メンズ・シェッドの調査報告(2025年10月14日時点)

概要

メンズ・シェッド(Men’s Shed)とは、主に退職後の中高年男性が集まり、ものづくりや趣味活動、会話を楽しむための非営利の“居場所”である。1990年代のオーストラリアで、経済不況下に職を失った男性の孤立を防ぐために誕生し、家の作業小屋をイメージしたことから名付けられたstorage.e.jimdo.com。現在では木工・金工、家具修理、園芸、絵画、釣り、料理、音楽など様々な活動が行われ、参加者同士が肩を並べて作業しながら雑談や助け合いを行うstorage.e.jimdo.com。シェッドには男性専用の「メンズ・シェッド」, 男女混合の「コミュニティー・シェッド」, **女性専用の「ウィメンズ・シェッド」**といった複数の形態があり、一つとして同じシェッドはないとされるjapan-community-sheds-association.com。参加者自身が運営方針や活動内容を決め、役割分担や資金集めまで自主的に行う「自主管理」も特徴であるstorage.e.jimdo.com

発祥の背景

  • オーストラリアの失業問題 – 1990年代初頭の不況で職を失った男性たちの自殺や健康問題が深刻化し、社会的つながりを持つ居場所が求められたstorage.e.jimdo.com

  • 退職後の孤立 – 仕事中心の生活を送ってきた男性は退職後に地域コミュニティとの接点が少なくなり、孤独・うつなどのリスクが高い。側面に並んで作業し、無理なく参加できるシェッドの仕組みは男性が参加しやすい場となったdreamso.jp

  • 政府支援 – オーストラリア政府は早くからシェッド活動の効果を認め、健康促進・地域活性の政策として助成や制度化を進めたstorage.e.jimdo.com

世界における展開

グローバルな広がり

地域・国 概況・広がり 出典
オーストラリア 発祥の地。1990年代に相次いでシェッドが開設され、2025年現在でも約1,200以上のシェッドが活動しているstorage.e.jimdo.com。国内には「Australian Men’s Shed Association(AMSA)」があり、健康促進や資金調達の支援を行っている。 AMSAの概要storage.e.jimdo.com
アイルランド・英国・カナダ・ニュージーランド シェッド運動は英語圏を中心に広がり、アイルランドでは約435カ所、英国では500以上、カナダでは200以上の登録シェッドが存在する。英国には「UK Men’s Sheds Association」、カナダには「Men’s Sheds Canada」が設立されているmensshed.org Men’s Sheds around the Worldmensshed.org
北欧・欧州・アフリカ デンマーク(Mænds Modesteder)やスコットランド、ケニア、南アフリカなど非英語圏にも広がり、12カ国に約3,000のシェッドが運営されているとAMSAは報告しているmensshed.org AMSA報告mensshed.org
その他地域 米国でもU.S. Men’s Sheds Associationが2010年代後半から設立され、男性の意味・目的意識回復を支援する研究が進む。ウェールズでは地域開発マネージャーが訪日し、日本との国際連携を推進しているristex2022csjapan.com RISTEX活動報告ristex2022csjapan.com

多くの国で女性向けや男女混合の「コミュニティー・シェッド」も併設され、累計では世界で3,300以上のシェッドが存在すると推定する研究者もいるbarrygoanna.com

役割と評価

  • 健康・福祉への効果 – オーストラリア保健省やAMSAの調査によれば、参加者の約55 %が新しい技能を学んだり教えたりすることに喜びを感じ、60 %が地域への貢献に幸せを感じ、83 %がシェッドを支援ネットワークと考えているmensshed.org。また、日常的な軽度の身体活動が増え、長時間の座りっぱなしが減ることが活動量計の研究で確認されているpmc.ncbi.nlm.nih.gov

  • 社会関係資本の構築 – 2024年の心理学研究では、シェッドのリーダーが参加者に安全で一体感のある環境を作る「アイデンティティ・リーダーシップ」を発揮すると、参加者の社会的ネットワークの質が高まり、孤独感が軽減されることが報告されたpmc.ncbi.nlm.nih.gov。心理的安全性と仲間意識の醸成が、うつ予防やウェルビーイング向上に重要であると示唆されているpmc.ncbi.nlm.nih.gov

