジュール構成で、将来的にロボット以外のPLCやサーボドライブとも連携可能
スタートアップ・コミュニティ StaubliのCS9コントローラ向けにコミュニティ開発のROS 2ドライバがGitHub上で公開されており(Apache 2.0ライセンス)、試験的ながら利用可能 ドライバはまだ安定版ではなく、利用には注意が必要。

傾向

多くの主要ロボットメーカーが、従来の独自APIに加えてROS 2ドライバを提供し始めている。ドライバには以下の共通点がある:

  • オープンソース/無料公開が多い(Apache 2.0やMITライセンス)。

  • 軌道実行やI/O制御に加え、状態監視やエラーリセット機能を備える。

  • MoveIt 2やGazeboと連携し、仮想環境と実機を同一コードで扱える。

  • リアルタイム通信の要求(リアルタイムカーネルや高速ネットワーク)が明示されることが多い。

3. 機械・設備のデータ連携規格

産業用ロボット以外でも、オープンなデータ連携規格が広がっている。特に機械加工領域では、設備から標準フォーマットでデータを取得することが重要である。

3.1 MTConnect

  • MTConnectは工場設備データの標準化を目的としたオープン・プロトコルであり、制御装置のデータをXML形式でHTTP経由に公開する。制御機器への書き込みは行わず、読み出し専用である

  • メーカーに依存しない実装が可能で、EDM加工機・マシニングセンタなど複数メーカーに採用されている

  • 2013年頃から多くの機械で利用可能となり、機械状態や部品数、エラーメッセージなど幅広いデータをリアルタイムに提供する。MTConnectデータは構造化されているため、解析や他システムとの統合が容易である

3.2 OPC UA

  • OPC UA (Open Platform Communications Unified Architecture) は産業機器向けのオープン通信規格で、セキュアな双方向通信を提供する。ロボットやCNC制御装置の多くがOPC UAサーバを搭載し、上位システムからの状態監視や設定変更を可能にしている。

  • FANUCを含む主要ロボット/工作機械メーカーはOPC UAコンパニオン規格に対応しており、プロセスデータの標準化や他メーカー機器との相互運用性向上を目指している。

4. まとめと考察

  • 主要ロボットメーカーがROS 2ドライバを公開しており、ヤスカワのMotoROS2やABB・Universal Robots・KUKA・川崎重工・三菱電機などがオープンな制御環境を提供している。これらのドライバは軌道制御・状態監視・I/O操作をサポートし、MoveIt 2やGazeboとの統合を前提にしている

  • リアルタイム性能や安全性の確保が重要であり、多くのドライバはリアルタイムカーネルや専用ハードウェアを要求している

  • MELFA ROS 2ドライバのように産業ネットワークと連携する事例もあり、PLCやサーボドライブ等の他機器と統合した制御が可能

  • 機械データの標準化ではMTConnectやOPC UAが広く採用されており、メーカーを問わず設備データを可視化・分析する基盤となっている。MTConnectは読み出し専用で軽量、OPC UAは双方向通信に対応するなど特徴が異なる。

総じて、FANUCに限らず多くのロボット・機械メーカーがオープンな制御・通信環境を提供し始めており、研究開発やAI統合の障壁が着実に低下している。一方で、各社のドライバの成熟度やサポート範囲には差があるため、用途に応じて適切な選択が必要である。

ファナックのオープン化というニュースに関連する、研究分野の論文を教えてください。

以下は、「FANUCのオープン化(ROS 2ドライバ公開/エッジ連携FIELD/工場データ標準化)」に直接つながる研究分野の論文・技術発表を、テーマ別にまとめたものです。 (※“FANUCそのもの”を扱う研究はまだ多くない一方で、**FANUCが採っている設計思想(ROS 2制御・エッジAI・標準プロトコル)**に直結する論文は豊富です。)

1) FANUC × ROS 2(ROS 2ドライバ/ros2_control/産業ロボット制御)

● FANUC CRX を ROS 2 control に統合した研究(Hardware Interface)

  • “Design and Evaluation of a Fanuc CRX Hardware Interface in ROS2”(arXiv / ResearchGateで流通) FANUCの協働ロボット(CRX系)を ros2_control のHWインタフェースとして統合し、MoveIt2連携や性能評価まで扱っています。あなたが「FANUC環境にROS2+Python資産を移植できるか」を考えるときの、最も直球の学術側資料です。(arXiv)

