なぜ私たちはコントロールを楽しむのか?
自分自身で選択した結果は、押し付けられたものより自分の好みやニーズに合っていることが多い。
だから私たちは、自分のコントロールできる環境の方が、高い満足度をもたらすことを知っている。

選ぶという行為はコントロールの一つの手段だ。
たとえば、あなたが見る映画を私が決めてあげるよりも、自分自身で決めたほうが、自分が楽しめる映画を選ぶことができるだろう。
自由選択の結果は好ましいという経験を繰り返すうちに、私たちは心の中では選択と報酬の関係が強固になり、洗濯そのものが報酬ー探し求め享受するものーになってしまったようだ。

ラトガース大学の神経学者マウリチオ・デルガ―ド率いる研究チームは、実験から次のような結果を導き出した。
選択の機会が与えられることがわかると人は喜びを感じ、脳の報酬系である腹側線条体が活性化する。
人間は選択それ自体を報酬と捉え、選択肢を与えられたら「選ぶこと」を選ぶのだ。

健康で幸福でいるには

自分の人生をコントロールしていると感じられる人は、より健康で幸せだ。
それを念頭に置いて考えると、私たちの実験の参加者はマンシュ―やテオ同様、「合理的」にふるまっているのかもしれないーコントロールを維持することによって、幸福感を高めていたのだから。例えば、その他の条件が同じなら、自分がコントロールしていると思っている癌患者の方が長生きするし、心疾患のリスクの低さもコントロール感の高さと関係している。
恐れ、不安、ストレスなど、身体に有害なすべてのものがコントロール感によって減少することを考えれば、意外ではないかもしれない。

 

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