【2004年_Chris J Morgan】Micro machining glass with polycrystalline diamond tools shaped by micro electro discharge machining
- 公開日:
https://citeseerx.ist.psu.edu/document?repid=rep1&type=pdf&doi=5ec70cd1134e3e0b9159ea64b5bc6b6c13a005d3
タイトル (Title)
Micro machining glass with polycrystalline diamond tools shaped by micro electro discharge machining
微細放電加工で成形された多結晶ダイヤモンド工具を用いたガラスの微細加工
ジャーナル名と発行年 (Journal Name & Publication Year)
Journal of Micromechanics and Microengineering, 2004年
最初と最後の著者 (First and Last Authors)
Chris J Morgan, Eric R Marsh
最初の所属機関 (First Affiliation)
Mechanical Engineering, University of Kentucky
要約 (Abstract)
ガラスの微細加工は脆性破壊や切削力による工具の変形・破損、工具摩耗が原因で困難を伴う。本論文は、微細放電加工(µEDM)を用いて成形された多結晶ダイヤモンド(PCD)工具で、ソーダ石灰ガラスおよび超低膨張ガラスを加工する可能性を示した。PCD工具は1 µmサイズのランダムに分布した鋭い切削エッジを持ち、これにより脆性破壊ではなく延性切削モードで材料を除去できる。滑らかな表面を実現し、工具摩耗も最小限に抑えられることが確認された。
背景 (Background)
従来の微細加工技術では、工具の脆弱性が硬くて脆い材料への適用を制限していた。PCD工具はその硬さと耐久性から、ガラスなどの難加工材料に適しているとされる。
方法 (Methods)
PCD工具は3段階のプロセス(ワイヤEDM、ワイヤ電気放電研削(WEDG)、µEDM)で成形された。これにより多様な形状の工具が得られ、ソーダ石灰ガラスの溝や超低膨張ガラスのポケットを加工する実験を実施した。加工後の表面特性はSEMおよび白色干渉計で評価した。
結果 (Results)
加工条件を適切に設定することで、脆性破壊を伴わず延性切削モードで材料を除去可能であることが示された。加工表面の平均粗さ(Ra)は0.3 nm、平面度は1.5 µm以下と非常に高精度な結果が得られた。PCD工具の摩耗率も極めて低いことが確認された。
議論 (Discussion)
延性切削モードでの加工が可能な条件を満たせば、ガラスの微細加工で優れた結果が得られる。摩耗が少ないPCD工具は、既存技術と比較してコスト効果が高く、より幅広い用途に適用できる可能性がある。
先行研究との新規性 (Novelty compared to previous studies)
本研究はPCD工具を用いたガラスの延性切削を実現し、従来の工具の限界を克服した点が革新的である。また、工具形状や粗さをµEDMで調整できる利点が示された。
限界 (Limitations)
切削深さが大きすぎる場合や不適切な条件下では、脆性破壊が発生することがある。また、加工速度のさらなる向上が求められる。
潜在的応用 (Potential Applications)
微細金型、マイクロ流体デバイス、ラボオンチップデバイス、バイオMEMSデバイスなどの製造への応用が期待される。