  • 地域貢献・世代間交流 – シェッドでは、木工品や自転車修理などを地域に提供したり、子ども向けプログラミング教室や合唱団などの活動を通じて多世代の交流を促す事例もあるdreamso.jp

日本におけるメンズ・シェッドの導入

導入の背景

日本では高齢化と男性の孤独問題が深刻化しており、2050年には65歳以上の男性単身世帯が26 %を超えると予測されているwales.com。こうした課題に対し、東北大学の「シチズンサポートプロジェクト」(JST‑RISTEX)が2022年にコミュニティー・シェッドの導入と効果検証を開始し、自治体やNPOと協力して国内版シェッドを展開しているristex2022csjapan.comristex2022csjapan.com

国内の主なシェッドと事例

名称(地域) 概要・特徴 出典
ポッケコタン(札幌市) 2023年に準備委員会が結成され、説明会を経て2024年4月に活動を開始した札幌初のメンズ・シェッド。会員は約40名で、木工・園芸・トレッキング・料理など複数の活動班があり、役割分担による自主管理を実践するstorage.e.jimdo.com。NHKや地方テレビで取り上げられ、2024年4月施行の孤独・孤立対策推進法に基づくNPOモデル事業に採択されたjapan-community-sheds-association.com Sapporo報告storage.e.jimdo.comjapan-community-sheds-association.com
寄郎屋(熊本県水上村) 2022年に開設された日本初のコミュニティー・シェッド。農作業小屋を活用し、男性だけでなく女性や子どもも参加できる「寄り合い場」として機能。内閣官房の孤独・孤立対策室から取材を受け、「スタートから間もないが女性や子どもも訪れ地域のハブになりつつある」と評価されたristex2022csjapan.com 活動報告ristex2022csjapan.com
新城メンズ・シェッド(愛知県新城市) NPO法人しんしろドリーム荘が空き家を改修して開設した「空家再生型メンズシェッド」。男性が役割を持って参加し、手作業や地域課題解決を通じて交流するdreamso.jp。2024年8月には米国医務総監が視察し、メンバーがなぜ参加したいのか聞き取りを行った。視察後、参加者は「楽しくて仕方ない」と本音を語り、米国が孤独問題の対策としてシェッドの有効性を確認したいと考えていることが報告されたdreamso.jp。生活必需品の値上げへの対応として、家庭菜園で余った野菜をシェッド前に置き衣食住のおすそ分けを行うなど地域福祉活動も計画しているdreamso.jp Dreamso報告dreamso.jpdreamso.jpdreamso.jp
ユニバーサルファクトリー(岐阜県多治見市) 内閣府の資料によると、多治見市で運営されている「日本版メンズ・シェッド」。もともと地域交流施設を活用し、ものづくりやスポーツ等を通じた多世代交流を促進。孤独・孤立対策モデル事業として位置づけられているcao.go.jp 内閣府資料cao.go.jp
その他 内閣府資料では新城市や静岡県でも空き家再生型メンズ・シェッドプロジェクトが報告されており、地域課題の解決と男性の居場所づくりを兼ねているcao.go.jp 同左cao.go.jp

これらのシェッド活動は、2024年に施行された孤独・孤立対策推進法の後押しを受け、政権与党の特命委員会でも取り上げられている。2025年5月、JCSA代表の伊藤氏が自由民主党政務調査会孤独・孤立対策特命委員会で講演し、ポッケコタンや寄郎屋の取り組みを紹介するとともに、居場所づくりや中間支援組織への支援の重要性を訴えたjapan-community-sheds-association.com

日本の取り組みの特徴

  • 科学的評価の実施 – シチズンサポートプロジェクトでは、医療・心理・脳科学研究者が参加者のストレス指標や脳機能を測定し、シェッド活動が認知機能やウェルビーイングに与える影響を検証しているristex2022csjapan.com

  • 政府・自治体との連携 – 2024年4月施行の孤独・孤立対策推進法により、シェッドなどの居場所づくりが政策課題となり、地方自治体や関係NPOへの助成が始まっているjapan-community-sheds-association.com。札幌ポッケコタンや寄郎屋は政府のモデル事業に採択され、資金面・運営面で支援を受けているjapan-community-sheds-association.com

