地熱発電の現状と展望:技術動向・経済性・環境影響・政策支援・地域導入状況
地熱発電の基本原理と技術的進展
地熱発電の原理 – 地熱発電は地下深部の高温熱源と流体(水や蒸気)を利用してタービンを回転させ、発電する再生可能エネルギーです。通常、摂氏150~370度(華氏300~700°F)もの高温の地下水や蒸気を井戸から汲み上げ、その熱エネルギーで発電用タービンを回します。地下の熱水資源が高温高圧の場合は自然に蒸気が得られますが、水圧が高い液体状態の場合は減圧「フラッシュ」させて蒸気を発生させます。発電に使った蒸気や熱水は多くの場合、再び地下に戻し( reinjection )、資源の持続利用と環境保全を図ります。これら地熱発電プラントには主に3つの方式があります:
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ドライスチーム方式: 地下から噴出する天然の高温蒸気をそのままタービンに導き発電する方式。世界初の地熱発電所(1904年、イタリア・ラルデレロ)はこの方式でした。現在ドライスチーム資源は限られ、例として米国カリフォルニアのガイザーズ(The Geysers)地熱地帯などが挙げられます。
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フラッシュ式(単・二重フラッシュ): 地下数キロから汲み上げた高圧高温の熱水をフラッシュタンク(減圧容器)で沸騰・蒸発させ、その蒸気でタービンを回す方式です。使われた蒸気は凝縮後に水として地下に戻されます。現在世界の大型地熱発電所の多くはこのフラッシュ式で、1井戸あたり数十メガワット規模の発電が可能です。単フラッシュのほか、熱水を段階的に減圧して蒸気を取り出す二重フラッシュ方式も高効率化のため実用化されています。
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バイナリー(熱媒循環)方式: 地下の熱水で第二の作動流体(例: イソブタン等、沸点の低い有機媒体)を間接的に加熱し、その蒸気でタービンを回す方式です。熱水自体はタービンに直接通さず熱交換器で熱だけを渡し、冷えた熱水は地下に戻す閉ループの仕組みで、大気への排出物はほぼゼロになります。バイナリー発電は中低温(例えば100~150℃程度)の資源でも発電可能で、小規模プラント(数百kW~数十MW)によく採用されます。日本でも温泉熱や中温水を利用した小型バイナリー発電が近年増加しています。
拡張型地熱システム(EGS) – 伝統的な地熱発電は上記のように天然の熱水・蒸気資源(地熱貯留層)が存在する地点に限られます。しかし、これを大幅に拡張する技術として拡張(強化)地熱システム(Enhanced Geothermal System; EGS)が研究・開発されています。EGSでは地熱資源が高温でも水や割れ目(水透道)の乏しい「高温岩体(Hot Dry Rock)」に人工的に透水性を持たせ、人工地熱貯留層を造成します。例えば深度3~10kmに存在する摂氏150~650度の高温岩盤に対し、水圧破砕(水フラクチャリング)や化学薬品・加熱による岩石破砕を行い、微細な亀裂網を形成して人工的な熱水循環路を作ります。そこに注水して加熱し、別の生産井から高温流体を取り出して発電します。米国エネルギー省(DoE)によれば、地球内部の莫大な熱エネルギーのわずか0.1%を利用できれば「世界のエネルギー需要を数千年にわたり満たせる」潜在力があるとされ、EGSは真にクリーンで持続可能なエネルギー源として大きな期待を集めています。ただし現状では初期コストの高さ、掘削・貯留層造成の難しさ、さらには後述する誘発地震のリスクなど課題も多く、商業規模での実用化は始まったばかりです。近年、油田技術の水平坑井掘削や水圧破砕の応用、先進的な地球物理探査による探査精度向上、坑径の細いスリムホール掘削などでEGS技術は進歩しており、各国で実証プロジェクトが進行しています。2023年には米国スタートアップ企業フェルボ・エナジー社が世界初の商用規模EGS試験プラント(3.5MW)をネバダ州で完成させ、2026年稼働予定のユタ州での140MW規模EGSプロジェクトに着手するなど動きが活発化しています。
新たな技術概念 – EGS以外にも地熱資源を広く活用する「次世代地熱」の概念が現れています。例えばクローズドループ型地熱(閉鎖循環式、Advanced Geothermal System; AGS)は、地下にU字管など密閉パイプを循環させて流体を加熱し、周囲の岩盤や帯水層と直接接触せずに熱を取り出す方式です。この方式では地下に水を注入せず地層透水性にも依存しないため、適切な温度の場所さえ掘削できれば場所を選ばず(従来法では難しい安定地盤地域などでも)地熱発電が可能になると期待されています。カナダのエイヴァー社などがクローズドループ試験井で発電実証を行っています。一方、アイスランド深部掘削計画(IDDP)に代表される超臨界地熱は、地下深く(例:4~5km超)で水が超臨界状態になる極度の高温高圧領域を狙う技術です。超臨界流体は通常の蒸気より桁違いのエネルギー密度を持つため、理論上、1本の井で従来の数倍の出力が得られる可能性があります。