オリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池(FORTELION)搭載のFORTELION 24Vバッテリモジュールです。

 

オリビンの優れた特性で、高い安全性能、急速充電性能、10年以上の長寿命が期待できます。
ムラタのFORTELION 24Vバッテリモジュールそれぞれの電圧・電流・温度・容量をCAN通信にて監視することができます。

 

ロボット、自動搬送機、電動カート、フォークリフト等、幅広い用途にあわせて電圧や容量のカスタマイズが可能です。
⇒電気自動車向けではない。

 

https://www.murata.com/ja-jp/products/batteries/stbm

 

村田製作所は2020年8月6日、長寿命で安全性の高いリチウムイオン二次電池「FORTELION(フォルテリオン)」を搭載した高出力バッテリーモジュール「MH1701」を開発したと発表した。MH1701は、オリビン型リン酸鉄リチウムを採用した同社独自のリチウムイオン二次電池であるFORTELIONを正極材に使用した製品だ。UPS(無停電電源装置)や、瞬時電圧低下補償装置など高出力が求められる産業機器に適している。

一般的に鉛蓄電池が使われているUPSや瞬時電圧低下補償装置は、停電発生時でも電気を安定的に供給するために利用が拡大しているが、鉛蓄電池は電池の寿命が短いなどの課題があった。そこで村田製作所は、FORTELIONの高い安全性や長寿命といった特長に加え、高い入出力特性を活かし、高出力バッテリーモジュールを開発した。

MH1701は、オリビン型リン酸鉄リチウムを正極材に採用したことで結晶構造が安定しており、大きな衝撃や圧力が加わった場合などでも発火しにくく、電池の性能を高負荷がかかった場合も安定的に発揮する。

FORTELIONは、日本の非常用電源装置の安全基準「消防認定」を取得しているだけでなく、米国の蓄電池の火災リスクに対する国際安全基準「UL9540A」に基づく試験レポートを取得。安全性が国際的に認められている。

MH1701はFORTELIONの搭載により、サイクル特性が一般的な鉛電池やリチウムイオン二次電池より長く、充放電サイクル1万5000回を達成している。500サイクルが一般的な鉛蓄電池や2000~3000サイクルが一般的な他のリチウムイオン二次電池に比べ、劣化しにくく、長期間利用でき、ライフサイクルコストの低減に貢献する。

連続放電については、蓄電池モジュールの構造と回路設計を最適化し、SOC100%から0%まで200Aの連続放電を達成した。従来品に比べてより大きな電力を出力できるため、短時間のバックアップ用途や瞬時電圧低下対策向けのシステムにおいて、より最適なソリューションを提供できる。

長寿命/高安全性のリチウムイオン二次電池「FORTELION」搭載高出力バッテリーモジュールを発売 村田製作所

 

村田製作所では、円筒形のフォルテリオンの他にもラミネート型のリチウムイオン電池やボタン電池を扱う。リチウムイオン電池は、ソニー時代のビデオカメラから始まり、携帯電話機やPC、スマートフォンで採用されてきた。モバイル用途で大きな伸びが見込めなくなって以降、電動工具やコードレス掃除機、電動アシスト付き自転車などに用途を広げている。フォルテリオンを使った蓄電システムも新しい用途の1つで、家庭用では国内で早期に年間販売台数1万台を目指すという。

ボタン電池には酸化銀電池とリチウム電池があり、腕時計やTPMS(タイヤ空気圧モニタリングシステム)で採用実績を持つ。2005年には酸化銀電池の無水銀化を実現し、医療用でのシェアも伸ばしているという。今後は時計やTPMSの他、IoT(モノのインターネット)機器用の二次電池やワイヤレスのイヤフォン、ヘッドフォンで伸びている需要に対応していく。IoT機器やワイヤレスオーディオでは超小型のボタン電池が求められているため、製造技術の強みが生きるという。

電池事業は、ソニーから譲り受けた時点で収益性が良好とはいえなかった。村田製作所に移管された後も2019年に黒字化する目標を先送りした。現在は2021年度に利益に貢献することを目標とする。損益改善が遅れている主な理由は、需要拡大に対応するための増産投資の積み増しだという。

今後の収益性改善においてもモバイル向けは市場が飽和状態で厳しい。高野氏は「競合他社と比べてちょっといいモノを作ることはできても、他社よりすごくいいモノを作るのは難しい。技術的に工夫の余地が少ない」と説明。円筒形やコイン電池はモバイル向けほど損益が厳しくなく、特に円筒形の用途では新しい市場が立ち上がっているという。シンガポールの拠点は設備投資を実施して拡張し大規模な量産を担当し、郡山事業所で試作や初期量産を担う形で分担し、開発スピードを上げる。

https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1909/03/news054_2.html