かつての地球は、とてもとても熱かった。
早い話、それが理由であなたも私も金でできた家をもてないのである。
というのも、宇宙にある溶けかけの大きな熱い球体(原始的な地球など)では、重力によって重い元素(金や白金など)は中心にある核のほうへ移動し、軽い元素(炭素、ケイ素、各種気体など)は表面へ送られるからだ。
この作用は完全ではないので、重金属や金属鉱石の層が地表近くで見つかることもある。
ただ、概して、本当に良いものは手に入りにくい。
奥深くなるほど見つけにくくなる。
それゆえ、小惑星探索の話が興味深く思えてくる。
小惑星とは基本的に、惑星になり損ねた「がらくた」で、合体して巨大な天体になることは永遠にない。
これは、興味深い金属がコアへと移る加熱過程を経ていないか、その過程は経たものの、その後に吹き飛ばされたことを意味する。
つまり、火星のすぐ先の、惑星の破片が大量にあるところには、地球に持ち帰りたかったり、宇宙に居留地を築くときに使いたかったりする、金属などの資源が大量にあるのだ。
小惑星には採掘を待つ資源が膨大に存在するという。
「すべてが金属でできている小惑星はいくつもあります。天然のステンレスやニッケル、鉄、・・・・などからなるもので、地球の近くにあるとわかっている最小の小惑星は、直径2キロメートルです。
これは、3554アムンという素敵な名前で呼ばれていますが、人類が地球上採掘してきた全金属量の30倍以上を含んでいます。
しかも、これはその小惑星のひとつの話であり、そういったものがほかにも何千とあるのです」
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