  • 国際交流の活発化 – 2025年夏には日本コミュニティー・シェッド協会が英国ウェールズを訪問し、Caerau Men’s Shedなどを視察。UK Men’s Sheds AssociationおよびMen’s Sheds Canadaと会談し、今後の連携を確認したristex2022csjapan.com。秋にはウェールズの開発マネージャーを招いたオンラインセミナーが開催される予定ristex2022csjapan.com

研究で示された効果と課題

効果

  1. 社会的つながりと支援ネットワークの構築 – AMSAのアンケートでは、シェッド参加者の69 %が雑談や冗談を楽しみ、83 %がシェッドを支援ネットワークとして頼りにしていると回答したmensshed.org

  2. 心理的安全性と孤独の軽減 – 2024年の研究では、シェッドにおけるアイデンティティ・リーダーシップが心理的安全性や社会的ネットワークの質を高め、それが幸福感や生きがい感の向上、孤独感の減少と関連していることが示されたpmc.ncbi.nlm.nih.gov

  3. 身体活動の促進 – 2023年の行動研究では、シェッド参加日に軽度の身体活動量が増え、座位時間が減ることが測定されたが、身体活動量の増加と自己報告による生活満足度の向上には相関が見られなかったpmc.ncbi.nlm.nih.gov。つまり、身体活動よりも仲間との交流や役割意識が幸福感の向上に寄与している可能性が高い。

  4. 役割と自尊心の向上 – 手作業や地域奉仕、役割分担を通じて達成感を得ることができる。シェッドでは「作る人」「支える人」「場をつなぐ人」などさまざまな役割があり、参加者の自尊心や責任感の向上に寄与しているstorage.e.jimdo.com

課題・今後の展望

  • 持続的な資金確保 – 運営費や器具の調達、スペースの確保には継続的な資金が必要であり、多くのシェッドが助成金や寄付に依存している。

  • 場所の確保と空き家活用 – 日本の都市部ではスペースが限られているため、空き家や使われていない公共施設の活用が鍵となるcao.go.jp

  • 参加者層の拡大 – 現在は50歳以上の男性が中心だが、若年層や女性、障害者も参加できる「コミュニティー・シェッド」を広げることで、世代間交流や多様性が促進される。

  • 科学的エビデンスの蓄積 – RISTEXプロジェクトでは脳科学や心理学的評価を実施しているが、長期的な効果や介入プロセスの分析はまだ少ない。継続的な研究とデータ蓄積が求められるristex2022csjapan.com

まとめと展望

メンズ・シェッドは、孤独・孤立の予防や生きがいづくり、地域コミュニティの活性化を目的とした世界的な運動であり、オーストラリア発祥のこの仕組みは世界3,000〜3,300カ所に広がっているmensshed.orgbarrygoanna.com。活動内容は手作業から芸術、料理、スポーツまで多岐にわたり、参加者自身が運営に関与する自主管理型コミュニティであるstorage.e.jimdo.com。研究では社会的ネットワークの質向上や心理的安全性の確保が精神的健康に効果的であることが示され、身体活動の増加に加えて精神的なつながりが重要であると強調されているpmc.ncbi.nlm.nih.govpmc.ncbi.nlm.nih.gov

日本では、東北大学を中心としたプロジェクトが中心となり、札幌市や熊本県水上村、愛知県新城市、岐阜県多治見市などでシェッドが立ち上がり始めた。2024年には孤独・孤立対策推進法が施行され、政府が恒久的に居場所づくりを支援する体制が整ったjapan-community-sheds-association.com。2025年には英国やカナダのシェッド協会との連携が始まり、国際交流も活発化しているristex2022csjapan.com

長寿社会を迎える日本にとって、メンズ・シェッドは男性の健康増進や地域共助の基盤として大きな可能性を持つ。今後は、多様な世代・性別が参加できるコミュニティー・シェッドの普及空き家や公共スペースの有効活用科学的エビデンスに基づいた支援策の充実が課題となる。政府や研究機関、地域のNPOが連携し、孤独・孤立のない社会づくりに向けてメンズ・シェッドを発展させていくことが期待される。

