この記事では缶詰の歴史と空き缶に隠させた技術の秘密を解説します。
まずは歴史を紹介します。
缶詰のルーツはフランスのナポレオンの時期に遡ります。
遠征時に食料補給に悩まされていた、
ナポレオンは長期保存が可能な容器の発明に12,000フランの懸賞つきで応募しました。
懸賞を得た考案は、二コラ・アペールによるもので
ガラス瓶の中に食べ物をいれコルク栓で密閉し加熱したものを
保存するというものでした。
缶詰めのルーツは瓶詰の密閉から始まっています。
その後ガラス瓶は重くて割れやすいという欠点があったので
薄い金属を使った缶詰に進化していきました。
日本で本格的に缶詰が製造されるようになったのは1877年。
明治政府の殖産興業の一環で、北海道でサケ缶の製造が始まりました。
そんな缶詰ですが、今では飲料缶としても広く普及しています。
飲料缶の口の部分も時代と共に進化しており今では
ステイオンタブ式(Stay-on tab)が主流となっております。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89
ステイオンタブ式は缶蓋にスコア(切欠き)が入れられ、
リベットでその上部にタブを取り付けた構造となっており、
タブを引っ張ることでスコア部分の金属片が押し込まれて開口します。
ステイオンタブ式では開口の際にもタブは本体に残ったままで切り離されないのが特徴です。
つまり缶をあけてもタブが缶に残る構造になっているのがステイオンタブ式です。
細かな名称は:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kikaia1979/73/733/73_733_1095/_pdf/-char/ja
この論文の2枚目に詳しく書いてありますので参考までに。
そしてよく見るとスコアと呼ばれる開口する部分が左右非対称で歪な曲線になっているのがあるのはご存じでしょうか。
これはタブを起こしててこの原理で口金を押し込む際に、スコアに対して均等に力が分散することを防ぐためです。
均等に力がかかると開けにくくなり、かつ開く際には急に開いてしまうので危険なのです。
左右非対称にすると、その設定により、特定の部位からスコアが切れはじめ、
時計回りに溝が切れていくなどのことが可能となり、ゆっくりと確実に開けることができます。
このような力の加わりかたに関する学問的な内容はこちらに書いてあるので気になるかたはみてください。
缶詰ひとつみても色々な技術や工夫が施されています。
身の回りの不思議を探すと色んな仕組みが使われていますよ!!