2009年にアイスランドで試験井戸が摂氏450度以上の超高温に到達し約36MW相当の蒸気を確認する成果が出ています。その他、地熱と他の再生可能エネルギーとのハイブリッド利用も検討されています。例えば地熱貯留層を蓄熱槽のように用い、余剰電力で地下に熱を貯蔵して必要時に取り出す試みや、地熱発電所に太陽熱集熱器を併設して地熱の熱と太陽熱を統合利用する研究も行われています。技術面では掘削コスト低減が最大の鍵であり、石油ガス産業から転用できる掘削リグ・ケーシングの改良や、プラズマ掘削・レーザー掘削などの画期的ボーリング技術も研究段階にあります。これらの技術ブレークスルーが実現すれば、従来は地熱開発不可能と考えられていた地域にも資源開放が可能となり、地熱発電の世界的なポテンシャルは飛躍的に拡大すると期待されています。実際、国際エネルギー機関(IEA)は最新報告で「技術革新とコスト低減が進めば2050年までに800GWもの地熱発電容量が世界で経済的に展開可能となり、これは**世界の電力需要の約15%**をまかなう規模に相当する」とする大胆なシナリオを示しています。
地熱発電の経済性・コスト構造・投資回収
コスト構造の特徴 – 地熱発電は一般に初期投資費用が大きいものの、運転維持費が比較的低く、燃料費も不要なため長期的には安定したコストで発電できます。他の再生可能エネルギーと比べた場合、地熱の発電コスト(LCOE: Levelized Cost of Electricity)は近年低下傾向にあり、2024年時点の世界加重平均LCOEは1kWhあたり約0.060ドル(約8円)と報告されています。この値は過去5年間の平均0.059~0.075ドル/kWhの範囲に収まります。他の主要発電源との比較では、地熱0.060ドル/kWhは水力0.057ドルや太陽光(太陽光発電)0.043ドル、陸上風力0.034ドルよりやや高めですが、集中型太陽熱発電(CSP)0.092ドル、バイオマス発電0.087ドル、洋上風力0.079ドルなどよりは低廉です。したがって地熱のコスト競争力は中位水準であり、安価な再エネである太陽光・風力には及ばないものの天候に左右されないベースロード電源としての価値を持ちます。特に2024年にはニュージーランドの大規模地熱プラント(タウハラⅡ、174MW)が稼働し、同国の低コストな地熱開発により世界平均LCOEが前年比16%低下する要因となりました。地域別に見ると、地熱発電コストは各国の地質条件や事業環境で大きく異なり、2024年の事例ではインドネシアでは最大0.090ドル/kWhまで達した一方、トルコでは最低0.033ドル/kWhという低コスト案件も報告されています。こうしたコスト差は地熱資源の賦存状況、掘削深度・井戸本数、プラント規模・方式などによって決まり、風力・太陽光のような定型化されたコスト構造がないためです。特に資源探査・掘削段階のリスクが非常に高く、数百万~数千万ドル規模の先行投資をして井戸を掘ってみないと資源の真価が分からない点が地熱開発の経済性上の特徴です。一連の調査・試錐からプラント建設・送電網接続まで開発期間が5~10年と長期に及ぶことも資本回収を遅らせる要因です。それでも一旦稼働すれば、地熱プラントは天候によらず年間を通じほぼフル稼働できる強みがあり、発電量に対する設備利用率(キャパシティファクター, CF)は平均75~90%にも達します。これは風力発電の平均30%以下、太陽光発電の15%以下と比べ圧倒的に高く、高い設備利用率は投資回収を有利にします。また地熱は昼夜・季節を問わず安定出力が可能なことから電力市場での容量価値(Capacity Value)も高く評価され、系統安定化への貢献など付加価値も考慮すると経済的メリットは単純なLCOE比較以上に大きいと指摘されています。
費用内訳と投資回収性 – 地熱発電の総投資のうち、掘削・貯留層造成関連が全体の約7~8割を占めるとも言われ、この部分は主に油ガス業界と共通する分野です。具体的なコスト項目は探査(地質・地球物理調査)費用、試錐井戸の掘削費用、本井戸の掘削および仕上げ(ケーシング・セメント等)費用、貯留層刺激(必要な場合)の費用が前半に集中し、後半に発電設備(タービン・熱交換器・冷却塔等)建設費用が続きます。一般に深く掘るほど、また井戸本数が増えるほど初期費用が膨らみます。たとえば火山性の浅い高温資源に恵まれた国(例: トルコ)では少ない浅井戸で済みコストが低減する一方、資源が深い国(例: インドネシア)では大深度掘削と多数の井戸が必要でコスト高となる傾向があります。運用段階では、蒸気生産量の自然減衰に対処するためメークアップ井(追加生産井)の掘削が定期的に必要となるケースがあり、この掘削更新費が他の再エネにはない地熱特有の運転費用です。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の分析では、年間あたり設備1kWあたり125ドル程度の運営費(O&M)が想定されており、その中にはこうした掘削維持費も含まれます。
