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スタートアップ企業の中でも成長するのは一部の企業のみである。
具体的には、人的資本の水準が高い起業家による企業やイノベーションに取り組む企業である。

能力の高い起業家は創業後に成長する可能性が高い。
とりわけハイテク分野では人的資本水準向上による起業後の成功確率が優位に高い(Kato and Honjo,2015)
人的資本の水準が高い個人に対する創業支援を促進することは重要である一方で、
成長のポテンシャルのある業界への重点的な支援という点も考慮すべきかもしれない。

 

Branstetter et al.(2014)やColombelli et al.(2016)が示したように、多くの企業は雇用を生み出さず、
イノベーションや経済成長へ貢献しない。他方で、知識のスピルオーバーが期待でき、成長へ大きな貢献が期待される
研究開発志向のあるスタートアップ企業は、必要な資金が調達できない傾向が強く、能力の高い起業家でさえ外部資金へのアクセスが困難である(Honjo et al.,2014)。

Colombo et al.(2011)が分析したように、選抜しないで支援した場合は全体として経済への正の効果が期待できない。
したがって、創業活動の活性化を通した経済成長を実現するには、成長見込みのある企業や業界への重点的な支援を行うことが求められる。

特に、ハイテク部門におけるスタートアップ企業への支援が求められる。

 

創業活動の活性化を通した経済成長の実現には、政府による公的支援だけでは不十分かもしれない。
事業機会の認知あるいはその後の成功確率を高めるためには、起業家自身による知識・スキル向上やネットワーク構築を図る等の人的資本投資が欠かせない。

 

日本は、人口減少、高齢化、それに伴う労働力低下という問題に直面している。
このような状況のもとで、イノベーションを促進し、経済成長を実現することは容易ではない。
他方で、その実現のためには創業活動の活性化が重要な役割を果たす可能性を秘めている。

但し創業活動の活性化を公的支援に頼るだけではなく、社会全体の変化が求められるかもしれない。
既存企業で雇用されている個人が、被雇用先を離れ創業のインセンティブを持つには、起業家になることによる
期待所得が被雇用者のそれを下回らないようなシステムにする必要があり、起業家になることのリスクを軽減することが重要である。

 

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