どの程度の人口を我々は長期的に想定すべきなのだろうか。
これを地球の持続可能性の視点から見てみたい。

もうこの星は人間の発展についていけなくなっている。
廃棄物の問題以前にCO2を安定的に吸収する余力すら失っているのだ。
経済的にうまく回せる限り、人口減少に向けて率先して対応するのは先進的であるとすら言える。
地球が安定的に生存可能な星でなくなるのであれば、経済発展など考えてもしょうがないからだ。

 

既存の数字から考えると、CO2排出の視点ではどの程度が日本の適正な人口の上限なのだろうか。

日本人のCO2の排出量は家畜と自分たちの呼吸を含めると年10.2トンだ。
杉林1平方キロあたり日本人86.3人分のCO2を吸収できる。

86.3人 × 25.3万平方キロ(森林面積) = 2183万人

現在の約6分の1という少々驚くべき値になる。

 

日本の森林面積は世界最大の森林アマゾン流域の大半を持つブラジルの56.1%を大きく超え世界16位。
先進国ではスウェーデンに次ぐレベルであり、G7では断トツだ。
7割の土地が森という恵まれた日本で、他の国の森がないと人口分のCO2発生が支えられないというのは目も当てられない話だが、実際そうなのだ。

 

地獄でまかなえるようにするには3つの方法がある。
すなわち森林率を増やす、人口密度を下げる、CO2の排出量を減らす、だ。

森林率は産業国としてはもはや上限に近い。
したがって自由度があるのは人口密度と排出量ということになる。

人口密度、もしくは排出量を下げれば下げるほど受け入れられる人口キャパが増える。
人口密度だけで解決しようとすると前述のとおり少々無理のある数字になる。
現実解としては両方の見直しが必要だろう。

 

 

地球全体でこの星のキャパを考えると、約50億人となり現在の3分の2程度がCO2吸収の視点でみた限界となる。
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