超短波帯で応答する有機トランジスタを実証、遮断周波数の世界記録を2倍更新 東大など | fabcross for エンジニア

超短波帯で応答する有機トランジスタを実証、遮断周波数の世界記録を2倍更新 東大など

東京大学大学院新領域創成科学研究科は2020年2月6日、同マテリアルイノベーション研究センター、産業技術総合研究所 産総研・東大 先端オペランド計測技術オープンイノベーションラボラトリ、物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA)との共同研究によって、超短波帯(VHF帯:30〜300MHz)で応答する有機トランジスタを実証したと発表した。

半導体集積デバイスの応答周波数は、論理演算を担うトランジスタの移動度とそのチャネル長に依存する。微細加工手法にはフォトレジストを用いたリソグラフィが広く使用されているが、フォトレジストの多くが有機半導体薄膜にダメージを与えることから、有機トランジスタはリソグラフィによる高移動度と短チャネル化を両立することが困難だった。

 

トランジスタ

バイポーラトランジスタ

1947年ベル研究所のブラッテン とバーディーンとによる点接触トランジスタの発明と,ショッ クレイによる pn接合トランジスタの発明とがスタートである.
バイポーラトランジスタ(bipolar transistor)の基本構造は接近した二つの pn接合を背中合せに配置した構造で あり,エミッタ,ベース,コレクタが pn接合により分離されている.
npnと pnpの二つのタイプがある.

エミッタ・ベース接合は順方向にバイアスされ,エミッタからベースに注入された電子はベース中を拡散し,逆方向にバイアスされたコレクタ・ベース接合に達し,電界で加速され,コレクタに到達する.ベース領域に注入された電子のごく一部は正孔と再結合し,ベース電流となる.

エミッタ・ベース接合ではベースからエミッタへの正孔の注入もあり,これは可能な限り抑制される.
ベース幅が狭いほど性能は向上する.

バイポーラトランジスタの直流性能指数として,ベース接地電流増幅率,エミッタ接地電流増幅率がある.
バイポーラトランジスタの高周波性能指数として,遮断周波数および,最大発振周波数とがある.
大電流領域ではカーク効果により,実効的なベース幅が広がり,ベース走行時間を増大させを低下させる.

b.ヘテロバイポーラトランジスタ

ヘテロバイポーラトラン ジスタ(HBT :hetero bipolar transistor)は,エミッタ・ベース接合にヘテロ接合を用い,高周波特性をホモ接合バイポーラトラ ンジスタより向上させたものである.Si系では Si/SiGe接合が用いられ,化合物系では AlGaAs/GaAs等が用いられてきている.
(1) ベースの正孔は高い価電子帯の障壁によりエミッタへの注入が阻止され,エミッタ注入効率が高い.
(2) ベース不純物濃度を高くしても,エミッタ注入効率の低下を招くことがないので,ベース抵抗を下げられる.
(3) ベース領域内のバンドキャップを変化させることにより, ドリフト電界を作り,電子を加速させ,ベース走行時間を短縮できる.

 

c.MOSトランジスタ

 

1930年代に MOSトランジスタの動作原理が提案され,1960年カーンとアタラにより熱酸化膜をゲート絶縁膜とした最初のMOSトランジスタが発表された.
MOSトランジスタには,エンハンスメント型(E型:enhancement type)とデプレッション型(D型:depletion type)があり,それぞれが nチャネル と pチャネルとに分けられ,合わせて 4種類がある.E型では,ゲート電圧 =0でドレイン・ソース間に電圧 を印加してもドレイン・ソース間に電流は流れないが(オフ状態),D型では=0でも電流が流れる(オン状態).

ゲートに正の電圧が印加されると半導体表面には電子が誘起され n型反転層が形成される.
このときのゲート電圧をしきい値電圧 という.
ドレイン電圧をさらに増加させピンチオフ電圧以上になるとドレイン電流は飽和する(飽和領域).

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