仮想通貨に参戦したFacebookの創業者、マークザッカーバーグは「リブラ」で世界の通貨事情を大きく変えようとしていた。 壮大な構想はアメリカの規制当局を刺激し、やむなく、ザッカーバーグは米政府当局の承認が得られるまで動かないと、述べるまでとなった。   ビットコインに見られるデジタル通貨は集権的な組織に頼らなくても金融システムが構築でき、国際的な金融取引がスムーズに行うことができることを証明した。 結果的にブラックチェーンの技術を使った仮想通貨が次々と生まれた。その一つがFacebookのリブラである。   今では金融機関や各国政府、銀行、IT企業もブラックチェーンに投資している。資金移動の手間を削減するためにブロックチェーンの、技術は有用だと判断されているからだ。   そもそもFacebookが作ろうとしているリブラとはなんなのか。リブラプロジェクトでは、「数十億人が権利を有するシンプルな世界通貨と金融インフラを創出する。お金の刷新と世界経済の変革であらゆる場所の人々がよりよい生活を送れるようになる」。こう目標を掲げている。 リブラに関して提唱されている要点は次の3点である。 ①リブラは安全で、規模の拡大に対応でき、信頼できるブラックチェーン上に構築される。 ②リブラは実体価値を与えるための準備資産に裏打ちされている。 ③中立的な機関であるリブラ協会によって管理、運営される。   リブラの価値はメンバーの投票で決まる法定通貨の割合で決定される。例えばメンバーが米ドル50%、円50%とと割合を決めれば、割合構成に含まれないユーロは市場で低い評価を受け、ユーロ市場に多大な影響を与えかねない。 このことはユーロに限らずドルにも言え、米議会がや規制当局が懸念するのはこの点である。   このようにデジタル通貨は米ドル優位の金融市場を崩壊させる力を持っている。   将来的にはリブラが暗号通貨の覇者になっているかも知れないし、沢山の通貨が使われているかもしれない。いずれにせよ、一国が基軸通貨の地位を享受する時代は終わりに近づいている。 規制ばかりでなく新しい技術を取り入れるタイミングが日本にも来ているようだ。革新を怠れば世界の流れから置き去りにされかねない。   途上国では、資産を仮想通貨に流すということが起きている。政情が不安定な地域では、国家通貨の価値は激しく上下する可能性があるためである。   世界的に見れば、仮想通貨は非常に肯定的にとらえられているが、既得権益に縛られた日本ではどうだろうか…