投資回収性(収益性)の向上策として、各国で初期リスクを政府や公的機関が肩代わりする仕組みが取られています。例えば開発初期の探査・掘削費用に補助金や低利融資、リスク保証(掘って期待外れだった場合に損失を一部補填)などを適用し、民間資本を呼び込む施策です。また近年、地熱資源から副産物を得る試みが収益拡大の観点から注目されています。特に地熱熱水中に含まれるリチウム等の有用金属を直接リチウム抽出(DLE)技術で取り出し販売することで、発電単体より大幅に収支が改善する可能性が示されています。最新の研究によれば、深部地熱井戸からの熱水からリチウムを回収できれば発電事業の利益率は飛躍的に高まり、地熱資源量が限定的な地域でもプロジェクト成立の確率が大幅に上昇し得ると報告されています。実際に米カリフォルニア州のサルton Sea地熱地帯や、ドイツのライン地溝帯などで地熱リチウム生産プロジェクトが進行中です。このように技術革新や副次収入の付加によって、従来は採算が取れにくかった地熱プロジェクトでも投資回収期間の短縮が期待されています。
環境影響とその対策
大気への排出と温室効果ガス – 地熱発電は燃料を燃やさないため、運転時の大気汚染物質やCO₂排出が化石燃料火力に比べ圧倒的に少ないクリーンな発電方式です。一般に地熱発電所の排出ガスは、地下から上がってくる蒸気中に含まれる微量の二酸化炭素(CO₂)や硫化水素(H₂S)、メタン(CH₄)などです。これらは発電に伴い大気へ放出されますが、その量は同規模の化石燃料火力発電所と比べてCO₂は約1%以下、硫黄酸化物(SO₂等)も約3%以下と見積もられています。実際、多くの地熱プラントではガス中のH₂Sをスクラバー等で除去し大気放出を低減しています。特にバイナリー方式は地下水と外気が直接接触しない閉ループであるため、大気中に排気を出さず実質的に無排出で運転できます。こうした低炭素性から、地熱発電所は国際的にもクリーン開発メカニズム(CDM)や再生可能エネルギー電力として温室効果ガス削減策に位置づけられています。一方で、一部の高温地熱地帯では蒸気中に高濃度のH₂S(腐卵臭のもと)が含まれ、近隣に臭気問題を起こす場合があります。イタリア・トスカーナ州やアイスランドの地熱発電所では、排気中H₂Sを化学反応で硫黄に転化する処理設備を導入し、大気中濃度を環境基準内に抑える対策が取られています。またCO₂についても、火山性の地熱フィールドでは地下由来のCO₂ガスが継続的に発生するためゼロではないものの、その排出係数(g-CO₂/kWh)は一般的に化石燃料の10分の1以下に留まります。例えば世界有数の地熱地帯であるインドネシアでは地熱発電が同国総発電量の約5%を占めますが、地熱由来CO₂排出は同国全体電力部門の1%未満と推定されています。さらに最近では、地熱プラントでCO₂を回収・地中圧入するカーボンネガティブ地熱の研究も進められています。
水質汚染と廃水処理 – 地熱発電では地下から揚水される熱水(ブライン)に多量の溶存物質が含まれます。典型的には塩類(塩化ナトリウム等)のほかシリカ、重金属類(ヒ素、ホウ素、水銀など)が含有されるケースがあります。このため、熱水を地表に撒いたり河川に放流したりすると水質汚染の原因となり得ます。対策として現代の地熱発電所では使った熱水はほぼ100%再注入し、地下に戻すのが基本です。再注入は汚染防止だけでなく、地下の地熱貯留層の水圧低下や地盤沈下を防ぐ効果もあります。実際、ニュージーランドのワイラケイ地熱地帯では初期に蒸気取り放しで運転した結果、地盤沈下が発生したため、以後は各国で生産量に見合う量の還元水注入が厳格に実施されるようになりました。熱水中のシリカは配管内で析出しスケール(鉱物付着物)となって流路を狭めるため、薬剤注入や熱交換器設計の工夫でシリカ析出を抑制する技術も発達しています。要約すると、地熱発電の廃水は閉じ込めて地下に戻すことが前提であり、適切に管理すれば地表水系への影響は最小限に抑えられます。
誘発地震 – 人工的な地殻応力の変化によって引き起こされる地震(誘発地震)は、地熱開発に伴う主要な環境リスクとして認識されています。特にEGSのように地下に高圧の水を注入して岩盤を割る場合、小さな地震(マイクロシーズミック)活動が頻発し、場合によっては有感地震に至ることがあります。2006年にスイス・バーゼルで行われたEGS試験では延べ3,500回もの微小地震が発生し、うちマグニチュード3級が4回観測され、事業中止と補償問題に発展しました。韓国ポハンで2017年に進められたEGSでは、刺激作業中にM5.5の比較的大きな地震が誘発され周辺に被害を与え、世界的に大きな議論を呼びました。また従来型の地熱でも、例えば米国カリフォルニアのガイザーズ地熱地帯では地下への大量の注水と蒸気生産に伴いM4程度までの地震が過去に度々観測されています。誘発地震のメカニズムは地下の応力場変化(流体圧の上昇や冷却収縮による歪み)で既存の断層が滑ることによります。リスク低減策としては、事前の断層調査により大断層近傍での刺激を避けること、ポンプ注入圧や注入量の慎重な制御、地震計ネットワークで微小振動を常時監視し一定規模以上の地震が発生したら直ちに注入停止する「トラフィックライトシステム」の運用などが行われています。誘発地震問題はとりわけ都市近接での地熱開発を難しくする要因であり、今後は機械学習を用いた地震予測モデルの構築や、断層に触れずに貯留層を造る新技術の開発など、安全性向上に向けた研究が進められています。