● ROSCon での “FANUC ROS 2 Driver” 技術発表

  • “A New ROS 2 Driver for FANUC Robots Utilizing Ethernet/IP” (ROSCon 2023 talk slides) FANUCロボットをROS 2から扱うためのドライバ開発(EtherNet/IPなど)を解説した発表資料です。論文ではなくカンファレンス発表ですが、産業ロボットをROS 2で“実機につなぐ”設計論がまとまっています。(roscon.ros.org)

● 公式ドキュメント(研究の“再現実装”の根拠になる)

  • FANUC ROS 2 Driver Documentation(Quick Start) 学術論文ではないですが、研究論文で「実装根拠」として引用しやすい一次情報です(ros2_control の高帯域ストリーミング、実機/仮想対応など)。(fanuc-corporation.github.io)

2) ROS-Industrial(産業ロボットをROSで“開く”研究潮流の本流)

● ROS-Industrial の代表的な出版物リスト(起点)

  • ROS-Industrial Publications / “ROS-Industrial — Applying the Robot Operating System (ROS) to Industrial Applications.” 産業分野にROSを持ち込む流れ(研究→実装→標準化)の起点を押さえるのに便利です。FANUCだけでなく、Yaskawa、UR、KUKAなどが「なぜROS2へ寄っているか」を説明する背景引用に使えます。(ROS-Industrial)

3) 他社を含む「オープン化」:産業ロボット×ROS制御の研究

● Yaskawa(ROSベース制御の課題と改良)

  • Baklouti et al., “On the Improvement of ROS-Based Control for Teleoperated Yaskawa Robots” (Applied Sciences, 2021) “標準のROSドライバだと遅延・追従誤差が大きい”という課題に対し、速度制御モードを追加して改善する研究です。 「オープン化=ROS化」したときに何がボトルネックになるかがわかります(あなたの“頑健性/State Monitor”の議論にも接続しやすい)。(MDPI)

● Yaskawa MotoROS2(実装はOSS、研究のベースになる)

  • MotoROS2(公式GitHub) これも論文ではありませんが、産業ロボットをROS2で動かす代表例の一次情報です。実験再現・比較対象に使えます。(GitHub)

4) FANUC FIELD system(エッジAI/予防保全/工場データ基盤)の研究領域

● FIELD system × エッジコンピューティング(日本語の技術論文的資料)

  • NTT技術ジャーナル:FIELD system とエッジコンピューティングの協業紹介(2017年頃のPDF) FIELD system が目指す「止まらないスマート工場」(工場内エッジで稼働解析→予防保全→ダウンタイム最小化)という文脈を、技術的に説明しています。研究の“背景・動機”に使いやすいです。(NTT技術ジャーナル)

● FIELD system(EdgeでML/DLを回す)— 産業イベント資料

  • FANUC America: IMTS 2016 “FIELD system allows ZDT / ML at the Edge …” こちらも学術論文ではないですが、FIELDの思想(エッジで大量データ処理、クラウド連携、ZDTや機械学習適用)を一次情報として引用できます。(fanucamerica)
研究としては、「エッジAIによる設備保全」「工場内データスペース」「製造プラットフォームのエコシステム設計」あたりがFIELDに直結します。ResearchGate等に“FIELD system”図や事例が散在しますが、査読論文としては周辺分野(エッジAI/製造プラットフォーム研究)から押さえるのが堅いです。(ResearchGate)

5) 工作機械(ROBODRILLを含む)側のオープン化:OPC UA / MTConnect で「状態を開く」研究

FANUCの工作機械(CNC)は、ロボットのようにROS2で“動作を開く”よりも、**OPC UA/MTConnect等で“状態を開く”**方向が主流です。ここが、あなたの「State Monitor」に直結します。

● CNC機の統合監視をOPC UAで設計した研究(2023)

  • Martins et al., “CNC Machines Integration in Smart Factories using OPC UA” (2023) CNC機の監視ソリューション構築をOPC UAで標準化し、工場システム統合する方法論を示します。 「ROS2で状態監視ノードを作る」研究のデータ取得側の根拠になります。(サイエンスダイレクト)

● CNC×OPC UA:同期データ収集を評価した研究(2023)

