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スタートアップ企業への期待は大きい一方で、そのすべてが経済成長へ貢献するわけではない。
良く知られているように、スタートアップ企業のうちごく一部のみが生存し、成長を達成できる(Geroski 1995)。

彼らはイノベーションを実現し、雇用創出へ貢献するが、他の大多数の企業は経済へほとんど影響を与えない。
スタートアップ企業は、資源の制約が大きく、経験も乏しい。

資本市場の不完全性の下では、スタートアップ企業は外部の貸し手との間に存在する情報の非対称性が大きいため、
資金調達の面で大きな困難に直面する傾向がある。特に、イノベーション活動においてはその性質上、外部への情報開示が
難しいため、スタートアップ企業と外部の貸し手との間の情報の非対称性が大きい。

したがって、研究開発志向のスタートアップ企業は資金調達においてより大きな困難に直面する(Honjo et al,,2014)。
このような市場の不完全性を背景に、政府による創業支援が正当化されてきた。
とりわけ、知識のスピルオーバーが期待される研究開発志向のスタートアップ企業への公的支援は正当化されやすい(Grilli,2014)

 

日本政府の成長戦略(2014年6月)では、開業率が廃業率を上回る状態にし、欧米並みの10%に引き上げる目標が掲げられており、
開業率の上昇は重要な政策課題と位置付けられている。
しかし、日本における開業率は長期に渡って低迷している。平成27年版中小企業白書によれば、日本における開業率は、
近年上昇傾向ではあるものの5%程度に留まっている。なぜ日本の開業率は低迷し、何が創造活動を活発化させるのか。

また日本におけるスタートアップ企業の成長には何が必要か。
この本では、学術的観点から国内外において行われてきた創業活動に関する研究をサーベイすることを通して、将来的な創業活動を通した経済活性化への手掛かりを探る。

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