その他の環境影響 – 地熱発電所の建設・運転に伴う騒音や景観への影響も考慮が必要です。掘削工事中はドリリング装置や泥水ポンプの騒音が出ますが、これは防音壁設置や近隣への作業時間配慮など施工管理で対応します。運転中も冷却塔の送風機や蒸気弁の開放音などがありますが、防音設計や適切な立地により周囲の人家への影響を小さく抑えています。景観については、背の高い冷却塔やパイプラインが温泉観光地の風情を損ねる懸念が指摘されることがあります。そのため景観配慮として配管の地中埋設、周囲の緑化、設備塗装の周辺環境への調和などが図られています。さらに、地熱開発地域がしばしば国立公園や温泉地と重なることから、生態系や温泉への影響評価も慎重に行われます。例えば日本では国立公園内での大規模地熱開発が長らく制限されてきましたが、近年は公園条例の緩和や環境省のガイドライン整備により一部許可される事例も増えています。温泉への影響については、地熱発電が温泉水位や泉温を低下させるとの懸念が根強くあります。しかし地質学的には浅い温泉系と深部地熱系は起源が異なる場合も多く、適切に両者を分離して開発すれば共存可能との研究も報告されています。実際、九州の小浜温泉(長崎県)では地熱発電と温泉観光の両立に向け地元温泉組合と事業者が協定を結び、世界初の温泉熱バイナリープラント(出力125kW)を稼働させています。この成功事例は温泉地での地熱開発のモデルケースとして注目されています。
総じて、地熱発電はクリーンで環境負荷の低いエネルギー源ですが、上記のような固有の環境リスクや地域との調和課題があります。しかし適切な技術的・制度的対策により多くの問題は管理可能であり、地熱エネルギー利用の拡大と環境保全の両立を図ることが重要です。
政策支援や国際的な制度・導入促進策
各国の政策支援策 – 地熱発電の普及には政府の政策支援が大きな役割を果たします。多くの国で再生可能エネルギー促進策の一環として固定価格買取制度(FIT)やプレミアム報酬が導入され、地熱発電事業の収益安定化が図られています。例えば日本では2012年に再エネ特措法FITが施行され、大規模地熱(15MW以上)に27.3円/kWh、15MW未満の小規模地熱には42.0円/kWhという高水準の買取価格が15年間保証されました。この42円/kWh(約0.36ドル/kWh)の水準は世界最高額であり、地熱開発停滞の一因だった採算性問題に一定のメドを付けたと評価されています。ドイツでもかつては約0.25~0.30ユーロ/kWh程度のFITが設定され、多数の地熱熱電併給プロジェクトが動きました(現在はFIT終了)。トルコも2010年代に11年間保証のFITを導入し(0.105ドル/kWh+国産設備ボーナス)急速な地熱増強に成功しました。インドネシアでは政府が電力購入価格(上限料金)を地域ごとの発電原価に基づき定め、公社PLNが地熱電力を優先購入するスキームを運用しています。またインドネシアは2014年に地熱資源を「鉱物資源」から除外する法改正を行い、森林保全地区内でも地熱開発を可能としました。これによりボルネオ島などでの新規開発が進んでいます。一方、地熱先進国アイスランドやケニアでは政府・公的電力会社自らが地熱開発主体となり、リスクを公が負う形で基盤整備を行っています。例えばケニアでは国営GDC社が掘削リスクを担い、掘削後の蒸気を民間発電事業者に供給するモデルが取られています。こうした公的関与によるリスク低減は地熱の探査段階で特に有効とされています。
資金支援と税制優遇 – 高額な初期投資を促すための低利融資・補助金も各国で活用されています。欧州投資銀行や世界銀行は地熱開発向けの融資枠を設け、東アフリカや東南アジアでのプロジェクトに資金提供しています。また各国の税制でも減免措置が見られます。米国では近年のインフレ抑制法(IRA, 2022)によって再エネ全般の投資税額控除(ITC)や生産税額控除(PTC)が拡充され、地熱発電も2030年代前半まで最大30%相当の税額控除が受けられるようになりました。具体的には2033年までに着工すれば従来の太陽光・風力同様、発電所建設費用の30%を税額控除でき(48E条項)か、もしくは発電量1kWh当たり2.6セント相当を10年間受け取れる(45Y条項)仕組みです。この優遇措置により米国ではEGSなど「次世代地熱」企業への投資が急増しており、2025年前半だけで地熱関連の新規資本調達が7,800万ドルに達したとの分析もあります。一方、日本では地熱向けの税制として、初期投資を即時償却できる制度や、政府系金融機関による長期低利融資の枠が用意されています。また地熱資源の所有権や許認可に関して法整備も進められています。インドネシアやフィリピンでは資源保有権を国家が管理し民間に開発権益を与えるコンセッション制度を採用しています。日本では従来、温泉法が適用され掘削深度や地点に制限がありましたが、経産省と環境省の協議で国立公園内でも既存温泉から一定距離離れた場所なら試掘を許す運用緩和が行われました。また温泉権者との合意形成を促すため、政府が仲介する協議会設置や補償ガイドラインの策定も進められています。