  • “An analysis of OPC UA communication with CNC turning machines: emphasis on synchronized data acquisition” (2023) CNCからのOPC UA収集で「同期性」を評価するタイプの研究で、状態監視の精度・再現性を議論するときに効きます。(ResearchGate)

研究テーマとしての“つなぎ方”(あなたの文脈:HOLD/JUMP/State Monitor)

上の文献群を、あなたのストーリーに接続するなら:
  • ロボット側(FANUC ROS2 Driver / ros2_control) → “外部で判断し、実機は安全に実行”の枠組み(CRXのROS2統合研究が強い)(arXiv)
  • 工場側(FIELD / Edge AI) → “止めないための状態監視・予防保全”という産業目的(State Monitorの価値説明に使える)(NTT技術ジャーナル)
  • 工作機械側(OPC UA) → “動作は閉じたまま、状態を開く”標準化(ROBODRILL版State Monitorの根拠)(サイエンスダイレクト)

次にやると強い(こちらで作れます)

  1. 上記文献を使って、Related Work(ロボットROS2化/工場エッジAI/CNC状態監視)を1〜2ページで整理
  2. あなたの用語(HOLD/JUMP/hold_window_fail)を、CNC側(負荷・振動・アラーム・ブロック進行)に対応付けた表を作る
  3. “FANUCのオープン化”を導入に置いた 論文イントロ草案(そのまま貼れる)
やるなら、まず ロボット寄り(ROS2制御)工作機械寄り(状態監視) のどちらを主軸にしますか?

オープンに動かせるファナックの機器は何がありますか?ロボットハンドですか?

結論から言うと、 「オープンに“動かせる”対象の中心はロボット本体(アーム)であって、ロボットハンドそのものではありません」。 ただし ハンドも“オープン化された制御系の一部として扱える”、というのが現在のファナックの立ち位置です。 以下、整理して説明します。

1️⃣ オープンに動かせる主対象は何か?

✅ 中心:FANUC ロボット本体(アーム)

ファナックの「オープン化」は、まず
  • ロボットアームの動作生成・制御を外部ソフトウェアから扱える
  • しかも 産業用として安全・精度を保ったまま
という点にあります。 代表的にオープンに扱えるもの:
レイヤ 具体例 オープン度
動作指令 ROS 2 Driver / Remote Motion Interface
状態取得 位置・速度・IO・エラー
計画生成 MoveIt 2 / 外部AI
制御周期 1ms級ストリーミング 非常に高
👉 「ロボット本体を“外部PCが考え、FANUCが実行する”」構造が可能

2️⃣ ロボットハンドはオープンに動かせるのか?

🔹 結論:ハンド自体は“FANUC製でなくてもよい”

ファナックは 「ハンドはオープンに選べ」 という思想です。

つまり:

  • FANUC純正ハンド → 必須ではない
  • 市販ハンド(SCHUNK / Robotiq / OnRobot など) → OK
  • 自作ハンド → OK
理由は👇

3️⃣ ハンドはどうやって制御する?

(A) ロボットIO経由(最も一般的)

  • デジタルIO
  • アナログIO
  • フィールドバス(PROFINET / EtherNet/IP)
ROS → ロボット → DO ON → ハンド閉
👉 ハンドは「外部アクチュエータ」扱い

(B) ROSノードとして直接制御

最近の主流:
  • ハンド用ROSドライバ
  • ロボットアームとは論理的に独立
ROS
 ├─ fanuc_arm_controller
 └─ gripper_controller
👉 完全にオープン 👉 ハンド制御ロジックは自分で書ける

(C) 力覚・視覚と組み合わせた高度制御

  • 力センサ(ATI など)
  • カメラ(RealSense / ZED)
画像 → 把持点推定 → 軌道生成 → FANUC実行
このとき重要なのは ハンドではなく「アームを外部が支配できる」こと

4️⃣ オープンに動かせるFANUC機器一覧(整理)

🟢 非常にオープン

  • 産業用ロボットアーム
    • CRXシリーズ(協働)
    • 小型〜大型産業ロボット
  • ROS 2 Driver
  • Remote Motion Interface
  • 状態フィードバック(Joint / TCP / IO)

🟡 条件付きでオープン

  • ハンド(メーカー自由)
  • 外部センサ(自由)
  • PLC連携(PROFINET / EtherNet/IP)
  • OPC UA 経由データ

🔴 基本的にクローズ

  • 内部サーボ制御
  • 安全ロジックのコア
  • 教示ペンダント内部処理
👉 「安全とサーボは守るが、それ以外は開く」

5️⃣ なぜ「ハンドをオープンにしない」のか?

