機械加工の現場で最も多いトラブルは、「目に異物が入る」ことです。

そして、「目に異物が入る」原因で特に多いのが「圧縮エアー」の使用時です。
これは、対象物に当たった圧縮エアーが作業者に向かって吹きかえり、エアーに巻き込まれた異物が目に入ることによって生じます。

圧縮エアーは工作物などに付着した細かい塵やほこりを取り除くには大変便利なアイテムですが、使用する場合には、保護めがねを着用することが厳守であり、対象物を直視しない、周辺に他の作業者がいないなど、トラブルに対する対策とトラブルを発生させないという自覚が必要です。

 

トラブル対策に気を配れる作業者が一流の証です。

万一、目に異物が入り、違和感を覚えたときには、目を擦らず、水道(きれいな流水)で目を洗います。
これまでに報告されている事故事例には、眼球に小さな切りくずが刺さっていた状況で目を激しく擦ったため、眼球に傷が付き、視力が大幅に低下したというものがあります。

 

目に違和感があるときには、絶対に目を擦ってはいけません。
水道で目を洗った後も違和感が残る場合には、眼科など専門医の診察を受けることが大切です。
小さな事故ですが、処置を誤ると大きな事故に発展します。

加工現場におきて、「圧縮エアー」を使用して切りくずを飛ばし、掃除する風景を見掛けます。
工作機械に向かって「圧縮エアー」を吹くと、切りくずや切削油剤が摺動面に入り込み、摺動面を傷つけるため、運動精度が著しく低下します。

NC工作機などでは、「摺動面に向かって圧縮エアーを吹かないでください」という注意書きが機械本体にも書かれています。
「圧縮エアー」を掃除に使用することにより、切りくずが飛散し、掃除の手間は省けますが、工作機械には一定のリスクがあることは理解しておく必要があります。

工作機械の寿命は使用する技能者(作業者)によって変わります。

 

 

<研削加工の特徴>

  • 高硬度材に対応するために超砥粒(ダイヤモンド、CBN)を用いると、砥石が高価になる。その一方で、目づまり、目つぶれしやすいために、頻繁にドレッシングを行うことから、砥石の消耗が著しく激しい。
  • 研削加工で要求されるのは、鏡面に近いような表面状性状である。しかし、脱落した砥粒が引き起こす被削材面へのスクラッチは、歩留まりを悪化させる
  • 送り速度を遅く、切込み量を小さくするために、生産性を犠牲にしている。加工費が高くなる。

⇒目づまりの抑制、研削抵抗の低下。研削熱の発生の抑制(効率的な研削熱の除去)

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