国際協力とルール作り – 地熱資源の開発促進は国際的にも議題となっており、グローバル地熱アライアンス(GGA)がIRENA主導で2015年に発足し、世界各国政府・企業・団体が参加しています。GGAは情報共有や能力構築、融資誘導を通じて2030年までの地熱導入倍増を掲げています。国際エネルギー機関(IEA)も政策データベースを通じ加盟各国の地熱支援策を分析・助言しています。また世界銀行は開発途上国向けに「地熱リスク緩和基金(GRMF)」を東アフリカで設立し、ケニア・エチオピア・ルワンダなどで探査井戸の費用を一部助成しています。こうした国際ファイナンス支援は、資金力の限られる国での地熱プロジェクト成立に寄与しています。さらに地熱分野の技術標準や安全基準も国際協力で策定が進んでいます。例えばEGSの誘発地震対策プロトコルは国際的なワークショップで議論されガイドライン化されています。環境アセスメント手法についてもIEA-GIA(IEA地熱Implementing Agreement)の下でベストプラクティス集がまとめられています。法制度面では、地下熱エネルギーの権利(鉱業権との関係)や発電事業許可の手続きが国によって異なるため、各国の法整備状況を踏まえた投資判断が必要です。EUでは再エネ指令の中で地熱も奨励されており、加盟国に対し地熱開発の許可手続きのワンストップ化や期間短縮が求められています。総じて、政策的後押しと適切な規制整備は地熱発電普及のカギであり、各国は自国事情に合わせた様々な手段で地熱導入促進策を講じている状況です。
地域別の地熱発電導入状況と事例
世界の導入概況 – 地熱発電は2025年末時点で世界24か国以上に導入され、総設備容量は約**17.2GW(ギガワット)**に達しています。これは世界全発電設備の中ではわずか0.1%強に過ぎませんが、国別に見ると地熱資源に恵まれた国々で集中的に導入されています。以下に主要国の状況と事例を示します。
図1: 主要国の地熱発電導入容量(2025年末時点)(ThinkGeoEnergyのデータに基づき作成)
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アメリカ合衆国 – 世界最大の地熱発電国です。2025年末の導入容量は約3,953MW(約4GW)で世界シェアの23%を占めます。主にカリフォルニア州とネバダ州に資源が集中し、この2州で米国地熱発電の約90%を占めます。中でもカリフォルニアのガイザーズ地熱地帯は出力約900MW(現在稼働中約30ユニット)と単一地熱フィールドとして世界最大です。またユタ州、ハワイ州、オレゴン州などにも中小の地熱プラントがあります。米国は地熱発電の歴史が古く、1960年代から大型フラッシュ式プラントが開発されてきました。近年はEGSによる新領域開拓にも注力しており、前述のフェルボ社による初の商用EGSプラント計画(ユタ州)や、オラクル社の支援するプロジェクトInnerSpaceによる調査で国内潜在量は最大5,500GWにのぼるとの推計もあります。米エネルギー省は「GeoVision」戦略で2050年までに地熱90GW(主にEGS)を目指す目標を掲げており、今後も技術開発と導入拡大が期待されています。
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インドネシア – 世界第2位の導入国で、2025年末時点の容量は約2,742MWです。インドネシアは環太平洋火山帯に位置し、世界の地熱資源の約40%(推定2万8千MW)が存在するとされます。1970年代から地熱開発を開始し、近年は政府目標として「2025年までに9,000MW」を掲げるなど積極的です。主な地熱地帯はスマトラ島、ジャワ島、スラウェシ島など多数あります。代表例としてジャワ島のサラック地熱発電所(377MW, 世界最大級)、ダラジャット(271MW)、スマトラ島のサルーラ地熱発電所(330MW, 世界最大のバイナリー併用プラント)などが挙げられます。インドネシアは国営石油企業Pertamina系の地熱会社(Pertamina Geothermal Energy社)が大きな役割を担い、外資との合弁で多くのフィールドが開発されています。課題は資源が人里離れた山岳地帯に多いこと、送電網の整備が必要なこと、開発コストが高いことですが、世界銀行やJICAの支援も得て着実に容量を伸ばしています。今後も未開発資源が膨大なため、最も成長が期待される市場の一つです。
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フィリピン – 長年世界第2位だった地熱大国で、2025年時点の容量は約2,034MWと世界第3位です。ルソン島やビサヤ諸島に高温フィールドが点在し、1960年代末から米ユニカル社(現シェブロン)と政府の協力で開発が進みました。主力はレイテ島のティウィ-マキリン地熱地帯やパナイ島マリンギなどで、いずれも大規模なフラッシュ式プラント群があります。フィリピンは一時期国内発電量の27%を地熱が担うほどで、アイスランドと並ぶ高依存国でした。現在は全体の約10%程度ですが、依然として世界有数の地熱比率を誇ります。政府は新規資源開発や既存フィールドの増強に努めており、最近ではバイナリー小型増設や民間企業との共同開発(例: エネルギー開発公社とオーストラリア企業によるプロジェクト)も進んでいます。課題は新規有望資源の多くが保護区内にあることや、既存フィールドの資源劣化ですが、引き続き地熱は重要な国産電源と位置づけられています。