これは戦略的に合理的です。
  • ハンドは用途依存が激しい
  • 技術進化が速い
  • 標準化しづらい
そのためファナックは:
アーム=堅牢・高精度・長寿命 ハンド=ユーザーが自由に交換
という役割分担を取っています。

6️⃣ あなたの研究・用途視点で言うと(重要)

あなたがやっている 「外部知能が状態を見て、ロボットを動かす」 (VPR / 状態監視 / Teach & Repeat 的思想)から見ると、
  • FANUCのオープン化は 👉 完全に「アーム=実行機」「知能=外部」思想
  • ハンドは 👉 単なるI/O付き末端装置
という整理が一番しっくり来ます。

7️⃣ まとめ(短く)

  • ❌ オープンなのは「ロボットハンド」ではない
  • ✅ オープンなのは「ロボットアームの動かし方」
  • ✅ ハンドは自由に選び、自由に制御できる
  • ✅ FANUCは「安全な実行基盤」を提供する立場

工作機会もありますか?

はい、あります。 ただし ロボットより“オープン度の設計思想が違う” ので、そこを分けて理解するのが重要です。

結論(先に要点)

  • FANUC の工作機械は存在する
  • CNC(制御装置)はかなりオープン
  • ⚠️ 「刃物をどう動かすか」を外部が直接リアルタイム支配することは不可
  • ❌ ロボットのように「ROSから軌道を逐次送る」使い方はできない

FANUCの工作機械ラインナップ

主な工作機械系

区分 製品 備考
マシニングセンタ ROBODRILL 小型・高速
放電加工機 ROBOCUT ワイヤ放電
射出成形機 ROBOSHOT 成形用途
制御装置 FANUC CNC 心臓部
👉 オープン化の主戦場は「CNC」 です。

何が「オープン」なのか(工作機械編)

① データ・状態取得(かなりオープン)

  • 加工位置
  • 主軸回転数
  • 負荷・トルク
  • アラーム
  • プログラム状態
手段:
  • OPC UA
  • Ethernet / API
  • FIELD system
👉 状態監視・品質監視・異常検知は非常にやりやすい

② NCプログラム操作(条件付きでオープン)

  • NCプログラムの
    • 転送
    • 書き換え
    • 実行制御
  • マクロ変数の Read / Write
👉 「加工戦略を外部で考えて、NCとして流し込む」 は可能。

③ 加工条件の外部最適化(実務で有用)

  • 切削条件のAI最適化
  • 工具摩耗予測
  • 加工ログからのフィードバック
外部AI → 条件最適化 → NC更新 → FANUCが安全実行
👉 ここは完全にオープン思想

何が「できない」のか(重要)

❌ ロボット的な使い方は不可

ロボット 工作機械
外部から毎msで軌道指令
ROSで直接位置制御
実行中に自由な動作変更
理由:
  • 切削は 力・熱・工具破損リスク が高い
  • 安全性・加工精度を最優先
👉 サーボループは完全クローズ

ロボットと工作機械の「オープン化の違い」

観点 ロボット 工作機械
動作生成 外部OK 内部限定
状態取得
AI連携
安全責任 FANUC FANUC
自由度

研究・思想的に見ると(あなた向けの視点)

あなたがやっている 「状態を見て判断する」 という研究思想から見ると:
  • FANUCロボット 👉 行動生成も外部OK
  • FANUC工作機械 👉 状態監視・判断は外部、実行は内部
つまり:
VPR as State Monitor の思想は、 実は工作機械の方が“産業的に王道”
です。

まとめ(短く)

  • ✅ FANUCには工作機械がある
  • ✅ CNCはかなりオープン
  • ❌ 切削動作そのものは外部制御不可
  • ✅ 状態監視・AI最適化・異常検知は非常に相性が良い

次に整理すると面白いテーマとしては:
  • 工作機械版「VPR / State Monitor」
  • ROBODRILL × AIでできる研究ネタ
  • ロボット+工作機械のハイブリッド自律化
どこを深掘りしますか?

ROBODRILL はどこまでいじれますか?

