著者:副業の宮殿|製造業に携わる現役エンジニア。技術士試験対策書籍をKindleで複数出版。技術ブログ「副業の宮殿」にて製造業DX・AI活用の情報を発信中。

技術士第二次試験は、専門知識と問題解決能力を論文形式で示す高難度の国家試験です。特に「論文試験」は多くの受験者が苦手とする部分で、適切な対策が合否を分けます。本記事では、技術士二次試験の論文に合格するための書き方と準備方法を解説します。

技術士二次試験の論文科目

技術士二次試験の論文は①必須科目(技術部門全体の課題に関する論文)②選択科目(専門知識・応用能力・問題解決能力に関する論文)の2種類です。論文は「択一式(必須科目)」と「記述式(選択科目)」があり、記述式論文では「技術士としての視点・論理的構成・具体的な経験に基づく提案」が評価されます。

合格する論文の3要件

技術士論文の採点で評価される3要件:①技術的な見識の深さ:専門技術に関する知識・経験・判断力を具体的に示す。②論文の構成と論理性:問いに直接答える構成、根拠→結論の明確な論理展開。③多様な観点と倫理的判断:安全性・経済性・環境・社会への影響を多面的に論じる。特に「コンピテンシー(技術士の能力)の7要素」(専門技術・マネジメント・コミュニケーション・リーダーシップ・技術者倫理等)が論文に滲み出るよう書くことが重要です。

論文対策の実践的な準備方法

①過去5〜10年分の論文問題を収集して出題傾向を把握。②主要テーマ(少子化・気候変動・DX・インフラ老朽化等)について自分の専門部門視点での「課題・解決策・リスク・効果」を各テーマ1枚にまとめる。③制限時間内(1200字/30分等)での手書き練習を繰り返す。④技術士経験者・合格者からのフィードバックを受ける(技術士会の添削サービス等)。

論文構成の基本フレームワーク

①問いの背景・現状認識(1〜2段落)→②課題の特定と問題の本質(1〜2段落)→③解決策の提案と根拠(2〜3段落)→④リスクと対応策(1段落)→⑤結論・まとめ(1段落)。この構成を守り、各段落の論理がつながるよう意識することが高得点論文の条件です。

まとめ

技術士二次試験の論文対策は「過去問分析・テーマ別準備・手書き練習・フィードバック」の4つです。技術的知識だけでなく、社会・環境・安全への視点と倫理的判断を論文に盛り込むことが合格への最短ルートです。

計装・センサー選定の基礎:製造現場での計測技術

製造現場での品質管理・工程制御において、適切なセンサー選定と計装設計は生産効率と品質に直結します。主要な計測量とセンサーの選定ポイントを整理します。①温度計測:測温抵抗体(PT100:精度±0.3℃、応答は遅い)vs 熱電対(K型・J型:精度±1〜3℃だが高温・応答速度に優れる)を用途で使い分け。②圧力計測:ゲージ圧(大気圧基準)vs 絶対圧センサーの違いを理解。ダイアフラム式・ピエゾ抵抗式の特性。③流量計測:電磁流量計(導電性液体に最適)vs コリオリ流量計(高精度・高コスト)vs 差圧式流量計(圧損あり・低コスト)の選択基準。④位置・変位:非接触(レーザー変位計・超音波)vs 接触式(リニアエンコーダ・ポテンショメータ)の適用シーン。センサー選定では「精度・応答速度・耐環境性(防塵・防水・耐薬品)・コスト・設置スペース」の5要素をバランスよく評価することが重要です。

製造業における在庫管理の最適化:ABCランク分析の活用

製造業の在庫は「多すぎると資金効率が悪化し・少なすぎると欠品リスク」というジレンマがあります。ABCランク分析は在庫を管理の優先度別に分類することで、最小の労力で最大の在庫最適化効果を得る手法です。ABCランクの定義:Aランク(上位70〜80%の売上・使用量を占める品目、全品目の約20%)、Bランク(中間の品目、約30%)、Cランク(残りの品目、約50%以上)。管理方針の違い:Aランクは頻繁な発注・低安全在庫・詳細な需要予測。Bランクは定期発注・標準的な安全在庫。Cランクは定期発注・やや多めの安全在庫・まとめ買い。Cランクに膨大な品目数がある場合、一部の廃番化・標準化・外注化も有効な選択肢です。ERPシステムに蓄積された受発注データから定期的にABC分析を行い、在庫政策を見直すことが在庫最適化の基本サイクルです。

エンジニアのためのプロジェクト管理基礎:QCD管理とWBS活用法

技術者がプロジェクトリーダーや主担当として開発・改善プロジェクトを進める際に必要なプロジェクト管理の基礎を解説します。プロジェクト管理の核心はQCD(Quality・Cost・Delivery)の同時達成です。①WBS(Work Breakdown Structure、作業分解構造):プロジェクト全体の作業を細分化して階層的に整理したツール。全作業が漏れなく洗い出せ、担当者・期限・成果物が明確になります。②ガントチャート:WBSの各タスクをカレンダー上に展開し、依存関係・重要パスを可視化します。Microsoft ProjectやExcel・GanttProject(無料)で作成可能。③リスクレジスター:プロジェクトで発生しうるリスクとその対応策を一覧化。定期的な見直しで予期しない問題への備えが生まれます。技術士試験の論文でもプロジェクトマネジメントは頻出テーマです。PMP(Project Management Professional)などのPM資格もエンジニアのキャリアアップに有効な選択肢です。

ものづくりの強みを活かしたイノベーション創出の方法

日本の製造業が直面する課題の一つが「技術力はあるが革新的な製品が生まれにくい」という問題です。ものづくりの強みを活かしてイノベーションを生み出すためのアプローチを解説します。①ユーザー観察(エスノグラフィー):製品の使用現場に直接赴き、顧客が実際にどう使っているかを観察することで、顧客自身も言語化できていない潜在ニーズを発見できます。②クロスインダストリー発想:他業界(航空宇宙・医療・食品等)で使われている技術・プロセスを自社の課題に適用する「転用発想」。③技術的制約からの逆転発想:「〇〇が難しい」という制約を「だからこそ〇〇できる」というユニークな価値に転換する。④デザイン思考の活用:共感→問題定義→アイデア創出→プロトタイプ→テストという5ステップで新製品開発に臨む。これらの手法を組み合わせることで、技術力を市場価値のあるイノベーションに転換できます。