
1. 反力トルクの求め方
中央(段付き部)に外力トルク
を加えると,左右のシャフトはそれぞれ
- 左側(長さ
,直径
)に反力トルク
- 右側(長さ
,直径
)に反力トルク
を受け,つり合い条件から
両端は固定(回転拘束)なので,段付き部の回転角を
とすると
ここで
2. 反力トルクの比
式 (②) から
3. 反力トルクを決定
(①)(③) を連立すると
4. 段付き部でのねじり角
5. 極断面二次モーメントを代入
選択肢との照合
- 分子の係数 → 32
- 分母 →
これは ④ に一致します。
答え:④
参考:技術士第一次試験-令和2年度機械部門Ⅲ-7解答例 | 技術士のたまご
極断面二次モーメントと断面二次モーメントの違いはなんですか?
断面二次モーメント(ordinary second moment of area)と極断面二次モーメント(polar second moment of area)は、どちらも「断面の形状が力に抵抗する能力」を数値化する指標ですが、力の種類・回転軸の違いによって使い分けます。
1. 断面二次モーメント (曲げ剛性指標)
- 定義
断面をある直線軸(通常は中立軸としての 軸や 軸)まわりに曲げたときの抵抗力の度合い。
(ここで は断面内の座標、 は断面全体)
- 用途
梁の曲げ変形解析。曲げモーメント によるたわみ量 や応力 の算出に用いる。
- 単位
(断面積座標の二乗×面積)
2. 極断面二次モーメント (ねじり剛性指標)
- 定義
断面を中心軸(ねじり軸)まわりにねじったときの抵抗力の度合い。
( は上記の断面二次モーメント)
- 用途
軸やシャフトのねじり変形解析。ねじりモーメント による角ひずみ・角変位 の算出に用いる。
(:せん断応力、:断面内の半径方向座標)
- 単位
こちらも
まとめ
指標 |
計算式 |
用途 |
断面二次モーメント |
, |
梁の曲げ剛性 |
極断面二次モーメント |
|
軸のねじり剛性 |
—断面二次モーメントは「曲げ」、極断面二次モーメントは「ねじり」の剛性を表す、という点が最大の違いです。
極断面二次モーメントになるとx軸、y軸それぞれの断面二次モーメントを足したものになるのですか?
はい。極断面二次モーメント は、断面内の任意点 までの距離の二乗で重み付けした面積分
です。一方で
なので、
が成り立ちます。つまり極断面二次モーメントは 軸まわりの断面二次モーメントと 軸まわりの断面二次モーメントを足し合わせたものです。