結論から言うと、 ROBODRILL は「実行系は触れないが、判断系・観測系・戦略系はかなり深くいじれる」 という立ち位置です。 あなたの研究(State Monitor / HOLD・JUMP)視点で言えば、 👉 「一番おいしい部分は全部触れる」 と言ってよいです。

1️⃣ まず全体像(重要)

ROBODRILLをレイヤで分解します。
┌──────────────────────────┐
│ 加工戦略・判断(AI)        ← ◎ いじれる
├──────────────────────────┤
│ 加工条件・NC構造            ← ○ いじれる
├──────────────────────────┤
│ NC実行(補間・サーボ)      ← ✕ 触れない
├──────────────────────────┤
│ サーボ制御・安全系          ← ✕ 完全クローズ
└──────────────────────────┘

2️⃣ どこまで「いじれる」か(具体)

✅ A. 状態取得(かなり深い)

取得できる代表例

  • 主軸回転数・負荷
  • 各軸サーボ電流
  • 加工送り速度
  • アラーム/警告
  • NCブロック番号
  • 実行中プログラム状態

方法

  • マクロ変数
  • Ethernet通信
  • OPC UA
  • FIELD system 経由
👉 State Monitor には十分すぎる情報量

✅ B. NCプログラム構造(かなり自由)

できること

  • NCプログラムの
    • 外部生成
    • 外部書き換え
    • 自動選択
  • マクロ分岐
  • 条件付き加工
IF [#500 GT #501] THEN
  GOTO 9000
ENDIF
👉 「状態に応じて加工戦略を切り替える」 は普通に可能。

✅ C. 加工条件の外部最適化(研究向き)

  • 切削条件(F, S, DOC)
  • 工具番号選択
  • 加工順序
AI → 最適条件計算 → NC再生成 → 実行
👉 実行中リアルタイム制御は不可だが、 「加工単位」での適応は可能

✅ D. 異常検知 → 中断判断(重要)

ROBODRILLは:
  • 外部から
    • Feed Hold
    • Cycle Stop
    • プログラム切替 が可能
👉 「壊れる前に止める」AIは実装できる

3️⃣ 触れない部分(はっきり線引き)

❌ A. 補間・サーボループ

  • 1ms単位の位置指令
  • 力制御
  • トルク直接制御
👉 ここは FANUC の聖域

❌ B. 実行中NCの自由変更

  • 実行中のG01/G02を外部から変更
  • 実行中に軌道を差し替え
👉 ロボットとの最大の違い

4️⃣ ロボットとROBODRILLの違い(超重要)

観点 FANUCロボット ROBODRILL
軌道生成 外部OK 内部限定
状態取得
異常判断 外部OK 外部OK
中断
再計画 △(工程単位)
👉 ROBODRILLは「実行エンジン」 ロボットは「外部知能に従う身体」

5️⃣ あなたの研究との相性(本質)

あなたの HOLD / JUMP / hold_window_fail は、
  • 実行を直接いじる必要がない
  • 進行の整合性を監視する
👉 ROBODRILLは理想的な対象 特に:
「NCは進んでいるが、加工は進んでいない」
という 形式進行 vs 物理進行の乖離 は ROBODRILLで最も説得力が出ます。

6️⃣ 研究的に「ここまでやると強い」境界線

✔ やるべき

  • Teach加工ログ → 状態クラスタ化
  • Repeat加工 → 類似度評価
  • HOLD/JUMP検出 → Feed Hold判断

✘ やらない(やれない)

  • サーボ制御再設計
  • 力制御アルゴリズム置換

7️⃣ まとめ(短く)

  • ROBODRILLは 「動かし方」はいじれない
  • しかし 「動いている“意味”」は深くいじれる
  • State Monitor研究には 最適
  • ロボット研究との思想的一貫性がある
 

可搬質量3キロの小型ロボットの値段は?

