著者:副業の宮殿|製造業に携わる現役エンジニア。技術士試験対策書籍をKindleで複数出版。技術ブログ「副業の宮殿」にて製造業DX・AI活用の情報を発信中。

GD&T(Geometric Dimensioning and Tolerancing、幾何寸法と公差)は、部品の形状・位置・姿勢の許容誤差を記号で正確に表現する製図規格です。従来の寸法公差より機能に基づいた明確な設計意図の伝達が可能です。

GD&Tの基本記号と意味

真直度(─):直線または軸がどれだけ真っ直ぐか。②平面度(◇):面のうねり・凹凸の許容量。③真円度(○):円断面の形状誤差の許容量。④円筒度(⌭):円柱面全体の形状誤差。⑤直角度(⊥):基準面に対する垂直の誤差。⑥位置度(⊕):理論的正確な位置からの誤差(穴位置等)。⑦同軸度・同心度(◎):基準軸との軸線のずれ。これらをデータム(基準)と組み合わせて図面に指示します。

GD&Tを使うメリット

従来の±公差では「部品が機能するかどうか」が曖昧になる場合があります。GD&Tは機能要件(動作・組付け・シール・摺動等)を直接反映した公差指定が可能です。また最大実体公差方式(MMC)を使うと、実際には緩い公差でも機能を確保できる場合に製造コストを下げられます。

三次元測定機(CMM)によるGD&T検証

GD&Tで指示した幾何公差は、三次元測定機(CMM)とソフトウェア(PC-DMIS・Metrolog等)を使って精密に計測・評価します。測定プログラムを作成する際にGD&Tの理解が不可欠です。

まとめ

GD&TはJIS B 0021(ISO 1101等対応)に規定されています。まずISO/JIS規格書と「幾何公差の読み方・書き方」の入門書で基礎を習得し、自社図面への適用を試みましょう。