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トルコ – 欧州最大の地熱発電国で、2025年容量は約1,797MW(世界第4位)に達します。2000年代後半までは20MW程度に留まっていましたが、政府の再エネ奨励策とFIT(10.5セント/kWh)が追い風となり、わずか10年余りで飛躍的成長を遂げました。主な地熱資源はエーゲ海沿岸のメニemenやアラシェヒルなど西部地域に集中し、多くが中低温のためバイナリー発電を組み合わせたハイブリッドプラントが導入されています。トルコはEU圏内でも希少な高温地熱を持ち、再エネ電力の柱として今後も増設予定があります。欧州投資銀行や世界銀行の資金協力もあり、地熱産業クラスターも形成されつつあります。誘発地震リスクに敏感なヨーロッパにおいて成功したトルコのケースは、規制緩和と適切なインセンティブ設計の有効性を示すものと評価されています。
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ニュージーランド – 2025年容量約1,259MW(世界第5位)。北島タウポ火山帯を中心に地熱資源が豊富で、ワイラケイ地熱発電所(1958年稼働)は世界で2番目に古い商用地熱発電所です。近年はカスケード利用(熱で工業乾燥など)やバイナリー増設による効率向上が進み、2021年にはタウハラII (174MW) という大型新設が稼働しました。地熱は同国の総発電量の約17%を占め、水力に次ぐ第2の電源です。マオリ先住民との共同事業も行われており、持続可能な資源管理の模範となっています。
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ケニア – アフリカ随一の地熱大国で、2025年容量は約980MW(世界第6位)です。大地溝帯に属し、オルカリア地熱地帯を中心に開発が進んでいます。ケニアは再エネ比率が高く、電力の約45~50%を地熱が供給しており世界最高水準です。国営KenGen社と民間IPPにより、段階的にオルカリアI~Vプラント群が建設されました。今後もメネンガイやスソワなど新フィールド開発計画があり、政府は2030年までに1.5GW超への増強を目指しています。ケニアの成功要因は政府による積極投資と開発金融の活用で、低所得国でも適切な支援策で地熱開発が可能なことを示しました。同様の地熱資源を持つエチオピアやタンザニアもケニアに続けと開発を進めています。
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メキシコ – 2025年容量976MW(世界第7位)。1970年代から国営電力CFEが地熱開発を行い、中米で最大の地熱国となっています。主なプラントはバハカリフォルニア半島のセロプリエト(720MW級)や、中部メキシコのロスアソフレスなど。かつて地熱世界第3位でしたが増設停滞で順位を下げました。近年エネルギー改革で民間参入も模索されましたが進捗は限定的です。ただし未開発資源がまだあり、中米諸国(エルサルバドルやコスタリカなど)も含め将来的な発展余地は残ります。
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イタリア – 2025年容量916MW(世界第8位)。トスカーナ州ラルデレロで世界初の地熱発電(1904年)が実現した地熱発祥の地です。同地域では現在も34ユニット、合計800MW以上のプラントが稼働し、イタリア地熱の大半を占めます。他にシチリア島などにも小規模資源があります。イタリアは長年Enel社が独占的に開発を行ってきましたが、近年一部地域で競争入札も導入されました。既存フィールドは成熟しつつありますが、効率向上改良や温泉観光との両立などが図られています。
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アイスランド – 2025年容量808MW(世界第9位)。人口わずか37万人の小国ながら、電力の約25~30%を地熱が賄い、さらに全住宅の90%以上が地熱熱供給で暖房されるなど地熱利用が極めて盛んな国です。アイスランドは中部高地に裂け目噴火帯があり、高温フィールド(250℃以上)が複数存在します。主な発電所はヘルシェディ(303MW)、ネスヤヴェトリル(120MW)など首都圏近郊に位置し、地熱発電の余熱で温水を都市部へ送る熱電併給が徹底されています。世界最大級の地熱熱水による温泉リゾート「ブルーラグーン」も地熱発電所の排熱利用施設です。政府の一貫した支援と地熱公社の努力で、アイスランドは地熱先進モデルを築きました。またIDDPプロジェクトで超臨界地熱に挑戦するなど最先端研究も行っています。