  「可搬質量 3 kg 前後の小型ロボットアーム」の価格感は、用途やブランドによって大きく変わります。以下に代表的なレンジを示します👇

小型産業ロボットアーム NACHI MZ04‑01

¥2,062,851

4軸多関節協働ロボットアーム MG400

¥482,680

RORZE 搬送ロボット

¥460,350

Elephant Robotics myCobot 320 M5

¥371,631

📌 工業向けの本格6軸ロボット(3 kg前後)

🛠 協働ロボット/軽量産業系


📌 産業ロボット(FANUC等)の価格感

  • FANUCなど大手産業用ロボットの 可搬質量3 kgクラス(例:SCARAや小型ハンドリング) は、 本体+コントローラ込みで数百万円〜数千万円 の世界になることが多いです(諸条件・導入形態により変動)。 協働ロボットでも ¥1,000,000〜¥6,000,000 くらい を目安に考える必要があります。
👉 一般的な目安として:
種類 価格帯(参考)
中華系/エントリーロボットアーム 数万円〜十数万円
協働ロボット(教育・業務用軽量) 約 ¥30〜¥150 万
本格産業ロボット(FANUC 等) 約 ¥200〜¥600 万以上
※ 最終的な価格は仕様(コントローラ、ケーブル、エンドエフェクタ、導入サポート)により増減します。

📌 どの価格を基準にするべき?

あなたの研究用途としては: ✔ 研究・プロトタイプ → 比較的安価な協働ロボット(上記のような ¥30〜¥150 万クラス) ✔ 産業実装に近い → FANUC 等の本格機(¥200 万以上) という区別で考えると予算計画が立てやすいです。 (学術研究の場合、計測機器や安全柵・教示ペンダントなども必要になります)
必要であれば、 📌 可搬質量3 kg ロボットアームの おすすめモデル比較(精度・可動域・コントローラ) 📌 FANUC CRX-3iA や他社協働機の 国内販売価格の最新見積もり なども調べてまとめられます。 希望しますか?  

ファナックのロボットと同じような環境で研究ができる安価なロボットはどれですか?

  以下は、ファナックのロボットのような「研究・制御開発を学べる」環境に近い、比較的安価で入手しやすいロボットアームの選択肢です。 (※産業用ロボットと同等の精度・性能・安全性はありませんが、ROS/プログラミングや動作制御の学習、自律制御・AI実験のベースとして有用なものを中心にしました)

mechArm 270 Pi

¥154,220

KXR-A3S 3軸アームキット

¥18,480

High-Torque 5‑DOF ロボットアームキット

¥65,100

Yahboom 6DOF ロボットアーム

¥42,300

5‑DOF Robotic Arm

¥30,668

エレキット MR‑9105 ロボットアームキット

¥4,740

🎓 初めてのロボット制御・研究向け(基礎学習)


🧠 研究用途の観点での分類

✔ 学習・制御開発の入り口

  • mechArm 270 Pi / 5-DOF / KXR-A3S → プログラミングで関節制御を行い、運動学・逆運動学などの学習に最適。

✔ 中〜上級の制御・AI実験ベース

  • Yahboom 6DOF ロボットアーム → 複数自由度があり、MoveIt! や ROS と組み合わせた実験が可能(ただし制御精度とインターフェース制限あり)。

✔ 物理理解・機構学習用

  • High-Torque 5-DOF / MR-9105 → キットとして組んで物理制御の理解を深められる。 → ROS マッピングや外部センサ統合にも挑戦可能。

📌 産業ロボットとの違い

これらの安価モデルは: ✔ プログラミング制御基礎の学習 ✔ サーボや自由度についての制御理解 ✔ ROSとの統合実験(モデルによる) ✔ 仮想環境(シミュレーション)との連携 には向いていますが、 ❌ FANUCのようなリアルタイム・精密軌道制御 ❌ 高負荷・実践的ワークピース操作 ❌ 安全基準に準拠した産業用導入 といった点は狙えません。 産業用に近い研究をする場合は、**協働ロボット(可搬質量3 kg 前後)**が現実的ですが、これは一般に **数十万円〜百万円台前半〜**の価格帯になります。例えば、協働ロボット FAIRINO のようなモデルは 70 万円台〜とされています(産業向けコントローラ付き)などの選択肢が出てきます。(MISUMI)

🧪 ROS / 制御開発研究の流れ例

  1. 基礎モデル(安価キット)で制御実験 → ROS とインターフェースを作る
  2. 6 DOF 教育向けモデルで運動学・軌道計画 → MoveIt! などと実験
  3. 産業クラス機(協働ロボット)で精度課題 → 高度な研究テーマへ
このステップは「産業用ロボットとのギャップを段階的に埋める」上で非常に有効です。
必要であれば、 🔹 ROS 2 対応性があるおすすめモデル 🔹 教育用 vs 産業用向けの比較表 🔹 どのモデルが「FANUCに最も近い制御実験環境」になるか まで絞って提案できます。どの観点で整理しましょうか?