メンズシェッドの始め方を教えてください

メンズ・シェッドを始めるためのステップを、海外での事例やガイドラインを参考にして「日本で実践可能な形」に落とし込んだ形で解説します。既存の資料(オーストラリアの AMSA、米国、英国、カナダ等)をもとにしています。 (Australian Men's Shed Association) 以下の流れとポイントを押さえれば、地域に即したメンズ・シェッドを立ち上げやすくなります。

メンズ・シェッドを始めるためのステップ

以下は典型的な流れです。ただし、地域性・資源・関係者の状況に応じて順序や内容を調整してください。
フェーズ 主な作業・検討事項
準備/構想フェーズ アイデア出し、調査、関係者ヒアリング、仮の構想づくり
計画・組織化フェーズ 運営体制づくり、場所選定、資金調達、法制度整備
起動・運営フェーズ メンバー募集、活動開始、広報、継続性確保
以下、各フェーズで押さえるべき具体的な手順と注意点を解説します。

1. 構想・準備フェーズ

1.1 アイデアの明確化・目的設定

  • なぜその地域でメンズ・シェッドをやるのか?地域のニーズは?(高齢男性の孤立、健康問題、地域コミュニティの弱体化、ものづくり・趣味支援など)
  • どのような「居場所性・活動性」を重視するか。たとえば、木工/金工中心、補修・修理事業、ガーデン、ものづくり、交流・対話重視など。
  • 「男性専用」にするか、コミュニティ・シェッド形式にするかも最初に検討する(AMSAの定義では、女性メンバー受け入れの可否は地域判断とされている) (Australian Men's Shed Association)

1.2 地域調査・関係者ヒアリング

  • 類似の活動(地域サークル、ものづくり工房、ボランティア団体など)がないか、既存施設やネットワークを調べる。
  • 地域自治体(市区町村の地域振興課・まちづくり課、福祉部門など)とも協議する。
  • 住民や潜在参加対象者に対するヒアリングやアンケート、説明会などを通じて関心・要望を聴取する。
  • 他の地域で活動しているメンズ・シェッドを見学・交流し、運営ノウハウを学ぶ(「Visit other Sheds」は多くのガイドで推奨) (Australian Men's Shed Association)

1.3 ステアリング委員会(企画運営グループ)結成

  • 初期メンバー、賛同者、アドバイザーを集めて、企画・運営を担うグループを組む。
  • 委員会(Steering Committee / Planning Committee)には多様な視点(工業・設備・広報・地域連携など)を持つ人を含める。
  • 役割分担をある程度仮決めして進めやすくしておく。

2. 計画・組織化フェーズ

2.1 法的・会計的基盤整備

  • 非営利団体、NPO、任意団体など、どのような組織形態が地域に合っているかを決定する(法人格取得の是非、運営責任や税務・会計管理を想定)
  • 定款(目的、会員規程、理事・委員会構成、会計・決算、解散条件など)を作成
  • 保険加入の検討:公共賠償責任保険(Public Liability / General Liability)、ボランティア保険、施設・機器保険などが一般的に重視されている (Australian Men's Shed Association)
  • 安全衛生規程や利用規程、機械・工具使用ルールなどを設計

2.2 会場(設備・施設)の確保

  • 仮拠点でもよいが、できれば会員が「拠点」と呼べる場所を確保
  • 借用・賃貸・無償使用・自治体施設利用・空き家利用など可能性を検討
  • 建物の耐震性、電力・換気・照明・防火・水道・トイレといったインフラ要件を確認
  • 倉庫や工具・機材置き場、工作スペース、休憩スペース(談話スペース)などを配置検討
  • 初期段階では既存施設を改修して活用する例も多く、改修が参加者のワークにもなる (Australian Men's Shed Association)

2.3 資金調達・予算設計

  • 初期資金:施設改修、工具・機材購入、備品、保険、光熱費、広報費など
  • 運営資金:会費、支援金、補助金、寄付、事業収入(ワークショップ代金、修理サービス提供など)
  • 補助金・交付金制度、地域まちづくり予算、公的制度(地方自治体・県など)を調べて申請
  • スポンサーや協賛、企業からの機材寄贈を呼びかける
  • 小さく始め、持続可能な運営を目指すプランを立てる