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日本 – 2025年容量607MW(世界第10位)。日本は火山大国で潜在地熱資源量は約23GWと世界第3位の規模を持つと推定されています。しかし開発容量はその数%(約0.6GW)に留まり、長年「眠れる大資源」と言われてきました。地熱発電所は東北・北海道・九州などに約20ヶ所存在します。代表例は八丁原(大分県, 110MW)、森(北海道, 50MW)、湯沢(秋田県, 28MW)などです。開発が進まなかった主因は温泉業界の反対と国立公園規制と高コストの“三重苦”とされます。1990年代以降、原子力重視政策で地熱投資が縮小した背景もありました。転機は2011年の東日本大震災後、再生可能エネルギー促進が国家課題となりFIT導入や規制緩和が実施されたことです。FITにより採算面の障壁は下がり、2010年代後半から小規模バイナリー発電が各地の温泉地で立ち上がりました(例:九州別府、岩手松川などで数百kW級)。さらに政府は2015年以降、国立公園内でも第2種・第3種特別地域での地熱掘削を容認し、秋田・岩手両県境の栗駒国定公園などで大型プロジェクト(小安地熱 14.9MWなど)が進行中です。また2023年には経産省に「地熱推進研究会」が設置され、地熱開発の円滑化策(自治体支援・温泉データ公開など)が提言されました。日本固有の課題である温泉との共存に向けては、上述の小浜温泉の事例や、地熱井と温泉井の科学的相互影響調査など、理解醸成の取り組みが行われています。政府目標では2030年に1GW、2040年に約2GWへの増強を掲げており、長期停滞からの巻き返しが期待されます。
以上、トップ10の国で世界全体の93%以上を占め、残りの容量は他の十数カ国(エルサルバドル、ケニア以外の東アフリカ諸国、ロシア、中国、ドミニカ共和国など)が分け合います。各国とも地熱資源の有無が明暗を分けますが、近年は地域冷暖房への直接利用も含めた地熱総合利用が注目され、欧州(ドイツやフランスのバイエルン盆地など)でも地熱発電プロジェクトが増えてきました。
将来展望・研究課題・未解決の課題
技術面の展望 – 地熱発電の将来を語る上で鍵となるのは、前述の次世代技術(EGS、AGS、超臨界地熱など)の進展です。これら技術が順調に実用化されれば、地熱資源は世界中ほぼどこでも利用可能となりうるため、エネルギー供給構造に大きな変革をもたらす可能性があります。特にEGSは既に実証段階に入りつつあり、米DOEは「2030年までに商用EGSを確立する」ロードマップを描いています。今後の研究課題としては、安全かつ効率的な貯留層造成法の確立(例えば新たな水圧破砕技術や化学的刺激法の改良)、誘発地震を抑制するインジェクション制御、および高温高圧環境に耐えるボアホール技術の開発が挙げられます。掘削技術では、油ガス業界の水平井や定向掘削の応用に加え、レーザードリルやマイクロ波掘削など掘削革命が期待されています。また超臨界地熱については、Iceland Deep Drilling計画の成果を受けて日本やイタリアでも研究が始まっており、超臨界状態での岩石-流体相互作用や適切な坑井設計など未解明の技術課題に挑んでいます。タービン技術でも、将来的に超臨界CO₂タービン(従来より高効率・小型の発電タービン)を導入することで効率向上が図れる可能性があります。さらに、デジタル技術やAIの活用も進むでしょう。例えばAIを用いた探査データ解析による有望サイト選定や、プラントの予知保全、リアルタイムでの貯留層シミュレーション更新などが研究されています。総じて、地熱分野はこれまで「成熟した技術」と見なされ革新が緩慢でしたが、近年の脱炭素ニーズの高まりで世界的に研究開発投資が増えつつあり、イノベーションの余地が再評価されています。
経済・制度面の課題 – 地熱発電拡大の最大ボトルネックは依然として経済性とリスクです。他の再エネ(太陽光・風力)のコスト急低下と比較すると、地熱の掘削費は依然高止まりしています。ただしIRENAは学習曲線に着目しており、EGSのような新技術も稼働実績を積むことでコスト逓減すると予想します。実際、EGS試験での掘削コストが数回の反復で35%も低減した例が報告され、将来の大幅コストダウンに希望を与えています。各国政府には、初期リスクを低減し民間資本参入を促す政策的役割が引き続き求められます。特に探査保険や掘削補助、長期安定価格の保証などは引き続き重要です。また、地熱開発には通常5~7年程度の長期許認可プロセスが必要ですが、この手続き短縮・ワンストップ化も課題です。例えば欧州では許認可の簡素化が議論されており、アイスランドのように環境・土地調整をスムーズに行う仕組みが参考になります。市場設計の面では、地熱のようなクリーンベースロード電源に容量クレジットや系統支援サービスへの報酬を与える制度整備も望まれます。加えて、社会受容性の向上も経済面に影響します。地域社会から反対運動があるとプロジェクト遅延・コスト増に直結するため、事前の合意形成と利益共有策(例えば売電収入の一部を地元還元する制度など)が不可欠です。
環境・社会的課題 – 環境影響については前述のように対策技術がある程度確立していますが、なお未知のリスクも残ります。特に大規模EGSを本格展開する際、各地の地質特性に応じて地震リスクを如何に制御するかは重要課題です。最近の研究では、AIを用いて注水量や圧力を調整しながらリアルタイムで地震予測を行う試みや、断層に直接高圧をかけず離れた位置から熱伝導だけで熱を取り出す閉鎖型システムの活用などが検討されています。また、地域との共生では温泉地との協調がカギとなります。日本や台湾など温泉文化の盛んな国では、科学的知見の共有と保証制度の整備によって地熱と温泉の「Win-Win」関係を築く取り組みが必要です。観光振興と地熱発電を両立させる事例を増やし、地熱開発が地域振興につながるとの認識を広めることが大切です。
