「なぜ、日本の大企業はイノベーションを起こせないのか」であれば、
- 終身雇用制、
- サラリーマン経営者、
- 合議制、
- 多すぎるミーティング、
- 天下り、
- 出る杭を打つ文化、
- 膨大な時間をかけたエビデンス作り、
など箇条書きにして明確な答えを示すことも可能ですが、
「どうやたらイノベーションを起こせるか」の答えは簡単ではありません。
イノベーションのアイデアは、先進的であればあるほど、大半の人にとっては「突飛で理解できないもの」であり、
合議制でものを決めようとすると、「そんなもの作れるはずがない」「そんなもの作っても、誰も喜ばない」「売上に結びつくとは思えない」と反対されて潰されてしまいます。
シリコンバレーでは、「Google で3年、Facebook で2年働いたエンジニアが、Google 時代に上司だった人が作ったベンチャー企業からリクルートされる」、
「Cisco で5年働いていたエンジニアが、自分が作りたいものを作らせてもらえないので、同僚と一緒に会社を飛び出して会社を作る」、
「作った会社を売却したエンジニアが次に何を作ろうとしているのか知るために VC の重鎮がお茶に誘う」のようなことが毎日のように起こっており、
そこに流れる人材のエネルギーこそが、シリコンバレーをシリコンバレーたるものにしているのです。
どこにビジネスチャンスがあるとか、次は一緒に働くとしたら何をするかという話は日常的に行われています。
日本の独自文化がイノベーションを起こしにくくしているのです。
つまり、シリコンバレーのようなイノベーションを起こすには、まずは最初に、転職も起業もしたことがない、
スマホアプリも使いこなせない「サラリーマン経営者」には辞めていただき、ビジョンと企業家精神を持った人に大量の株を与え、
自らが会社の持ち主となって当事者意識を持って経営してもらうところから始めるべきです。
当然ですが、(役員に提供される)お抱え運転手や(子会社・関連会社への)天下りなどの悪習は直ちに辞めるべきだし、年功序列・終身雇用も廃止すべきです。
また日本のお客様至上主義の価値観も新しいものを生み出すことに対して足かせになっているように思います。
正当な理由のクレームであれば企業がより良く発展していく為に意味はありますが、それ以外は害悪でしかないです。
例えば、地下鉄「無人運転」が、フランス人にできて日本人にできなかった理由
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65621
なんかをみても明らかで、日本では、トラブルを前提とする思考は受け入れられにくい。
身の危険を感じないようなトラブルでも受け入れられない。
そのためか、ひとたび事故やトラブルが起こると、過剰とも思える反応やバッシングがあり、
事業者の責任が強く問われる傾向がある。
そういった文化的背景もあり、
企業の挑戦のスピードが落ちたり、挑戦しなくなったりしているのではないでしょうか。
一部引用:中島聡 さんのメルマガ(週刊 Life is Beautiful 2019年7月2日号)