2.4 運営体制およびルール整備

  • 組織構成:理事・運営委員、会員制度、役割(広報、施設管理、安全、会計など)
  • 会員規程:入会資格、年会費または月会費、会員の権利義務、退会・除名規定
  • 利用ルール:機材使用ルール、安全手順、工具貸出、清掃管理、危険報告体制など
  • 労働安全・リスク管理の観点から、事故防止マニュアルや利用者研修を設計
  • 定例ミーティング、意思決定プロセス(総会や委員会方式)を定める
  • 定性的な目標・活動方針(ミッション、ビジョン、行動指針)を明文化する

2.5 広報・メンバー募集準備

  • ロゴ・名称・ブランド設計、ウェブサイト・SNS・チラシの準備
  • 説明会、見学会、体験イベントを企画
  • 地域広報(自治体発行紙、コミュニティセンター掲示、回覧板、新聞、ラジオ、地域サイトなど)を活用
  • 初期メンバー登録、賛同者リストづくり
  • パートナー団体(地域住民団体、NPO、福祉系組織、商工会、自治体など)との連携協定を模索

3. 起動・運営フェーズ

3.1 プレ活動・試験運営

  • 正式オープン前に「試しの活動日」を設定し、体験会やワークショップを行って実際の運営感覚をつかむ
  • 既存プロジェクト(ベンチ補修、花壇づくり、家具修理など)から小さく始めて「手を動かす」体験を提供
  • 体験イベントで地域住民の関心を引く
  • 運営課題(時間帯、参加人数、安全管理、道具搬入・保管など)を洗い出す

3.2 正式開始

  • メンバー制度を開始、定期開催日・時間を確定
  • 定例活動を始める(週1回、月2回など)
  • 会員同士が自主プロジェクトを持ち込める場を設け、「やってみたいこと」の提案を募る
  • 活動の記録・報告(活動日誌、写真、成果物)を残し、参加の動機づけに使う
  • 安全点検、メンテナンス、備品管理をこまめに行う
  • 継続課題への対応、参加率の維持、運営改善を随時行う

3.3 継続性・拡張

  • メンバー育成:機材操作、指導者育成、リーダーシップ養成
  • コラボレーション:他団体や地域イベントとの連携、共同プロジェクト実施
  • 収益事業の検討:ワークショップ有料開講、修理サービス提供、販売事業(手作り品など)
  • 評価と改善:会員満足度調査、外部評価、課題分析と改善策実施
  • 拠点強化:拡張改修、設備補充、施設改善
  • ネットワーク参加:国内/国際のメンズ・シェッド団体に登録・連携することで支援・情報交換を受ける

ポイント・留意点

  • 「メンバー(人)」を先に育てる:施設や拠点を先に用意しても、参加者が定着しなければ意味が薄くなる。「人を巻き込みながら場所をつくる」アプローチが多くのガイドが推奨する方式 (Australian Men's Shed Association)
  • 柔軟性重視:最初から完璧な構成を求めず、小さく始めて試行錯誤しながら改善していくこと
  • 安全性・リスク管理を軽視しない:工具や機材扱い、作業環境の安全を最優先に設計・ルール化
  • 持続可能性への配慮:資金・人材が枯渇しないよう、少しずつ運営力を高めていく
  • 地域性を反映させる:地域住民の興味・関心、資源、文化背景を反映した運営形態を作る
  • ネットワーク活用:既存のメンズ・シェッド団体、地域NPO、自治体、大学・研究機関などとの連携が強みになる
  • 評価と記録を残す:活動成果や変化を記録し、参加者の声や成果を可視化する(報告書、広報素材、論文化など)
  • 活動ジャンルを多様化する:木工だけでなく修理、リサイクル、ガーデン、デジタル支援、機械整備など複数のジャンルを扱うことで参加者の好みに応じやすくする(“ものづくり + 交流”が多くのシェッドの特徴) (University of Chichester)