炭素は鋼のミクロ組織にとっては最も重要な元素である。 鋼材に炭素を添加すると、ミクロ組織、ひいては機械的性質、切削性が大幅に変化する。  
炭素含有量 0.002%
・フェライト単相 フェライトの硬さはHV90程度の軟質 切削時はせん断面近傍は加工硬化してHV200程度になる
炭素含有量 0.2%~0.48%
・フェライトが占める面積率が低下し、パーライトの比率が増加  
炭素含有量 0.85%
・100%パーライトで共析組織 パーライトの硬さはHB200~250と高く切削には適さない 焼きならし:微細な層状パーライト 焼きなまし:粗大な層状パーライト  
炭素含有量 0.85%以上
初析セメンタイトが緩やかに増加し、パーライトの比率が減少する セメンタイトの硬さはHV1100~1200と著しく硬くて脆い   共析組織とは 高温から冷却する際に,ある一つの固相(固溶体)からまったく別の二つ以上の固相に分解する反応のことを共析変態または共析反応といい,その変態によって生成した組織を共析組織という.共析変態が起こる組成を共析組成という.鉄鋼材料はγ(オーステナイト)→α(フェライト)+Fe3C(セメンタイト)という共析変態が起こる代表的なものであり,この変態のことをパーライト変態といい,その変態生成物をパーライトという.Fe-C合金の共析組成は約0.8mass%Cである.パーライトはフェライトとセメンタイトが交互に並んだ層状組織である.   もっと知るには・・・ <他の記事>