人は怒りに囚われることで、「自分のための時間」を無駄にする。
もちろん、僕もふだん怒りを感じることはある。そこで、仕事などでできなかったことに対しては、その相手やチーム全体にしっかり怒るようにしているし、そうでなければ緊張感のない関係になり進歩が止まってしまうだろう。
ただし、怒りには一切囚われない。
相手を恨み続けることも、僕にはまったくない。なぜなら、時間の無駄だからだ。なにかを恨み続けることで状況が改善されるだろうか? 怒り続けることにエネルギーを使って、再発防止に役立つだろうか?
怒るときはしっかり怒らなければならない。でも、怒ったあとは気持ちを切り替え、みんなで改善と再発防止に取り組むことが必要だ。もしかしたら、怒られた側は気持ちを切り替えにくいときもあるかもしれない。でも、その体験にいつまでも囚われていると、自分の人生の時間を無駄にしてしまうことにぜひ気づいてほしいのだ。
怒りの感情を無理に捨てようとしなくてもいい。そんな気持ちと葛藤している時間こそが無駄だからだ。
そうではなく、怒りのエネルギーを利用して、その悔しさを改善と再発防止に使っていけばいいではないか。そうすれば、状況がどんどんよくなることで、怒りなどいつのまにか忘れてしまうだろう。なぜ自分は怒られたのか、その本当の意味も深く理解できるようになるかもしれない。
時間を無駄にするのは、いつだって自分なのだ。それを忘れてはいけない。
他人の言動が引き金であったとしても、自分の時間を守り、かつ有効に使うことができるのは、自分をおいてほかにはいない。