H25 機械Ⅲ-26

[解答]③

参考:熱力学公式とか:http://www.f-denshi.com/000TokiwaJPN/35chmth/010chmt.html

ブレイトンサイクル

ブレイトンサイクルはアメリカのジョージ・ブレイトンにちなんでつけられた熱サイクルで2つの断熱変化と2つの等圧変化によって構成されています。断熱圧縮により空気を圧縮し、燃料を噴霧して燃焼させ、断熱膨張によって仕事を得ることができます。

ブレイトンサイクルは主にガスタービンやジェットエンジンなどの内燃機関の動きを理想的なサイクルで表したもので、ブレイトンサイクルを理解することができれば、空気の圧力比を上げることが捏効率の向上につながることが分かります。

圧力比とは、圧縮機入口の圧力に対する出口圧力のことを表します。

参考:【ブレイトンサイクル】ガスタービンやジェットエンジンの理論サイクル

カルノーサイクル

フランスの物理学者カルノーは、熱機関の研究を行い1824年、図2(a)に示すような等温変化と断熱変化で構成されることで、熱効率が最大となる理想的なサイクルが得られることを示しました。
カルノーサイクルは、理想気体を動作流体とし、次の4工程からなる可逆サイクルです。
(※可逆変化は現実には存在しませんが、熱力学では一般に、可逆変化を仮定して状態変化を考えます。)

1)等温膨張(図2の①→②)高熱源温度T1一定で、この間に熱量Q1を受け取る
2)断熱膨張(図2の②→③)膨張して外部へ仕事をなし、温度が低下する
3)等温圧縮(図2の③→④)低熱源温度T2一定で、この間に熱量Q2を捨てる
4)断熱圧縮(図2の④→①)圧縮して温度が上昇し、①の状態に戻る

参考:カルノーサイクルと逆カルノーサイクル

オットーサイクル

オットーサイクルはドイツのニコラウス・アウグスト・オットーにちなんでつけられた熱サイクルで、2つの断熱変化と2つの等容変化によって構成されています。ここでいう断熱変化は、動きが一瞬のため外部との熱のやり取りがないとした変化のことを言い、等容変化とは体積が一定のまま状態変化することを言います。

オットーサイクルは主にエンジンなどの内燃機関の動きを理想状態に置き換えたもので、オットーサイクルが理解できれば、空気の圧縮比を上げることがエンジンの燃費向上につながるということが分かります。

参考:5分でわかる!オットーサイクルとは!?

ランキンサイクル

ランキンサイクルは、発電所で蒸気を使って電気を発生させる際に利用される熱サイクルです。「ランキン」というのは、このサイクルを確立したイギリスの物理学者ウェリアム・ランキンから来ています。

主に、ボイラ、過熱器、蒸気タービン、復水器(コンデンサ)、給水ポンプなどで構成されたサイクルです。

  1. ボイラで発生した高圧の飽和蒸気が過熱器によって※過熱蒸気になる。
  2. 過熱蒸気が蒸気タービンで可逆断熱膨張して羽根を回す。
  3. 蒸気タービンから排出された蒸気は、復水器(コンデンサ)で冷却されて飽和水になる。
  4. 飽和水が給水ポンプで加圧され、ボイラーに送られる。

供給するエネルギーとしては、ボイラーで蒸気を発生させるための燃料、加圧するためのポンプの電力などがあります。

一方、取り出せるエネルギーはタービンとつながっているモーターが回転することで発生する電気です。

つまり、ランキンサイクルは、燃料の熱エネルギー電気エネルギーに変換するサイクルです。

参考:【ランキンサイクル】5分で分かる!蒸気を使って電気を作る仕組みとは?

ディーゼルサイクル

ディーゼル機関では、圧縮行程で空気だけを圧縮し、燃料は高圧空気中に噴射されるので、燃焼形態はオットーサイクルとは異なる。その標準サイクルは一定圧力のもとで燃焼する定圧サイクル、またはディーゼルサイクルと呼ばれ、図の1→2は断熱圧縮、2→3は定圧加熱、3→4は断熱膨張、4→1は定容放熱である。ディーゼルサイクルの熱効率には、圧縮比のほかに締切り比(膨張比)が関係し、締切り比が大きくなると熱効率が低下する。すなわち、圧縮比が同一ならディーゼルサイクルはオットーサイクルより熱効率が低いことになる。しかし、実際の機関では一般に圧縮比の高いディーゼル機関のほうが火花点火式のガソリンエンジンより熱効率が高い。

参考:ディーゼルサイクル

冷凍サイクル

熱は高温の物体から低温の物体に流れは自然に起こるが、その逆方向に流すには特別な機構が必要でする。冷凍空間らから熱を奪うことによってその空間を低温に保つ装置を冷凍機という。またより低温の空間から熱を吸収して暖房空間を高温に保つ装置を熱ポンプという。これらの装置は熱力学的なサイクルによって実現される。別稿で述べた動力サイクルの場合は熱効率η(thermal efficiency)によりその性能が評価されるが、冷凍機(対象を冷やす)や熱ポンプ(対象を暖める)は次に述べる成績係数c.p.(coefficient of performance)で評価される。

参考:冷凍サイクル

 

『熱力学』講義ノート

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