将来展望 – 国際的なエネルギー転換の流れの中で、地熱発電には安定したクリーン電源かつ地域経済を潤す資源としての期待が高まっています。IEAのシナリオでは前述のように2050年に800GWが展開しうるとされますが、その実現には年間あたり数十GW規模の新設が必要で、現在の年間0.3GW程度の増加ペースから「桁違いの加速」が求められます。これは地熱産業にとっても前例のない挑戦ですが、一方で油井・ガス井で培ったグローバルな掘削産業・人材が活用できる点は強みです。IEAも「地熱プロジェクト投資の最大80%は石油ガス業界とオーバーラップする」と指摘し、化石燃料企業の転身による地熱分野への参入がブレークスルーをもたらす可能性を示唆しています。実際、大手石油企業やサービス企業が地熱プロジェクトに続々と参加し始めています。技術スタートアップへの投資も加速しており、BPやシェルなどが地熱技術企業に出資する動きが報じられています。さらに、マイクロソフトやグーグルといったデータセンター大手が地熱発電プロジェクト(前述のフェルボ社Utah計画など)と電力購入契約を結ぶ例も出てきました。これは地熱の24時間クリーン電力がデジタル産業の需要にマッチするためです。
最後に総括すると、地熱発電は膨大な未利用ポテンシャルを秘めつつ、技術・経済・環境の課題に直面しています。しかし各国の政策支援や技術革新により徐々に障壁は克服されつつあり、**「第二の地熱ルネサンス」**とも言える状況が訪れています。未解決の課題(コスト高、リスク、社会受容性)は依然ありますが、研究者・技術者・政策立案者が協力しこれらを乗り越えることで、地熱エネルギーは持続可能なエネルギーミックスの中で今以上に重要な地位を占めることができるでしょう。その未来像は、地下深くから湧き出るクリーンな地球の熱が世界中で人々の生活を支える姿であり、地熱発電のさらなる発展がカーボンニュートラル社会への力強い一歩となると期待されます。
参考文献:
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IEA, The Future of Geothermal Energy (2024)
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ThinkGeoEnergy, IRENA report highlights 16% decrease in geothermal power LCOE in 2024 (2025)
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ThinkGeoEnergy, Global Top 10 Geothermal Power Countries at Year-End 2025 (2026)
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EIA (米国エネルギー情報局), Geothermal power plants – Energy Explained (2022)
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EIA, Geothermal energy and the environment (2022)
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Shan et al., Evaluation of Seismicity Induced by Geothermal Development (Energies, 2025)
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Nath et al., Enhanced geothermal systems: A critical review... (Geoenergy Science and Engineering, 2024)
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Ehara S., Geothermal power generation before and after FIT (九州大学, 2013)
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EnergyTrend, Japan... ranks third in geothermal potential (2021)
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Wikipedia, Geothermal power in Iceland
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EIA, Use of geothermal energy – Electricity generation (2024)
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AIビジネスレビュー, 深部地熱発電とリチウム抽出 (2025)





