この動画は、「ものづくり太郎」チャンネルの司会者であるものづくり太郎氏と、ドイツ在住のエネルギー専門家である西村氏が、ドイツのエネルギー戦略「グリーン・トランスフォーメーション」について議論した内容です。 主な内容は以下の通りです。
  • 欧州の電力事情と「メリットオーダー」: 電気の需要は時間帯によって異なり、価格は燃料費が安い電源から順に取引される「メリットオーダー」という仕組みで決まると解説しています [ 06:53]。
  • 再生可能エネルギーのコストと課題: 風力や太陽光は燃料費がかからないため安価な電源となりますが、天候に左右されるため、需要と供給を保つためのコストがかかるという課題を指摘しています [ 24:49]。
  • ドイツのエネルギー政策と教訓: ドイツは再生可能エネルギー導入を推進しましたが、インフラ投資の遅れからエネルギーコストが高騰しており、この失敗は政治的要因によるものだと分析しています [ 34:52]。
  • 日本の原子力発電について: 原子力発電所の新設コストは非常に高く、民間での資金調達が難しいため政府の支援が不可欠であり、日本の原子力発電所も不透明な部分が大きいと述べています [ 45:07]。
  • 結論: 日本はドイツの事例から学び、エネルギー政策において現実的な実行力が必要であると提言しています [ 53:06]。
この動画の内容について、さらに詳しく知りたい点はありますか?

日本の適切なエネルギーバランスを教えてください

日本の適切なエネルギーミックスについて 日本のエネルギーミックスは、エネルギーの安定供給、経済効率、環境への適合性の「3E」をバランスさせることを目標として策定されます。経済産業省が策定した第6次エネルギー基本計画では、2030年度における望ましい電源構成(エネルギーミックス)を以下のように定めています。
  • 再生可能エネルギー: 36〜38%
  • 原子力: 20〜22%
  • 液化天然ガス (LNG): 20%
  • 石炭: 19%
  • 石油: 2%
これらの目標は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、再生可能エネルギーの導入を最大限に進めつつ、安全性と経済性を考慮して原子力や火力発電も活用するという方針に基づいています。
この情報に関して、特に知りたい点はありますか?例えば、各電源のメリットやデメリット、現在の進捗状況など、焦点を絞ってご質問いただけます。

2050年のカーボンニュートラル実現はどのような割合になりますか

2050年のカーボンニュートラル実現に向けた日本のエネルギーミックスは、まだ具体的な比率が決定されているわけではありませんが、経済産業省や有識者会議の議論から、以下のような方向性が示されています。
  • 再生可能エネルギーの主力電源化: 太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスといった再生可能エネルギーを最大限に導入し、主力電源とすることが目標です。
  • 原子力発電の活用: 安全性を大前提として、脱炭素化の選択肢の一つとして原子力の持続的な利用を目指します。
  • 水素・アンモニアの活用: 再生可能エネルギーの変動を補うために、CO2を排出しない水素やアンモニアを燃料とする発電技術の開発・導入が進められています。
  • CCUS(CO2回収・貯留・利用)技術の導入: 化石燃料による火力発電の脱炭素化を進めるため、発電時に排出されるCO2を回収・貯留・利用する技術の活用が検討されています。
これにより、最終的には化石燃料への依存度を大幅に下げ、再生可能エネルギーや脱炭素技術を組み合わせた「非化石電源」が中心となるエネルギー構成を目指すことになります。
これらの目標を達成するための課題や、現在開発中の具体的な技術について、さらに詳しく知りたい点はありますか?

初期投資等を含めて安いエネルギーはなんですか?