ロボドリルもオープンになったのですか。ロボドリルは変化なしですか

  結論から言うと: 👉 現在のところ、ROBODRILL(ファナックの工作機械)は「ロボット本体のようなオープン制御環境」には変わっていません。 つまり FANUC ロボットで進んでいるような ROS 2 + 外部 Python/AI からのリアルタイム軌道・サーボ制御インターフェース は、工作機械側にはまだ提供されていません

🧱 ロボドリル(工作機械)における“オープン化”の現状

✅ 変化している点(オープン志向に近づいている)

状態取得インターフェースが拡充
  • OPC UA
  • マクロ変数読み出し
  • Ethernet経由の通信ログ これらは 外部からの状態監視・データ取得に活用できます。
外部制御インターフェースの拡張
  • FIELD system
  • ERP/IoT連携 などによって「加工データの送受信」「条件設定」はできるようになっています。
👉 つまり
「外部PCやAIが ROBODRILL と情報をやり取りする」 という意味では、従来よりオープン化が進んでいます。

❌ 変わっていない、または提供されていないもの

🔒 リアルタイム軌道制御としてのオープンインターフェース(ロボットでいう ROS 2 Driver 相当)はまだありません。 たとえば
  • 実行中の NC ブロック命令を ms 単位で書き換え
  • 外部PCがリアルタイムに動作指令を出す といった ロボット系のオープンインターフェースは、現時点では提供されていません。
この部分がなぜ重要かというと:
機能 ロボット(FANUC ROS Driver) ロボドリル
外部からのリアルタイム制御 ○ 可能 ✕ 不可
外部からの状態読み出し ○ 可能 ○ 可能
AI/外部での状態判断 ○ 可能 ○ 可能
外部から動作戦略を直接反映 ○(軌道生成など) △(NCプログラム単位まで)

🧠 まとめ(研究者視点)

FANUCロボット

  • デフォルトで ROS 2 + 外部 Python に対応
  • 外部から リアルタイムに動作制御を行える
  • AI・学習・自律系のアルゴリズム開発に向いている

ROBODRILL(工作機械)

  • 状態・データは外部から見える
  • AI / データ解析はやりやすい
  • ただし: サーボ軌道のリアルタイム制御インターフェースは提供されていない
  • NC プログラムの 生成・切り替えは外部から可能
  • 判断系・異常検知・異常停止は外部から制御可能

✔ 研究ネタとして有効なポイント

たとえばこんな研究は今でも十分できます: ✅ 加工進行の外部監視(センサ+ログ+AI) ✅ 加工進行不能・異常停止の予兆検出 ✅ NCプログラムの外部生成と外部送信 ✅ ロボットとの連携セルにおけるシステム統合 (つまり「状態・判断・戦略」は外部で、 「実行」はFANUC側。 この役割分担自体が産業標準の考え方です)

✔ 変化が期待できる領域

以下は 将来的にオープン化が進む可能性が高い領域です:
  • CNC 制御器上での Python実行サポート
  • 高速フィードバックの外部制御 API
  • OPC UA ビルトイン対応の強化
  • AI/状態監視との連動標準化

🧾 まとめ

項目 現状
FANUCロボット側のオープン化 積極的・明確
ROS 2 + Python でのリアルタイム制御 可能
ロボドリル側のリアルタイム外部制御 不可
ロボドリルの外部状態・NC操作 可能
研究利用としての価値

一言で

📌 ロボドリルは「オープン化の恩恵(状態監視・外部解析・NC生成)は受けているものの、 ロボットのようなリアルタイム外部制御インターフェースそのものはまだありません。
必要であれば、 🔹 ロボドリルを ROS 2 で外部から状態監視する実装例 🔹 NC プログラムを AIで自動生成する研究フロー 🔹 FANUC ロボット + ROBODRILL のハイブリッド制御環境 のような 具体的なセットアップ案 も提示できます。 どれを知りたいですか?  

外部制御インターフェースの拡張 FIELD system ERP/IoT連携 などによって「加工データの送受信」「条件設定」はできるようになっています。 は何ができますか?

