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問題と解答

問題1

三相誘導電動機の構造について,以下の文の( )内の正しい語句を選び、下線部に適する語句を答えよ。

(1)かご形三相誘導電動機の特徴について

  • 銅棒(アルミ)を両端で短絡している(短絡環)が必要である。
  • 外部抵抗器が使用(不可能)。
  • 一般に始動電流は(大きい)。
  • 普通かご形では、始動時の力率が(悪い)ので,始動時の二次入力が(小さい)。このため、

始動トルクは(小さく)なる。高抵抗かご形では、二次抵抗を高抵抗にしたもので、始動トルク

は大きくなるが、運転効率は低下する。 特殊 かご形では、上記2つの欠点を補ったもので、始動トルクも

大きく、運転効率も良好である。

(2)巻線形三相誘導電動機の特徴について

  • 三相端子を外部に引き出すためのスリップリングが必要である。
  • 端絡環が(不必要)である。
  • 速度制御が(容易)である。
問題2

二次巻線Y結線1相当たりの抵抗をr2[Ω],回転子が停止中の漏れリアクタンスをx2[Ω],二次誘導起電力を

E2[V]とするとき,以下の問いに答えよ。

(1)すべりsで回転しているときの二次電流I2[A]を求めよ。

I2=sE2/(r22+(sx2)2)^0.5

(2)すべりsで回転しているときの二次巻線の起電力をE2とする等価回路において,機械的出力を代表する

抵抗R(等価負荷抵抗)を求めよ。

r2+R=r/s
R=(1-s/s)r2

(3)すべりsで回転しているとき,二次入力P2,二次銅損Pc2,機械的出力の関係を比で表せ。

Pc2=3×r2I22
P2出=3×(1-s/s)r2I22
P2入=3×r2/s×I22
P2入:Pc2:P2出=1:s:1-s

問題3

速度制御について述べた以下の文章のうち,正しいものには〇,誤っているものは訂正せよ。

  • 誘導電動機は負荷変化に対して回転速度の変化は小さいので,定速度電動機に分類される。・・・〇
  • 二次抵抗制御では,かご型,巻線型ともに有効な速度制御方法である。・・・×
    巻線型のみ
  • 一次周波数による制御では,誘導電動機の電源電圧を一定に保ちつつ,電源の周波数を変化させて速度制御を行う。・・・×
    V/fを一定にする
  • 一次電圧制御では,トルクが一次電圧に比例することを応用して,速度制御を行う。・・・×
    トルクは電圧の2条に比例する
  • クレーマ方式では,巻線型誘導電動機の二次回路に外部から励磁電圧を与えて,すべりを変化させる方法である。・・・〇
問題4

誘導電動機の始動法について,以下の文の( )内の正しい語句を選び,下線部に適する語句,数字を答えよ。

  • (かご形)三相誘導電動機は,始動抵抗器を使用できないので,以下の始動法を行う。
  • 全電圧始動法とは,容量が(小さい)電動機に適用することができ,定格電圧の電源に直接接続する 方法である。
  • 5~15kW程度のかご型誘導電動機には,一般的に(Y-Δ指導法 )を用いる。この方法では,まず固

定子巻線を(Y・Δ)にして電源電圧を加えて加速させたのち,海底速度が定格速度に達したのちは,固定子 巻線を(Y・Δ)に切り換える方法である。この方法では始動時に流れる線電流が直接始動に比べて           1/3            倍になる。また,始動トルクは直接始動に比べて    1/3     倍になる。

  • 15kW程度以上のかご型誘導電動機には,一般的に補償器始動を用いる。この方法では,三相単

巻電圧器により,()電圧を電動機に与え,回転子の回転読度が定格速度に達したら全電圧を電動機に 供給する方法である。

問題5

 

1次巻線巻数

220[V],50[Hz],6極の巻線形誘導電動機があり,巻数比(    1次/2次   )= 1.4である。

一次端子間に220[V],50[Hz]の電圧を一定に保つと,この電動機の回転速度が950[min1]になった。このとき,以下の値を求めよ。

  • 滑りsを求めよ。

    120f/p=120×50/60=1000[min-1]

    S=50/1000=0.05
  • 二次周波数[Hz]を求めよ。
    f2=sf1
     =0.05×50
     =2.5[Hz]
  • 二次端子間の誘導電圧[V]を求めよ。
    N1/N2=E1/E2
    1.4=220/E2

    E20≒157[V]
    E2=sE20

     =0.05×157
     =7.85[V]
問題6

定格出力200[kW],定格電圧3000[V],周波数50[Hz],8極のかご形三相誘導電動機がある。全負荷時の二次銅損は6[kW],機械損は4[kW]であった。
この電動機の全負荷時の回転速度[min1]を求めよ。ただし,定格出力は,定格負荷時の機械出力から機械損を差し引いた値である。

Ns = 120f/p=120*50/8=750[min-1]
P2入:Pc2=1:s=210:6 s≒0.02857
N=Ns(1-s)
=750(1-0.02857)≒729[min-1]

問題7

4極,周波数 50[Hz]の三相誘導電動機がある。定格回転速度 1425[min1]で運転しているとき,二次入力が 8[kW],機械損が100[W]であった。また,鉄損が10[W],一次銅損が二次銅損の1.5倍とする。このとき,以下 の値を求めよ。

(1)以下の値を求めよ。

  • 二次銅損[W]

Ns=120f/p=120*5/4=1500[min-1]
s=75/1500=0.05

1:s=p2入:Pc2=8000:pc2
pc2=400[W]

  • 定格出力[W]

P定格=7500W

(2)この電動機の効率[%]を求めよ。

η=出力/入力=7500/8610

問題8

定格出力40[kW],定格回転速度1425[min1],定格周波数50[Hz],4極の三相誘導電動機が,250[N・m]の

定トルク負荷を駆動しているときの回転速度[min1]を求めよ。

Ns=120f/p=1500[min-1]
s=75/1500=0.05
P=ωT
40*10^3=2π1425/60T
T≒268[N*m]

S≒0のとき
T/s=一定
268/0.05=250/s’
s’=0.0466
N’=(1-s’)Ns
=(1-0.0466)*1500=1430[min-1]

問題9

ある三相誘導電動機の一次1相当たりに換算した二次抵抗は0.20Ω,一次1相当たりに換算した全漏れリアクタンスは4.0Ωである。
この電動機を定格周波数,定格電圧の下にすべり0.02で運転したトルクは800N・mで あった。この電動機の停動トルク(最大トルク)[N・m]を求めよ。

P=ωT
3RI^2=2πN/60T
3(1-s/s)rI^2=2πNs/60T
T=3I^2r/s*60/2πNs=kI^2r/s=k*E^2/((r/s)^2+x^2)*r/s

s=0.02のとき
T=10/116kE^2=800
kE^2=9280

最大トルク S=0.05
T=1/8kE^2=1160[min-1]

問題10

巻線形三相誘導電動機があり,その二次1相の巻線抵抗は0.05[Ω]であり,二次端子を短絡した場合,定格負

荷状態において滑り3%で回転する。この電動機に120%の始動トルクを発生させるために,二次端子に接続するべき1相あたりの外部抵抗[Ω]を求めよ。

T=kE^2/{(r/s)^2+x^2}*r/s
s≒0のとき
T/s=kE^2/r=一定

T/s=T/0.03=1.2T/s’
s’=0.036

0.05/0.036=(0.05+R)/1

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