初期投資を含めた発電コストを比較する際には、「均等化発電原価(LCOE: Levelized Cost of Electricity)」という指標が使われます。これは、発電所の建設費や運用費、燃料費、さらには解体費なども含めた、生涯にわたる総コストを、生涯発電量で割ったものです。 日本の現状で、LCOEが比較的安価なのは以下の電源です。
  • 原子力発電: 停止中の既存の原子炉を再稼働する場合、燃料費が比較的安価なため、1kWhあたり約1.9円と最も安価な部類に入ります。ただし、これは再稼働に限定したものであり、新規建設には莫大なコストと時間がかかります。
  • 中・大規模水力発電: 建設場所が限定されますが、運用コストが安いため、1kWhあたり約10.9円と安定して安価です。
  • LNG火力発電: 燃料価格の変動はありますが、比較的効率が良く、1kWhあたり約10.7円と、火力発電の中では安価です。
  • 太陽光発電: 産業用(大規模)の場合、初期費用が年々低下しており、1kWhあたり約12.9円まで下がってきています。
ただし、これらのコストはあくまで目安であり、立地条件や政策、燃料価格の変動によって大きく変わります。
これらのエネルギー源は、コスト面だけでなく、それぞれ異なる課題も抱えています。 例えば、太陽光発電のようにコストが低いとされている再生可能エネルギーには、発電量が天候に左右されるといった課題があります。これらの課題を克服するための技術や政策について、さらに詳しく知りたいですか?

再エネに移行してしまえば、かなり安くなりますか

再生可能エネルギーに全面的に移行することで、必ずしも電気料金が安くなるわけではありません。発電コスト自体は年々下がっていますが、再生可能エネルギーが主力電源になった場合、以下の新たなコストが発生するためです。

再生可能エネルギーの「見えないコスト」

  1. 系統安定化コスト: 太陽光や風力は天候に左右され、発電量が不安定です。この変動を吸収し、電力の需給バランスを保つために、大規模な蓄電池や、発電量を調整できる火力発電所といったバックアップ電源が必要になります。これらの設備投資や維持費用が、全体のコストを押し上げます。
  2. 送配電網の増強コスト: 再生可能エネルギーの適地(風が強い場所や日照量の多い場所など)は、大消費地から離れていることが多くあります。そのため、新しい送電線を建設したり、既存の送電網を強化したりする必要があり、これが多額の費用となります。
  3. 国民負担のコスト: 現在、太陽光発電などを普及させるために、電力会社が再生可能エネルギーを高い価格で買い取る「固定価格買取制度(FIT)」が実施されています。この費用の一部は「再エネ賦課金」として、私たちの電気料金に上乗せされています。これは、再生可能エネルギー導入を加速させるための国民全体の負担となっています。
これらのコストを総合的に考慮すると、単に「燃料費がかからないから安い」とは言えないのが現状です。
この「見えないコスト」の中でも、特に電力の安定供給に不可欠な蓄電池の役割とコストについて、さらに詳しく知りたいですか?

yotubeのソース下ではどのようにいっていますか

ご提示いただいた動画(ものづくり太郎氏と西村氏の対談)では、再エネへの移行コストについて、以下の点を挙げています。
  • 理論と現実のギャップ: 理論上は、再生可能エネルギーへの移行はうまくいくとされていますが、現実には政治的要因などでインフラ投資が遅れ、ドイツではエネルギーコストが高騰していると指摘しています。
  • コスト構造: ドイツのデータによると、新設コストだけ見れば陸上風力と太陽光が最も安価であると述べています [ 16:22]。しかし、発電量が不安定なため、それを補うための多大なコストが発生することも課題としています [ 24:49]。
  • 卸売市場の価格変動: ドイツの電力卸売市場では、再エネ発電量が多い昼間は電力が安くなる一方、夕方には価格が10倍に跳ね上がることもあると説明しています [ 11:43]。
このように、動画は初期投資の安さだけでなく、エネルギー転換に伴う「見えないコスト」や、システムの安定化に必要な費用に焦点を当てています。
これらの課題を克服するために、日本ではどのような技術や政策が検討されているか、さらに詳しく知りたいですか?