  ここはとても重要なポイントなので、 **「何が“できる”ようになったのか/何は“できない”のか」**を 誤解のない形で整理します。 結論を先に言うと:
FIELD system や ERP/IoT 連携による「外部制御インターフェースの拡張」とは、 👉 “加工をリアルタイムに操縦できる”ことではなく、 👉 “加工をデータとして扱い、判断と条件を外部から与えられる”ようになった、という意味です。

1️⃣ まず前提:ここで言う「外部制御」とは何か?

❌ ロボット的な外部制御(できない)

  • 外部PCが ms 単位で軌道・送りを直接指令
  • 実行中NCの補間を書き換え

✅ 工作機械的な外部制御(できる)

  • 加工条件・プログラム・実行判断を外部で決める
  • 実行は FANUC CNCが責任を持つ
この違いがすべてです。

2️⃣ FIELD system で「何ができる」のか

FIELD system の役割

FIELD system は 「FANUC機器のデータを集約し、外部アプリとつなぐ“産業用データ基盤”」 です。

✅ ① 加工データの送受信(監視・蓄積)

ROBODRILL から以下が取得できます:
  • 主軸回転数
  • 主軸負荷
  • 軸負荷・電流
  • 実行中NCプログラム
  • アラーム・警告
  • 稼働状態(加工中/停止/待機)
👉 リアルタイム監視・履歴解析が可能 これは単なるログではなく:
「加工というプロセスを、時系列状態データとして外に出せる」
という意味で大きな変化です。

✅ ② 外部アプリ(AI)による解析・判断

FIELD system 上では:
  • 異常検知アプリ
  • 稼働率分析
  • 工具寿命推定
  • 品質予測
などを 外部アプリとして実装できます。 重要なのは:
判断は外でやるが、実行はCNCがやる
という責務分離。

✅ ③ 加工条件の設定・変更(工程単位)

外部からできること:
  • NCプログラムの選択
  • 加工条件(F, S など)を含むプログラムの投入
  • 次工程の切替
  • 再加工判断
例:
AI判断:
「この工具摩耗状態なら、条件Bで続行」
↓
FIELD経由でNC_Bを指定
↓
ROBODRILLが安全に実行
👉 “加工戦略”は外で決められる

❌ ④ 実行中の補間制御(できない)

FIELD system でも ここは不可 です:
  • G01 の途中で送りを書き換える
  • 加工中に軌道を別ルートへ変更
  • 力制御を外部で直接行う
👉 サーボ・補間は完全クローズ

3️⃣ ERP / IoT 連携で「何ができる」のか

ここは 研究的にも産業的にも重要 です。

✅ ① 上位系(ERP/MES)との統合

ROBODRILL が:
  • どの品番を
  • どの条件で
  • どこまで加工したか
を ERP/MES に返せます。 逆に:
  • 次に加工する品番
  • 加工条件
  • 優先度
上位から受け取れる

✅ ② 加工条件の“文脈付き”管理

従来:
  • NCは現場の職人知識
今:
  • 条件 = データ
  • 履歴 = 学習対象
👉 AIが介在できる余地が生まれた

✅ ③ 自動意思決定への布石

ERP/IoT連携があると:
品質低下検知
→ 次ロット条件変更
→ NG増加前に止める
といった 全体最適制御 が可能。

4️⃣ 研究視点での本当の意味(重要)

あなたの研究(State Monitor)に引き直すと:

ロボット

  • State を見て
  • Action を外部が直接生成

ROBODRILL

  • State を見て
  • Strategy(加工戦略)を外部が選択
  • Action は内部が実行
👉 State Monitor の“使い方”が違うだけ

5️⃣ まとめ(正確な言い方)

質問文の
「加工データの送受信」「条件設定」はできるようになっています
を正確に言い換えると:
ROBODRILLは、 ・加工状態を外部に開示でき ・外部が加工戦略・条件・工程選択を決め ・実行はCNCが安全に行う という“分業型オープン化”が進んだ
という意味です。

6️⃣ 一言で整理

  • ❌ ロボドリルはロボットのように“操縦”できない
  • ✅ ロボドリルは“判断を外に出せる”ようになった
  • ✅ FIELD / ERP 連携は State Monitor を成立させるためのインフラ

次に整理すると非常に強いテーマは:
  • 「なぜ工作機械は“判断だけ”を外に出すのが正解なのか」
  • ロボット vs 工作機械のオープン化哲学の違い
  • HOLD/JUMP を FIELD system にどう実装するか
どこを深掘りしますか?

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